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経営コラム SOLID AS FAITH 第372号
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ご愛読ありがとうございます。第372話をお届けします。
夏っぽい日々が続くようになりました。皆様、如何お過ごしでしょうか。
今年10月末日発行予定の16周年記念特別号は、当コラムのタイトルを振り
返ることをコンセプトとして、原稿が徐々に揃ってきました。原稿ができてい
く過程で古い号を読み返す機会も増え、忘れていた中身を思い出したり、まる
で、他人が書いた文章のように「おお」と膝を叩いたり、面白く作業を進めて
います。
当コラム創刊以来最長のシリーズ『これからの生活』の第三弾は『高リター
ンの追求』と題して、投資に見立てて、子育ての定石を考えてみました。30を
過ぎて人生の軌道を変えていくのは並大抵のことではありません。それに対し
て、子供の未来には大きく変更する余地が残されています。どちらに投資する
かは火を見るより明らかだと私は思います。
シリーズ全7話も漸く3話が出揃い、各号の主旨が微妙に重なり合いながら、
全体の主張を形作り始めました。完成まで徐々に揃って行く7話の構成を一緒
にお楽しみ戴けましたら幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちして
おります。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その372:高リターンの追求 =これからの生活(3)=
この本ですと、私は部長に手に持った書籍を差し出した。その書籍は『私は
リトル・アインシュタインをこう育てた』。部長は、手にとって丁寧にページ
をめくる。
一人だけ子供を作ると決めた私と妻が、最初で最後の経験なので、無理しな
い範囲で最善の子育てをすべく、一冊の書籍を選んで読むことにした。選んだ
この本は、商社マンの夫と韓国人の妻に、米国在住時に産まれた第一子が測定
不能の高IQだったことから話が始まる。米国に数ある英才教育機関もすべて
尻込みするほどの高知能。夫婦は教育のプロでもなく、子育て自体が初めてで
あるのに、天才の教育に挑むことになった。二人が編み出した育て方を、その
まま普通の子供に適用するのは難しい。けれども、彼らの考え方を無理ない範
囲で参照することはできる。
「小さいうちから、たくさん旅行に連れ出す」、「パズルなど完成してないも
の、粘土など形のないもので遊ばせる」、「質問にきちんと答える」、「本を
読む姿を見せる」、「幼児言葉で話しかけない」、「テレビは、親が内容を把
握しているものを見せる」など、読み取った内容をいくつかの教訓にまとめた。
そんな話をすると、クライアント企業の幹部や社員の方々から、その本を教え
てくれと、頻繁に言われる。
知り合いから、私が私大で教えていたキャリアの考え方を教えてやってくれ
と頼まれ、転職活動中の女性に会った。彼女には夫と二人の小さい子供がいる。
面接は受けているが、やりがいのありそうな仕事が見つからないと言う。質問
を幾つかして、彼女が働こうとする理由は、家計の問題もあるが、彼女が「社
会に出ないと浦島太郎になりそうだから」と言うことと分かった。夫は建築関
係の地方でも需要のある職種。
地方都市に転居すれば、支出は半減する。人口減に悩む行政機関の助成を受
ければ、楽に暮らしていける。Uターン採用に熱心な企業は大抵優良だ。転居
して夫の収入で生活し、当面、子育てに集中したらどうかと私が言ったら、彼
女は激昂した。
高校の進路指導で、ヒモになりたいと答えた私は、家で家事と育児を最良の
状態で行なうことが、どこかの会社の社員になって働くことに比べて、劣って
いたり卑下したりすべきことだと全く思っていない。仕事は何をやっても稼げ
るが、家事育児は代えが利かない。普通は代えが利かないことのほうが高価値
だ。家事育児はFXも不動産も足元にも及ばない確実で高リターンな投資だと
私は思っている。
「アメリカに留学して修士学位までとった人間が、家で子供の世話などしてい
ていいのか、とおっしゃる方に、いつか出会ったことがあります。(中略)こ
の世で子供を育てること以上に、大変でやりがいのある仕事があるだろうかと
思いました」。
『私はリトル…』の「はじめに…」の冒頭の文章。本当に学びの多い本だと思
う。
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※本文中の高校の進路指導時のエピソードは、
詳しく第302話で紹介されています。
第302話『出島感覚』 http://tales.msi-group.org/?p=504
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
AR(拡張現実)の技術を用いた
ビジネスモデル特許を申請しました。
以前から、関心を持っていたAR技術。
セカイカメラなどの事例を見ても、
画期的な発想に基づいた広い可能性を持つ技術群だと思いますが、
ビジネスの現場で活用されている事例は、
どんどん増えているようには感じません。
そんな中で、合資会社アイソリューション社の山口佳織氏と
共同で一件申請をすることとしました。
弊社では、イベント会場での来場者管理システムの
ビジネスモデル特許を持っています。
申請後に該当技術は急速に陳腐化しましたが、
その際に学んだイベントのブース運営のノウハウなどは、
非常に役立っています。
今回のビジネスモデル特許も、
直接でも間接でも、得るところが出ればよいものと思います。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『築地魚河岸ことばの話』 生田與克 著
■『ピケティ『21世紀の資本』を日本は突破する…』 増田悦佐 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第373話 『あらぬ方向』 シリーズ『これからの生活』(4)
(8月10日発行)
来日した米国の日本通の大学教授の日本経済に対する処方箋は、頓珍漢極ま
りないものでした。幻想か神話か、日本人のあり方の議論に、覆い被さるバイ
アスについて考えてみました。
(完)