417 第三の欲求 =螺旋の構造=

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経営コラム SOLID AS FAITH 第417号
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 ご愛読ありがとうございます。第417話をお届けします。

 弊社クライアント企業様で、4大卒業生の採用が本格化してきています。ニ
ュースでは、バブル期を越える求人需要増の状態だといわれています。4年制
大学ではありませんが、先日、PTA総会の場で職業適性について簡単な講演を
してきた茨城県立日立工業高等学校でも、応接して下さった教頭先生による
と、学生1人当たり3件の求人と言う空前の需要過多状態とのことでした。

 小規模組織であることが多い弊社クライアント企業において、年度内の採用
人数は、1人から2人程度であることがほとんどです。少子化とは言っても、合
同説明会には雲霞の如く存在する多数の就活学生の中から、自社の強みや働き
手にとってのベネフィットに良さを見出す学生を、たった1人や2人の単位で見
つけ出すことができない訳がないものと弊社では考えています。

 2014年に弊社代表は、当時支援していた『逆襲の就活』と言うサイトの運用
企画の一部として、『戦略的内定の取り方』と言う電子書籍を書きました。幾
つかのまとめのページを、『逆襲の就活』内のリンク先で読むと形でしたが、
サイトの閉鎖に伴い書籍の内容が不完全になってしまいました。そこで、近年
の学生の就活についての内容も盛り込んで改訂版を出版予定です。

 着々と更改が進む弊社ウェブサイトの中に関連ページを設けてリンクさせ、
スタンフォード大のクランボルツ教授が唱える計画的偶発性理論など、通常の
就活では説明されない、社会人になって見たら当り前のキャリア観をベースに
した内容にしてみたいと考えています。関連情報をPR欄に掲載してあります。
ご高覧下さい。

 今回お届けするのは、遺伝子による人生の束縛をテーマにした3回シリーズ
『螺旋の構造』の第3話『第三の欲求』です。遺伝子に組み込まれた「学習欲」
について考えてみました。お楽しみ戴ければ幸です。本文に対するご意見・ご
感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営
業日!!

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その417:第三の欲求 =螺旋の構造(3)=

 私の面倒を見てくれた祖母は、私が14歳の年に癌で亡くなった、その墓は、
北海道北東部の都市にある。人気のない田舎の商店街の寺にも年に数度行く。
寺の廊下には仏事のポスターの横に40年以上同じ額がある。色紙に書かれた言
葉は「足るを知る」。祖母もよく足を止めては見つめ、小さく呟いていた言
葉。好き嫌いを超えて、私にも当り前に浸透した言葉。「身の程」と共に「足
る」には知る価値が間違いなくあると思う。
 
 カネやモノへの所有欲や、人間への独占欲、承認への欲求や生そのものへの
欲求。丸ごと捨てられる訳もない。しかし、欲求に振り回されるばかりでも話
にならない。「欲求と対峙し程々に付き合うこと」は、何度も落命しかけたた
めか、老成していると頻繁に言われた子供時代から、得心していた。35を過ぎ
て人生が半分終わり、40近くに子供ができてから、仮に説明するとしたら、以
前より多少事例を多く挙げられるようになったと思う。
 
 最近読んだ安藤寿康氏の『遺伝子の不都合な真実…』に紹介されている“生
存本能”としての「三欲」には「食欲」・「性欲」に次いで「学習欲」が挙げ
られている。
「いかなる動物も自分の遺伝子たちをより生き延びやすくするような知識をそ
れぞれに『学習』し、生存確率を高めているのです。だからこそ『学習欲』は
生きるための三欲の1つとして、食欲、性欲と並ぶものだと思うのです。
(中略)
 そしてときどきムラムラと何かを知りたくなる時があります。これらは食欲
や性欲とほとんど同じ働きをしていることに気が付くのではないでしょうか」。
 
 著者はカロとハウザーと言う二人の動物学者による「教育」と言う行為の定
義を挙げる。(1)できない個体がふだん単独ではやらない特別な行動(教示行
動)をできる個体がする、(2)できる個体にとって教示行動をすることが直接
自分にとっての利益にならない、(3)それによってできない個体ができるよう
になる。この三条件を満たす教育(≒積極的教示行動)をするのは人間だけで
あると言う。

 この行為には、道路標識を設置する行為や家電製品に取説を添付する行為ま
で、包含されると著者は指摘する。食欲や性欲の充足行動は多様な表現を包含
して文化や習俗に昇華されている。確かに学習欲もその充足方法が社会生活の
中に溢れ返っていて目が眩む。
 
 知識や知恵には幹のようなものがあると思う。幹を学べば、枝葉末節の原理
は褪色する。それが「学習欲」の「足るを知る」状態なのか。学習欲も程ほど
に抑制すべきなのか。考えても、私には分からない。学びへの付き合い方をい
つかきちんと再考すれば、生業の“経営の企画作り”も大きく変容するだろう
に。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

着々と進む弊社ウェブページの更改。

弊社がクライアント企業の経営を分析する際に用いることの多い
中小零細企業の経営を考える際に必須とも言うべき用語集や、

「ターゲット・モデル像」と「販売する商品・サービス群」
が固定できれば、パターンとして確立できる
お客様に「欲しい!」と言わせる質問による営業フォーマットの
VASSの説明ページなど、

数々の新設ページが予定されています。
そんな中で、既存のページにあった働き方を知る講義
「就労観教育」のページ群をさらに増強し…

以前、弊社代表が出版した電子書籍『戦略的内定の取り方』の
関連ページも同ページ群に盛り込むこととしました。

この電子書籍は2014年に発売されて…
Amazonにて(短期間ではあるものの)
電子書籍全体で総合15位、ジャンル別では三部門で1位になりました。

大学や就職支援業界の人々が声高に伝える就活セオリーの多くは…
「都市圏」×「有名校偏差値大学」×「大手企業」
の組み合わせでしか成立せず、
どれか一つでも条件が欠けると運用が覚束なくなります。

そのような非現実的で適用範囲が極端に狭い就活論とは
一線を画した内容の電子書籍『戦略的内定の取り方』を
今回は、その内容を増量・パワーアップして再出版する予定です。

残念ながら、マンパワーの問題から、一気のお披露目とはなりませんが、
他の更改ページ同様に徐々にその姿を現すことになると思います。

ご期待ください。

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『国際貢献のウソ』 伊勢崎賢治 著
■『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』 小澤竹俊 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第418話 『社長のAND判断』 (6月25日発行) 
 ありがたいことに弊社が提供する社内勉強会企画運営サービスに、ご関心を
賜る経営者の方が時々現れます。しかし、勉強会運営は必ずしも万能薬ではあ
りません。合わない経営者の方からのお引き合いについて考えてみました。

(完)