257 あきないのネタ

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第257号
=================================
ご愛読ありがとうございます。第257話をお届けします。

 10月に入りました。今月末日発行予定の11周年記念特別号は、鋭意文章を準
備しております。前号の挨拶文でもご紹介した通り、今回の記念号は店舗経営
のあり方について、過去のソリアズの内容を振り返りながら考えてみる内容と
してみました。

 書店のビジネス書のフロアに行くと、ビジネス書が幾つかの項目に分類され
て棚に収納されています。マーケティングと言う項目もありますし、経営一般
などの項目もあります。不思議なのは、それらの項目と並んで、店舗経営と言
う項目が大抵存在することです。MECE的に考えると、店舗経営はマーケテ
ィングや経営一般とは並列の別概念と言うことになります。見ようによっては、
経営論やマーケティング論から継子扱いの店舗経営に関して、真っ向挑んでみ
ます。ご期待下さい。
 
 記念号の内容に合わせた訳ではありませんが、今回の号は、以前、事業コン
セプト構成作業をお手伝いした店舗経営者との会話から、自分のビジネスのあ
り方や「あきない」の鉄則について考え直してみたものです。本文に対するご
意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納
期は5営業日!!
=================================
その257:あきないのネタ

「やっぱり、不況の影響は酷いですよ。全然売れる気配もなけりゃ、手応えも
ない。こんな状態が、もう二年単位とかで続いていますからね。市川さんに会
ってから始めたことは、きっちりやってますよ。やってて良かったですよ。あ
れがなけりゃ、もっととんでもないことになっていたでしょうからね。ただ、
座して死を待つ訳に行かないですからね。市川さんの商売はどうなんですか。
そちらのサイトで見る限り、あんまり変化がないですよね」。

 数年前、ストア・コンセプト作りに協力した小売店店主に久しぶりに会う機
会を得た。ストア・コンセプト・チャートと名づけた店舗のマーケティング方
針をまとめるフォーマットを形作ってすぐの頃、空欄を埋めて戴いて、店舗の
運営方針について議論をした。当時、彼が考え出したお客様満足の店内イベン
トや陳列手法は好評を得て、リピート率も客単価も業界の一般値を上回る結果
となった。数年経った今、イベントも定例化し、陳列も変わらない。業界では
未だに珍しくても、常連客には変わらぬ日常がそこにある。
 
 地方の靴店運営会社の役員をしている関係で、遥か以前、靴業界の女性コン
サルタントの講演を聞いたことがある。百貨店靴売場のトップセールスから転
進した彼女と、講演後に名刺交換の機会を得た。彼女自身がトップセールスで
あったことのみならず、売場自体の売上も大きく底上げした方法論のコツを突
っ込んで尋ねてみた。
 
 講演内容でも触れたことを、再度念を押すように、「毎日、売場の何かを必
ず変えることです」と彼女は説明した。「商いは自分が飽きないで続けること」
とよく言われる。一歩踏み込んで、「どんどん飽きて行くお客様を飽きさせな
いようにすること」を、自分が飽きないで続けることと彼女は説明する。単に
商売を諦めないことを教える根性論でも、何でもいいから何かをやり続ければ
答えに辿り着くという希望的観測でもない。
 
 先月、紹介された企業に社長を訪ねていくと、税理士の先生が帳簿の指導を
していた。今度仕事を頼もうかと思っている人だと社長は税理士の先生に紹介
する。
「この人は凄いらしいんだ。メールとかネットで見ると、変な理屈を色々と書
いてるただの変人なんだが、会って、こっちが本気に困っていることを言うと、
俄然、やると言ったらやるというモードになるらしいんだな。『経営理念なん
か、忘れちまえ』とか言って、幹部にトーク練習を何時間もやらせたとか。会
社の状況に合わせて、聞いたこともないようなことを始めて、結果を出すとか
言う話なんだ」。
 急な社員採用が上手く行かないクライアント先で、「スローガンは『攫って
でも獲る』」と言い出したこともある。有難い賛辞と受け止めた。

 自社サイトに書き連ねた事業ドメインも事例紹介も大量過ぎて、大幅な更新
などほぼ不可能になった。クライアントの要望に対しては、自社サイトに書け
ないようなことばかり、日々案出している。だから数年を経てサイトには大き
な変化がない。
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
=================================
【MSIグループからのPR】

発行迫る!
ソリアズ11周年記念特別号。10月末日発行予定!
「ソリアズ的“売れる店作り”」

 ○弊社も企画協力する商工会議所主催の「元気な商店作り」…
  会場で聞かれる生の声を拾い、その誤りを分析
 
 ○スーパーマーケットなどに適用されるフォーマット論など…
  巷に流布する店舗経営の鉄則の検証

 ○弊社オリジナルのストア・コンセプト・チャート…
  MDを応用して、業態転換の可能性を可視化する新フォーマット発表

 ○ソリアズの過去発表号に見る店舗経営…
  注目の内容を集中紹介。

盛りだくさんの内容です。ご期待下さい。

=================================
発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まずもうすぐ11年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、上述の弊社ブログにて発行状況をご確認の上、再び上述の弊社サイト専
用ページにて再登録をして下さい。
=================================
次号予告:
 第258話 『自己PR全集』 (10月25日発行) 
 当コラム10年目の最終発行タイトルです。最近問われることが多いので、部
数の激減、偏向報道、押し紙問題などで信頼性低下が指摘される新聞との付き
合い方に関して、考えたことをまとめてみました。

(完)