374 自己実現の余地 =これからの生活=

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第374号
=================================

 ご愛読ありがとうございます。第374話をお届けします。

 東京では暑さのピークが過ぎ、私のクライアントの鮮魚中卸会社さんの店舗
にはだいぶ前から秋刀魚が並ぶようになりました。夏になると必ず一度は食べ
に行く、新宿三丁目の追分団子の名物カキ氷を今年はまだ食べに行っていない
ので、急いでいかねばと思っています。

 PR欄では、今月とうとう取得に至った弊社二つ目のビジネスモデル特許の報
告をしています。是非、ご一読ください。
 
 7回シリーズの『これからの生活』も中盤を過ぎ、とうとう第五話に達しま
した。『自己実現の余地』と題して、前号の『あらぬ方向』で指摘した“人口
減少問題の原因としての自己実現”をさらに掘り下げた内容になっています。
今までの号の組み合わせで、漸くシリーズ全体の主旨が姿を現し始めたように
思っています。皆様にもお楽しみいただければと思っております。
 
 それでは、本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご
感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
=================================

その374:自己実現の余地 =これからの生活(5)=

 全国区の営業組織の勉強会。地方市場の人口減が営業効率を下げ、深刻な経
営課題として浮上している。北海道、東北、北陸、山陰、四国、九州南部、事
業の密度が急激に薄くなった地域は多数存在する。B2Bの事業なので、人口減
は取引先の撤退や閉鎖、清算などの形で突如現れる。勉強会の後、「人口はど
んどん減り続けるしかないんでしょうね。いつまで減り続けるんでしょう」と
地域営業所の所長が嘆息する。
 
「5、6年前の本なので、データはちょっと古いと思いますが、『日本人はどこ
まで減るか』とか言う、そのまんまのタイトルの新書がありますよ。生物は、
或る特定の生息環境に個体数が多くなると、生殖活動を抑えたり、自殺したり
までして、数を調整すると言う話で、人類全体や人類の特定の文明の人口変化
のパターンにもその仕組みが働いていることを説明するような内容ですね」。
 私がニコニコと答えると、期待に沿わなかったのか、彼はさらに深く嘆息し
た。

 行きつけの飲み屋に行くと、法律書の出版に特化した会社の新社長が隣の席
に座った。この会社は岐阜に本社があった、100年近い歴史を持つ会社。倉庫
の保管料も安い、紙も安い。優れた人材も地元で採用できた。地元の株主から
出資を受けていた優良企業。しかし、書籍は電子化し倉庫や紙は安くても要ら
なくなった。周辺の若年人口は減っているし、人材は名古屋に流出してしまっ
て集まらない。最大の消費地東京にも遠い。地元の株主は諦めて株を手放し、
東京に移転した本社で、初めてオーナー一族ではない彼が社長となった。

 岐阜から出てきた幹部が彼に付き従う。話題はここでもまた人口減だった。
「あ?。今皆が突如子供をバンバン作るようになっても、二十年とかの単位で
人口は増えないんですよねぇ。なんで人口は減るのかなぁ」と、幹部が嘆息し
ている。紹介された私も、無理矢理、話題に参加させられ、意見を求められた。

「生活が豊かになったからだと思いますよ。昔の人は人生に選択肢なんかほと
んどなかったですよね。考える余裕もなく、生活しなくちゃいけなくて。昔な
がらのルールやレールに乗っかって、結婚して子供を作っていたんでしょ。今
は、自分のスキルだの適性を考えたりして、自己実現とかイミフなものを追い
かけなきゃいけなくて。実現しない自己の面倒見るのが精一杯で、子供や子づ
くりの相手のことなんか考えられないんだと思いますよ。仏教の“足るを知る”
みたいな感じに、余計なこと考えなければ楽ですけどね」。
 私が応えると、「ほお」と言う顔で社長と幹部は頷く。

「ああ。あと、移民にも頼らず、子供を一気に増やす方法ですか。中絶で毎年
20万人も殺しているんですから、半数を救うことができれば、出生数は突如1
割増し以上じゃないですかね。最悪、昔のギリシャか何かみたいに、国で育て
ちゃうとかして」。
 唖然としている二人を見ながら、いつもの極薄ラム・コークを口にした。

=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
=================================
【MSIグループからのPR】

「イベント会場来場者管理システム」についての
ビジネスモデル特許を取得してから、10年以上。
二つ目のビジネスモデル特許を取得しました。

パチンコ店でのお仕事を頂戴し始めて、既にまる10年。
その経験から店内の演出をAR技術を用いて実現する仕組みを
「遊技店画像提供システム」と言う出願名称の特許にまとめました。
 http://www.msi-group.org/MSI-CRMish.htm

セカイカメラなどのAR技術を駆使した
SNSなども存在しますし、
殺風景な何もない部屋を、
その日その時間ごとの商品を山盛りに陳列することさえ
原理上は簡単に実現できるAR技術。

そのビジネスにおける応用は
まだまだ十分に行われているとは言えません。
そんな点に着目し、2012年に申請してまる3年。
合資会社アイソリューションと共同取得に至ったものです。

ご関心を賜れましたら、メールにてお気軽にご相談下さい。
 bizcom@msi-group.org

=================================
【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』 小倉広 著
■『外国人観光客が「笑顔で来店する」しくみ』 新津 研一 著
=================================
発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け16年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行状況のご
確認は上述の弊社ブログにて行なってください。
 また、まぐまぐからの連絡によると、一部フリーメール運営企業でサーバの
受信量規制を行なっているケースがあり、その場合は大幅にメールマガジンの
到着が遅れるとのことです。
「届かない」、「再送希望」などの連絡は、まぐまぐの窓口である
「magpost@mag2.com」に、メルマガID(#0000019921)、タイトル(『経営コ
ラム SOLID AS FAITH』)、購読アドレス、再送希望の旨を記載の上、メール
にてご連絡下さい。
=================================
次号予告:
 第375話 『遺伝子の教え』 シリーズ『これからの生活』(6)
 (9月10日発行) 
 女性の動機付けのあり方についての書籍は多々ありますが、名著はあまり見
当たりません。そこで考えてみた、私的「女性の動機付け論 序説」らしきも
のです。ご期待下さい。

(完)