624 虚業家群

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経営コラム SOLID AS FAITH 第624号
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 ご愛読ありがとうございます。第624話をお届けします。

 新年に入って、またも大きく政局が動いています。世界情勢の変化も大き
く、VUCAはやはり中小零細企業の経営にも相応の影響を与えるようになって
きています。さまざまなことが当たり前ではなくなり、中小零細企業におい
てさえジワリとした変化の兆しが唐突に大波になってしまうことが散見され
ます。

 それでも経営資源の限られている中小零細企業にとって、変化の姿がさま
ざまであろうとも、やれることはそれほど多くなく、大抵の場合、「強みを
磨く」に収斂します。今更ながらですが、自社の強みを明確にし、それを活
かせる機会のあるフィールドでの事業展開に専念することが必定なのだろう
と考え至ります。
 
 毎年恒例の寒中見舞いの発送を始めました。今回のテーマは再度採り上げ
る「中小零細企業の読解力教育の必然性」です。中小零細企業が進むべき活
路には必ず乏しい読解力が障壁となって存在しています。大きな歩みにはそ
の攻略が避けられません。今回の寒中見舞いは久々にA5判からA4判に戻し、
読解力教育の必然性をたっぷりとご説明する内容になっています。お手元に
届きましたらご笑覧ください。(2月初旬の段階で手元になく、ご一読をご
希望の場合にはメールにてご一報ください。)

 今回の号は『虚業家群』と題して、経営コンサルタントや経営支援の仕事、
そしてその先にある組織経営の仕事そのものの「実業性」について考えてみ
ることにした内容です。嘗て18周年記念特別号で「死すべき技術」としての
経営を考えてみたことがあります。切り口はやや異なりますが、経営コンサ
ルティングや経営支援の仕事の実業度合いの怪しさなどや、他のいろいろな
業種の社会の必要度合いを考えてみる内容です。ご意見・ご感想をお待ちし
ております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

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 ■経営コラム SOLID AS FAITH 18周年記念特別号 vol.1
  http://tales.msi-group.org/?p=1099
 ■経営コラム SOLID AS FAITH 18周年記念特別号 vol.2
  http://tales.msi-group.org/?p=1103
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その624:虚業家群

 以前から知る経営コンサルタントと秋葉原で落ち合って久々に雑談した。
彼が言う。
「実業って言葉は昔からあるよね。出版社でも実業之日本社とかあるでしょ。
実業って何だろうって、ふと考えて。調べてみると、実業は生産的・経済的
な事業ってことらしくて。で、反対に“虚業”っていうのもあってさ。相場
師とか堅実でない事業とかの定義がネットでも出てくるんだよね。けど、考
えてみたらコンサルだって堅実じゃないよね」。

 最近は「エッセンシャル・ワーカー」という言葉をよく聞く。人間生活に
必須の財やサービスを提供する仕事だろうが、意味はかなり広い。一般に娯
楽の提供などは、人生にとってエッセンシャルではないと考えられているよ
うだ。しかし、大震災の地で早々にオープンしたパチンコ店もラブホテルも
地元の人々から歓喜の声を浴びたと聞いたことがある。

 性奴隷の仕組みがない日本では、大分昔から戦地には娼婦や慰安婦が存在
したようだ。組織だって娼館や慰安所になり、近代では軍が管理監督してい
たことも多い。単に兵士を「慰める」のみならず、結果的に性犯罪を防ぎ、
さらに性病の蔓延を防ぐ効果があるという。戦地においては、エッセンシャ
ルと見做されていたと考えられそうだ。

 学習することに対して人間は強い欲求を持っていて、学習欲は生理的欲求
の一つだという説がある。ならば書店だって図書館だってエッセンシャルか
もしれない。学校という公共サービスもそうだろうし、学校がそうなら塾も
OKかと考え込んでしまう。

 多くの文化活動やスポーツ関係に携わる人々はエッセンシャルとは見做さ
れないだろう。映画制作関係者もテレビ局の報道・教育関係以外の番組制作
者も虚業扱いかもしれない。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』なるアニ
メもあるが、秋葉原の街で見掛ける多くの店舗もその客引きをしている女性
達も地下アイドル達もエッセンシャルとは考えにくい。

 経営者が生産性向上なども考えず、経営環境の変化にも適応せず、漫然と
日々会社でルーチンだけをこなしていたら、遠からずその経営は傾くだろう。
しかし、その経営者の認知の範囲で経営改善のニーズはなく、彼らから見た
ら、経営支援の商売は間違いなく如何わしい虚業の一つだろう。そういった
中小零細企業経営者は寧ろ多数派だと、中小企業庁のお役人は言う。だから、
彼らを啓蒙する所から始めるべきらしい。

 ニーズをいちいち芽吹かせなくては存在意義が生まれない仕事。これも虚
業だろうか。1億を超える人口を支えるのに十分なエッセンシャルな仕事の
人工は幾らぐらいなのだろう。秋葉原からの帰途、小雨の中で路上ライブを
続ける若者を新宿駅南口の信号で見やる。

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次号予告:
 第625話 『R64号の発明』 (2月10日発行)
 安部公房の短編小説『R62号の発明』は機械による人間疎外を描いた名作
です。それにヒントを得た第480話『R63号の発明』。そして今回はその続き
を考えてみました。

(完)