392 人事の内訳

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ご了承ください。
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経営コラム SOLID AS FAITH 第392号
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 ご愛読ありがとうございます。第392話をお届けします。

「今時、こんなことやってたら、速攻、労基にやられるだろ」、
「このサビ残の奴、ちょっと頭おかしいんじゃないですか」、
「“サビ残”って表現自体、初めて知りましたよ」、
「そんなに文句あるなら、辞めりゃいいのに」など。
 前回発行した第391話『仕事の嗜み』は、行く先々でポツポツと話題になり、
社長・幹部・社員、様々な立場のかたから、様々な(一言)感想をいただきま
した。皆様のご関心に感謝申し上げます。
 
 弊社代表は、巷間で言われる、定義の分からないブラック企業だのの話は、
あまりに幼稚で与するに値すると思っていません。一方で、違法な労働を違法
と認識せず、恒常的に社員に強いている中小零細企業の案件は、基本的に辞退
する方向で対応しております。さらに、もう一方で、仮に違法性の高い労働環
境の中であっても、自分が組織に提供できる価値について全く無頓着である社
員・スタッフからの、第391話『仕事の嗜み』に登場するような意見や判断に
も取り合うことがありません。
 
 さらに、加えて、遵法は意識するものの、労働に関する法の価値観は、現代
の労働市場にはほとんど存在しない『蟹工船』や『野麦峠』の労働者の立場に
しか当てはまらないのではないかと考えています。この考えは、初期のソリア
ズから一貫しています。(cf:第74話『対律止揚的見解』)今回、感想をお聞
かせ下さった方々とは、上述のような枠の中の弊社の考えを述べた上で、意見
交換ができました。非常に有意義で勉強になる時間が過ごせました。ご関心に
重ねて御礼申し上げます。
 
 今回の号は、いつもの如く、(シリーズの号で無い限り)前後の号と全く無
関係の内容で、「仕事の段取り」の“重み”について考えてみたものです。仕
事のできを決める重要要因について尋ね回ると、できる人の答えは概ね“仕込
み”系に偏り、できない人の答えの方向性は“センス”・“アイディア”・
“スキル”などのフワフワしたカタカナ言葉になりがちです。「分かっている
人は分かっている仕事常識」の一端を描いてみました。本文に対するご意見・
ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5
営業日!!
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 第74話『対律止揚的見解』 http://tales.msi-group.org/?p=124
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その392:人事の内訳

「見習いに入って三年経った頃、親方が『塗りの競争をするぞ』とボソッと言
いだしたんですよ。こちらは塗りの作業を速攻始めてどんどん進んでいくのに、
親方は何か準備ばかりしてるんですよ。道具や脚立の配置を直したりしていて。
で、やおら、作業が始まったら、一気に壁が仕上がって、あっという間に逆転
されたんですよ。親方の仕事には無駄がないんです。やり直したり、途中で様
子を見たり、そんなことが全然ない。あれは凄いですよ。最近、うちの現場で
働くバイト君を見ていて、あの頃の自分を思い出すんですよ」。

 商品発送部門の勇退間近の課長の跡を継ぐ、若手リーダーとのサシの勉強会。
彼は、左官屋の現場から転職してきた。会社勤めの経験はなく、勉強も嫌いだ
し、本も読まない。そんな彼が、倉庫で発送をバンバンこなす経験を重ね、漸
く学びに手が付いた。今ではQCもムダ取りも語る。段取りの大事さを尋ねら
れた彼は、いつものように、自身の具体的な体験を持ち出して、活き活きと語
る。

「段取り八分とかいうもんねぇ」と私が言うと、「ああ、ホントそれですよ」
と彼は言っていた。八分どころではない。この前買ってふんふんと頷かされた
本のタイトルは、『営業はリサーチが9割!』。本番のパラメーターの重要度
は減る一方だ。

「人には一日のうちに、習慣となっている『固定行動』があるのですが、それ
を見れば未来の行動が事前に予測できるというのです。たとえば、朝起きる時
間、歯を磨くなどと固定行動ごとにグループ化していくと、1日50個程度の固
定行動のパターンが見つかります。その人の朝の6つの固定行動を見れば、1
日の行動が90〜97%の確率で予想できる…」。
『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』に登場
する一節。人間の行動が“固定した行動パターン”によって支配されているこ
とが分かる。

 おまけに、最近の脳の研究結果を解説する幾つかの本では、思考さえアテに
ならず、すべては過去の体験・知見からできたプログラミングの自動処理結果
だと説明されている。これではタナボタも僥倖も、なかなか起こりそうにない。

 珍しく入った営業同行の仕事。若い営業担当者が運転する車の助手席で、こ
れから向かう商談の話を聞いた。「いやあ。どうでしょうかね。やることは
やったつもりなんで、あとは何て言うか、『人事を尽くして天命を待つ』で
しょうかね」と彼は屈託なく笑って言う。多分、天命の余地は彼の想定に比べ
て遥かに小さく狭いものだろうと私は想像した。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

『経営コラム SOLID AS FAITH』 17周年記念特別号 企画決定!
2016年秋は記念特別号祭り!

毎月10日・25日の午前8時に発行されるソリアズに加えて、
毎年10月末日に発行する周年記念特別号。
今年は、17周年記念です。
テーマは、
『人工知能の普及で変わる中小零細企業経営』(仮)です。

今年はほぼ同時期に、400話発行記念特別号も、
3回に分けて発行されます。
こちらの方は、
『ソリアズ的“女性の人生論”序』(仮)です。

どちらも外部の書き手に原稿作成をお願いし、
極力弊社代表の論点や視点を排除して用意いたします。

詳細はまた後日。
是非ご期待ください。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『成功したければ日本型エリート思考』 山口真由 著
■『はじめての不倫学…』 坂爪真吾 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ ) 

毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け17年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
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です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行状況のご
確認は上述の弊社ブログにて行なってください。
 また、まぐまぐからの連絡によると、一部フリーメール運営企業でサーバの
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到着が遅れるとのことです。
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ラム SOLID AS FAITH』)、購読アドレス、再送希望の旨を記載の上、メール
にてご連絡下さい。
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次号予告:
 第393話 『猫殺しの誘惑』 (6月10日発行) 
 毎年発送している大判寒中見舞いですが、近隣の方々には直接自分で届けに
伺っています。知り合いから尋ねられて、その作業の意義を考えてみました。

(完)