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経営コラム SOLID AS FAITH 第416号
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ご愛読ありがとうございます。第416話をお届けします。
久々のシリーズでお届けするソリアズですが、今回は第二弾の『生まれたま
まの姿』です。人間の事実上すべてを規定する要因には、遺伝的要因と環境的
要因がありますが、前者が圧倒的に大きいと言うのが『遺伝子の不都合な真実』
(安藤寿康著)の論旨です。ところが、この圧倒的大きさの遺伝的要因も生活
環境や年齢などによってその影響力に多少の変化があることも、文中で述べら
れています。シリーズ第二弾の今回は、遺伝的要因が年を重ねると強まること
を題材に、考えてみたことをまとめてみました。
人間の能力や考え方、さらに、そのベースとなる価値観や生きる姿勢のよう
なものが、殆ど全部遺伝的要素によって決まるなら、努力や精進などほぼ完全
に無駄であるように思えます。そして、犯罪を起こすことになっている者は犯
罪を必ず起こし、どうやっても学習に向き合えない者は、学歴社会においては
決定的な不利を蒙ることでしょう。そうなると、犯罪のほぼすべては本人のせ
いではなく、その先祖のせいであることになりますし、勉強ができない者には
勉強させるだけ無駄と言う判断も合理的にさえ見えてきます。
勿論、『遺伝子の不都合な真実』は、そこまでの決定的な影響を遺伝子が
持っていると述べてはいません。ただ、今までの私たちの社会常識的な、努力
や精進の輝きが、言われるほどの成果をもたらさないのはどうやら本当のよう
です。その事実関係が今よりもさらに明らかになった近く訪れる社会のありよ
うに、ひととき想像をめぐらせていただければ面白いものと思います。本文に
対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事
の目標納期は5営業日!!
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その416:生まれたままの姿 =螺旋の構造(2)=
「天然パーマって、優性遺伝なの知ってる?つまり、親のどっちかが天然パー
マだったら、高確率で子供は天然パーマになるってことね。優性遺伝ってこと
は、生物は天然パーマの方が有利だってことなんだけど。中学生の頃、調べて
みたら、天然パーマって、髪にボリューム感出るじゃん。で、動物の場合、大
きく見える方が何かと有利だから、って話らしくて。全く。頭がでっかく見え
て、有利なこと全然ないよね。それどころか、当時、不良は必ずパーマかける
時代で、学校で頭髪検査とかあって、先生が取り敢えず機械的に天然パーマの
学生も不良に分類するんだよね。不利以外の何物でもないでしょ」。
私の天然パーマのウェーブが凄いと指摘した理容店のカット担当の女性に、
私が説明すると、彼女はカットの手を止めて、「それ、今ならイジメですよ」
と大笑いした。
「いや、けどさ、他にも天然パーマの生徒は勿論いてさ、で、幼稚園の頃の写
真とか携帯してる訳。当時の北海道の田舎では、幼稚園児にわざわざパーマか
ける奴は居なかった前提の話だけど、その写真を先生に見せて、『ほら、子供
の頃からパーマなんです』って証明するんだよね。ところが、俺の場合、小学
校高学年から天然パーマが段々強くなってきて、幼稚園の頃は殆どストレート
な感じなの。だから不良疑惑が晴れないんだよね」。
その後に知人の転職相談を受けた。自分が何をすべきか分からないから、転
職か、いっそ何か自分探しをしようかと考えていると言う。私は定番の「適職
信仰の愚」を説明した。
適職・天職など、私は全く信用していない。刀鍛冶だの金箔貼りだのの伝統
工芸や、能や落語のような伝統芸能でさえ、何かの特殊な才能に拠る所が少な
いと、その道に生きる人々は言う。まして、一般の組織にある仕事など、誰で
もができるように標準化されていなくては、早晩組織運営ができなくなってし
まう。それでも知人は自分探しに魅力を感じているようで、面倒なことこの上
なかったので、一気に私見を述べた。
「え。自分探しって、何か発展途上国の奥地とかに流離いに行く話のこと?何
じゃ、そりゃ。自分なんて鏡見ればいつでも居るから。どうしても客観的な自
分の評価を知りたきゃ、探偵に自分の調査を依頼したらいいんじゃないのかな。
その方が発展途上国ツアーよりコスパ確実だし。『遺伝子の不都合な真実』っ
て本によると、加齢と共に遺伝の影響は強く出るらしいよ。ってことは、年を
取れば否応なく本来の自分に収束するってことだから、それまでに何でも手当
たり次第にやっておく方がいいんじゃないかな。どうせ発展途上国のド田舎に
行くんなら、放っておくと現れてしまう自分探しなんかせずに、修行でもして
中村天風かレインボーマンぐらいになって帰って来たら、そりゃ人生変わるよ
ね」。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
10年ぐらい前のブラウザに最適された弊社のウェブサイトは、
現在皆様が使う多くのブラウザでは、行カブリが頻発して、
判読不能であるケースが頻発するようになりました。
ページ数が膨大な上に、ページ毎の文字量も膨大で、
長らく手をこまねいてきましたが、
漸く近日中に大規模更改ができそうです。
先日の弊社ブログ『MSI-TALES』のCMSリニューアルに続き、
弊社のウェブインフラの大規模更改第二弾です。
単に、現在のブラウザでの表示の適正化のみならず、
現在の大量のコンテンツのレイヤの上に、
経営課題分野別のインデックス・ページが積み増され、
さらに、弊社が定義する経営用語集などの新ページも追加されます。
ウェブ上の見ず知らずの新規閲覧者は意識せず、
既存のお取引先様や、新たに打ち合わせを行なった方々の活用を狙う
ウェブサイト全体の根本的な更改です。
もう少々時間が掛かりますが、着々と作業は進んでいます。
ご期待ください。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『歴史問題の正解』 有馬哲夫 著
■『犯罪は予測できる』 小宮信夫 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第417話 『第三の欲求』 =螺旋の構造(3)=(6月10日発行)
本能のままに欲求のままに行動することは大抵良い結果に至らないと言うの
は、経験的事実のひとつです。学習も本能であればどうなるのかを考えてみる
のが3回シリーズ『螺旋の構造』の第三回目です。
(完)