301 通信プロトコル =脱兎の心中= 300話発行記念特別号 第二弾

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経営コラム SOLID AS FAITH 第300話発行記念特別号 第二弾
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目次 
1 ご挨拶
2 301話 『通信プロトコル』 =脱兎の心中(2)=
3 特別インタビュー A様  =忘季の兎狩(2)=
4 あとがき
5 次号予告
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☆注意:お読みになる際には、枚数がかさみ恐縮ながら、プリントアウトの上
お読みになることを、心よりお勧め申し上げます。
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1 ご挨拶

 御愛読御礼申し上げます。第300話発行記念特別号シリーズ『脱兎の心中』
の第二弾となる第301話をお届けします。

 月に平均二本少々映画館で見る映画の感想をまとめる『脱兎見!東京キネマ』
について寄せられる疑問や意見の数々へのお応えをソリアズの形でお届けする
シリーズは、幸いにして皆様にご好評を戴いた様子で嬉しく思っています。

『脱兎見!東京キネマ』は『脱兎見!東京キネマ』であって、ソリアズとは直
接何らの関係もありません。前号のあとがきでも書いた通り、寧ろ『脱兎見!
東京キネマ』はソリアズと様々な面で対照的な位置付けになっています。それ
でも、『脱兎見!東京キネマ』の企画背景がソリアズのネタと成り得るのは、
既存クライアント企業の方々を対象とした弊社の情報発信の一環として成立す
るような企画意図を用意したからであろうと考えています。

 前回の第一弾が皆様の「『脱兎見!東京キネマ』は、ブログなのになぜこん
なに長いのか」と言うご質問への応えであったのに続き、今回は…

「『脱兎見!東京キネマ』はテーマとして、なぜ映画だけを選んだのか」です。

 前回同様、内容から中小零細企業経営のあり方や、中小零細企業のオーナー
経営者の在り様などを共感戴ければ幸いです。本文に対するご意見・ご感想を
お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

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2 その301:通信プロトコル =脱兎の心中(2)=

 新宿の路上でポケット版の地図を開き、住所から目的地を探し出す。私が役
員を勤める小売店の取材が決定し、編集者が特集記事の柱となるコンサルタン
トを新宿のバーで紹介しますと言ってきた。小売店の社長と合流して、当時私
が定宿としていたビジネスホテルに程近い目的地に、夜の暗がりの地番を見な
がら辿り着いた。

 後に自分自身も行き着けることになるバーの薄暗がりには、常連客に混じっ
て編集者とコンサルタントの二人が居た。コンサルタントは有名な女流官能作
家のシャメを撮り、ブログに載せるとはしゃいでいた。今で言うリア充と明ら
かに分かる中高年の常連達に、ウェブ2.0が世界を変えると、彼は熱弁を揮っ
ていた。

 店舗の掲載記事の話もそこそこに歓談していると、女流作家は最近官能映画
の監督もしたと話し出して、映画の話題を始める。好きな監督、好きな男優、
その作品群。話は続き、私と社長は彼女を飽きさせない程度に映画の話題を続
けた。映画は全然見ないんだよなぁと呟いたコンサルタントが会話の中心に戻
ることはなかった。

 女流作家を囲む映画品評会の体を成し始めた頃、コンサルタントが「何で皆
そんなに映画を見ているのかな。おかしくないか。みんな暇なのか」とぼそり
と言ったが、その声に応じる者はない。彼女が監督作品の中でそのバーを撮影
現場に使ったことがあると言うと、ママがDVDはこれだよとすかさず出す。
私と社長は、「じゃあ、一枚」と買い求め、「何かのご縁ですから」とDVD
盤面にサインを求めた。薦められることもなかったDVDを見遣って、コンサ
ルタントは「買っても見る場所がないよなぁ」と独り言を言った。

 私が企画した連続セミナー講師を務める経営コンサルタントとの休憩時間。
「市川さん。独立する気はないんか。良い経営の形と大抵の中小企業の課題は
もう十分分かったやろ。あとは、ゴルフができなきゃ、アカンなぁ。社長をお
客さんにして付き合うんなら、先ずはゴルフや。ゴルフは、終わった後に風呂
に入るやろ。文字通り裸の付き合いをすることになるから、ええんや」と独立
など思いもよらなかった頃の私に彼は語った。

 宮台真司の造語と言う「島宇宙化」がやっと浸透してきたのか、幸いゴルフ
をしなくても、商売に支障を感じない経営者の方々からお引き合いを戴けてい
る。おまけに、有名な辣腕社長がゴルフについて、「下から農薬を吸いながら、
小さな穴に小さなボールを入れて喜んでいるようでは、経営者は務まらない」
などと言っていると聞く。

 新たに着任したクライアント企業の課長から、初対面なのに、「映画が好き
なので、市川さんのブログはブックマークしてありますよ」と唐突に言われる。
飽きずに続けられて、商売にも役立ち、自分の価値観を盛り込みやすいこと。
そんな条件から、カテゴリー新設に当たって、『脱兎見!東京キネマ』をブログ
に加えて良かったと振り返る。

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3 特別インタビュー A様 =忘季の兎狩(2)=

 皆様、こんにちは。特集記事を担当させて戴いております、山口佳織です。

 近頃、PCの活用方法についてご相談戴くことが増えましたが、「趣味で詳し
い人」ではない今、実態に沿った最善のご提案をさせて戴くには、直接現場を
拝見することが必須だと感じています。
 
 一連のインタビューでは、市川の徹底されたお客さま視点と、その結果築か
れた信頼関係を実感できたことが私にとっての最大の収穫です。まだまだ幼稚
な視点ではございますが、第二弾も是非ご笑覧戴ければ幸いです。

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クライアント企業店舗店長 A様

 A様は従業員およそ60名を抱える店舗の店長をされており、以前は市川の
行なう勉強会に参加していらっしゃったそうです。ふとしたきっかけでA様が
かなりの映画好きだと知った市川自身が『脱兎見!東京キネマ』を紹介したと
のことです。

 毎月5?10本は映画を観ていらっしゃって、どのように新しい映画の情報を
取り入れられているのかと質問させていただくと、『脱兎見!…』以外の映画
評や雑誌は見ることはあまりないとのことでした。
 
「知らない人の個人的な感想を読んでも参考にならないので、基本的には自分
から進んで情報を仕入れようとはしませんね」。唯一、自発的に読んでいるの
は“市川さんが書いているから信頼できる”という理由で、『脱兎見!東京キ
ネマ』だけなのだそうです。

 記事を読んで興味を持った映画を新たに観ることもあるそうですが、今まで
観たことのある映画についても、『脱兎見!…』に書かれた感想を読んで再度
観なおすことがあると仰います。
「『脱兎見!…』に書かれる感想はあくまで市川さんの主観なので、市川さん
はどの場面でそう感じたのか強い興味が生まれます。市川さんのものの見方を
意識して映画を観たら、自分も同じように感じられるのか知りたくて、常に勉
強をさせてもらっているような感覚で『脱兎見!…』を読んでいますね」。

 同行中にA様と市川のやり取りを横で聞かせていただくと、A様は物事の本
質を捉えることに非常に長けていて、市川も驚くような意見を出されている場
面に出会いました。その後、市川にA様という人物について聞くと、「勉強会
で、その場の対処法ではなく姿勢そのものを学んでいた。参加者の中では、自
分の一番の理解者だと思っている」と語っていました。市川の思考から大きな
影響を受けたA様は、そのクライアント企業における平均的店長像と比較する
とかなり異色で、親しみやすさや、相手の考え方を汲み取り、人を育てるとい
う意識の強さから、A様に憧れを抱く若手社員の方も多くいらっしゃる様子で
した。
 
 映画というインプットに対して市川の感想というアウトプットが存在し、そ
の過程を検証することで市川の考え方の道筋を見出すというトレーニングを、
A様は無意識のうちに何度も繰り返していらっしゃいます。人によっては、ソ
リアズという媒体で行なわれる行為なのかもしれませんし、市川との会話上の
やり取りから発生し得る学びの機会なのかもしれませんが、『脱兎見!東京キ
ネマ』も間違いなくその効果を出しています。
 
 A様は今後も『脱兎見!東京キネマ』を通じ、新たな映画との出会い、市川
の姿勢を学び続けることと思います。

<インタビューを終えて>

 A様は元々カルト映画に苦手意識を持っていたそうですが、市川の書いた『お
そいひと』
の感想から映画に興味をもち実際に観られて以来、苦手意識がなく
なったそうです。それほどまでに『脱兎見!…』がクライアントの日常にまで
入りこんで影響を及ぼしていることに多少の驚きもありましたが、市川とクラ
イアントの信頼関係を同行中に何度も目の当たりにし、大きく納得しました。
私もただインタビューを行うのではなく、行為を通じて何を学びとるか、改め
て考えるきっかけをいただきました。

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4 あとがき

 ブログ『脱兎見!東京キネマ』。お楽しみ戴いておりますでしょうか。

 今号『通信プロトコル』にもある理由で最終的に映画をネタにしたカテゴリ
ーを『 MSI-TALES 』に新設するにあたり、一番困ったのが、ソリアズ各号同
様にタイトルです。映画各々のエントリーは映画のタイトルなので困りません
が、カテゴリータイトルをどうするかはかなり考えあぐねました。
 
 東京で観る映画限定と言うことなので、札幌では観られないようなマイナー
な作品も見ることに成ります。所謂シネコン以外の昔ながらの古く小さな映画
館でも観ることになるかと思ったので、東京の古い映画の感じを出すために
「東京キネマ」の部分が先ず決まりました。遥か以前、当時のソビエトにツ
アー旅行で出掛けた時に覚えた幾つかの単語のうち、映画を意味する「キー
ノ」の響きが印象に残っていたのもあります。

 映画館で見た映画の感想を入れるからには、いつどこで観たかが明らかにな
る覚悟をしなくてはなりません。第299話『トレーサビリティ』にあるような
配慮から、如何にも仕事の隙間時間を縫って観ているイメージを伝えるタイト
ルにしようと思い立ちました。卯年生まれなので、「脱兎」を思いつきました。
「ヤッ!と仕事を片付ける」のような表現を北海道では使います。気合を入れ
てさっさと片付けると言うような意味合いです。プロの映画評論でもなく、さ
っと観てさっと片付ける素人映画評としての意味やら音感が出たら良いと思い、
「脱兎見!」のパーツが決まりました。
 
 ソリアズに比べ文章量は多いですが、推敲の手間は圧倒的に少なく、メルマ
ガで出していないので、発行時点で文章を確定させると言う考え方ではなく、
取り敢えずアップし、時々見直しては加筆修正などをしています。気付きや知
的刺激のなどの価値を、読み手の方々に提供できるような文章にしたいのはソ
リアズと同様ですが、そのスタイルも作り方も対照的です。今後とも、ソリア
ズ同様、『脱兎見!東京キネマ』のご愛読を賜れましたら幸いです。

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け13年。
そしてとうとう300話到達!

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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5 次号予告
 シリーズ『脱兎の心中』の第三弾は、読者の皆様の「『脱兎見!東京キネ
マ』は、なぜ映画館で見た映画だけが対象なのか」と言う疑問にお答えする号
です。ご期待下さい。

(完)