462 傾斜測量 =比較優位の夢=

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経営コラム SOLID AS FAITH 第462号
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 ご愛読ありがとうございます。第462話をお届けします。

 2017年年末に大更改を終えた弊社サイトを見直してみると、そこに書かれ
ていない仕事を手掛けていたり、そこに書かれていない相談内容に対応して
いたりということが増えていることに気づきました。それだけ時代の変化が
激しくなっているということなのかもしれないと考えると慄然とさせられま
す。

 取り急ぎ、弊社サイトに10ページ分ほどの新設ページを追加することとし
ました。新設ページと言っても、弊社サイト上の多くのページの「1ページ」
は印刷するとA4で3ページになるぐらいの大ボリュームです。各々のテーマ
について、ビジネス本一冊の要約ぐらいのコンテンツは書き込まれているよ
うな文章量になっています。

 弊社の手掛ける事業の分野ごとのまとめをしたのが「事業案内」のページ
群ですが、それ以外にも、企業側から見た“困りごと”分類でまとめた「中
小零細企業のよくある悩み」も増ページを果たしました。前号と前々号のPR
欄では、社内の既存人員の非正社員化を実現するための企画立案・実践支援
のサービスを紹介いたしましたが、その内容をまとめたページも実は新設ペ
ージの一つでした。今回の号のPR欄からそれ以外の新設ページの紹介をして
いきたいと思いますので、是非、PR欄もご高覧ください。

 今号は社会の格差について考える二回連続シリーズ『比較優位の夢』の第
二回目です。前回は格差の解消のために一人ひとりが取り組める事柄につい
て考えてみた内容でした。第二回目は弊社代表の市川が米国で見知った貧困
層の暮らしと、日本の“格差を意識している人”の言動について対照的に並
べてみた内容です。そのコントラストを堪能いただければ嬉しく思います。
ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標
納期は5営業日!!

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その462:傾斜測量 =比較優位の夢(2)=

「DVD、ありがとうございます。これ、本当にヤバい内容ですね。市川さん
の言っていた山の中に住んでいる人達。本当にテントから出てきてヒッチハ
イクで通勤するんですね」。
 貸してあった一般流通では入手できない『アメリカばんざい crazy as
usual』のDVDを私に手渡して、彼は感想を述べた。30過ぎの彼はクライア
ント企業の社員。アメリカ社会についてのドキュメンタリー映画に最近嵌っ
ていると言うので、この作品を貸した。
 
 彼が言う「山の中の人々」は、主にイラク戦争からの帰還兵だった人々が
社会に溶け込めず、ドラッグに溺れホームレス化し、街でも行き場がなくな
って集団でインターステイトハイウェイ沿いの針葉樹林の中でテント生活を
送っている様子を指している。その状態の生活を何故か維持させつつ支援す
る団体も存在し、就職先を紹介された者は、多分提供された背広をテントの
中で着て、街場の職場にヒッチハイクで通勤している。
 
 30年以上前に留学した際に、オレゴン州の町々にはベトナム帰還兵が多か
った。既にかなり高齢化し行き場がなくなったが、『ランボー』のように暴
れる訳でもない人々は、本当に森の中に住んでいた。当時、学友から日本の
人口分布について尋ねられた私が、「カルフォルニアとほぼ同じ面積の日本
の国土の7割は森林で人が住んでいない…」とか話し出すと、「アメリカの
森林には人が住んでいるぞ」と指摘されたことさえある。
 
 或る日、千歳空港のゲートで搭乗しようとしたら、前にいた40代の男性が
小学生らしい男の子の腕を引き、「まだ行かない。お金持ちが先に乗って大
きなシートに座るんだから。そういうことになっているから、仕方ない。だ
からゲートの前に立たない」と教えていた。

 多少急いでいたので、つかつかと歩み寄って総資産額や年収を尋ねてみる
ことは止めた。プレミアム会員は搭乗マイルと搭乗回数の兼ね合いでランク
付けされる。収入額や総資産額とランクの間には、緩い相関はあるかもしれ
ないが、単純に出張が頻繁な給料取りもかなり多く含まれているはずだ。私
も富裕層では到底ない。墜落した際は高い確率で航空機は先端から落ちる。
事故で生き残る確率は後部座席の方が相対的に高い。私は優先搭乗客だが、
わざわざ高いカネを払って死にやすい“大きなシート”に決して座らない。

 日本以外の主要国と言われる国々の社会格差はかなり大きいようだ。自分
が見て来たことのある米国を始めとする数カ国でも例外なくそれは大きい。
日本でも貴族や財閥が存在した頃より戦後は格差が縮小しているだろう。自
分が不当に貧しく、不公平の中で生きていると子供に教えなくては気が済ま
ない親を見て、7割を占める日本の森林に棲み着く人々を探しに行ってみた
くなった。

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ブログ『脱兎見! 東京キネマ』
『アメリカばんざい crazy as usual』のページ
 http://tales.msi-group.org/?p=286
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

合資会社MSIグループのウェブサイト
新設ページのご紹介!

『生産性を上げて利益体質の組織を作る各種の実践企画の立案』のページ
 http://msi-group.org/msi-productivity-upheavals/

生産性改善と言えば…、

製造現場から生み出された「ムダ取り」や5S活動などがまず想起されます
シックス・シグマなどの品質管理も、かなり有効です。

しかし、
ヒトを組織に抱えるコストは上がり、
経営環境はより不確かになり、
各種コンプライアンス対応も利益性を押し下げる中、

普通の生産性改善では間に合いません!

■社員の非雇用化
■各種ICT技術の社内活用

そして、それらと並行して行なう
●お客のニーズに純粋に従属した事業ドメインの絞り込み
(=不採算事業や関連性の低い事業の停止)
●より付加価値の高いビジネス・モデルへの転換

などの対策も必須であることでしょう。

自社の事業を根本から見直すことによる生産性改善。
弊社にてご相談に乗ります。
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実績多数。ご関心を賜れましたらメールでご一報ください。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『風俗で働いたら人生変わったwww』 水嶋かおりん 著
■『サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される』 M・エイケン 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
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次号予告:
 第463話 『八畳間の仕事』 (5月10日発行) 
 若者のみならず、最近夢を語る人がまた増え始めました。一方で未来予測
がより不確かになり、やたらに表層的な“読み”や現実離れし過ぎた近未来
を語る人も増えているように思います。中小零細企業に齎されるそんな話に
ついて考えてみました。

(完)