329 ジャンボ・ドリーム =僕たちの将来=

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第329号
=================================
 ご愛読ありがとうございます。第329話をお届けします。

 前号のご挨拶でも話題になった風邪らしき症状が、なかなか消えません。仕
事に大きな支障が出ない程度の症状に治まっては来ましたが、症状の各々がそ
のまま少しずつ残ったような状態です。病院で医師に「何をすれば治るんでし
ょうねぇ」としみじみ聞いております。

 10月に入り、また周年記念特別号の時期になりました。14周年は当コラムの
過去の通常号すべてをテキスト・マイニングにかけて、その結果に頻出する項
目や項目のグループをテーマとする試みをしてみました。結果は、何となく
「灯台下暗し」と言う感じの気付きとも言えないような、唐突なテーマでした。
是非、PR欄をご覧下さい。
 
 前回から二号に渡って『僕たちの将来』と題したシリーズをお届けしていま
す。今回の号はその第二弾です。『ジャンボ・ドリーム』と題して、宝くじの
話を考えてみました。仕事と人生のあり方、そして、それに伴う収入の変化の
あり方、そのようなことを考えてみた内容です。本文に対するご意見・ご感想
をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業
日!!
=================================

その329:ジャンボ・ドリーム =僕たちの将来(2)=

「先生は「ターゲットを絞り込んで、小さなマーケットで想定されるニーズを
掘り下げ、それに対応できるようにせよ」と言いますよね。けれども、その前
の回では、「マーケット・インの発想で、こちらから何かを押し付けずに、相
手にニーズを話させて、それにどんどん応えて行くべきだ」と言いました。話
が食い違っていて矛盾していると思います」。
 私の商売のあり方を教える個人事業主の集まるセミナーで、大手企業でマー
ケティングを長く担当してきた女性が私の説明内容に疑義を挙げた。

「確かに矛盾していますね、原理としては。ただ実際やってみると、殆ど問題
は発生しませんよ。例えば、砂漠で遭難している人をターゲットとします。ど
うやって見つけるかは別にして、非常に絞り込まれたターゲットです。彼らの
ニーズを掘り込んで、どんな風にどんな条件で水や食料を提供したら、お客様
満足も利益も膨らむかをじっくり考えておく訳ですよ。それで現実に彼らを見
つけたら、彼らが望むことを何となく尋ねてみたらよいのではないですか。ま
あ、結果は推して知るべしですね。大事なことはターゲットと決めた対象者の
欲求や思考、言動とかのパターンを精緻に予測できるようになることだと思い
ます。このプロセスは調査などではなくて、学びの範疇だと思います」。
 私がダラダラと説明してみせると、質問者は一応納得した様子だった。

 クライアント企業の食堂で仕出し弁当をご馳走になって、備え付けのテレビ
を女子社員何人かに混じって見ていると、宝くじに当たったらどうするかと、
街頭インタビューが行なわれている。「一億円とかって、どうするだろうねぇ」
と制服姿の女子社員が弁当を食べる手を止めて互いに話し始める。

「先生、あ、違った。い、市川さんは一億円手に入ったらどうしますか」と普
段勉強会の末席に陣取っている私にお茶を出して下さる女性が、画面を見つめ
る私に気付いて尋ねた。

「そうですねぇ。海外旅行に一ヶ月行きっぱなし…とかも、そんなに休んだら、
今の仕事が無くなっちゃいますしねぇ。都内なら豪邸も建てられない金額で、
建てたところで、メンテナンスは大変だし、税金は払えないし。元本に手を付
けないで、仮に1%の金利でも年100万ですよねぇ。ないよりはよっぽどマシ
ですけど、月8万円ちょっとのお小遣いでは、あんまり生活変わらないですよ
ね。ん?。なんか習い事を10年間ぐらいチョコチョコやりますかねぇ」と私が
答え終わる頃には番組は違うコーナーに移っていた。

 変化が嫌いなのに、世の中は加速をつけて変わっていくようだ。持っている
はずの人脈もノウハウも業界知識も、あっと言う間に陳腐化するという。稼ぎ
続けなければならないのに、稼ぎのネタも陳腐化する。ぐうたらな私でも、学
んでは稼ぎネタを多少変え、変えた稼ぎネタでまた現実やら現場を学ぶサイク
ルなら、何とか維持できそうなので、宝くじを買うことなく、今日もあくせく
している。
 
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
=================================

【MSIグループからのPR】

とうとう今月末日発行に迫ったソリアズの14周年記念特別号
過去のソリアズ通常号の内容をテキスト・マイニングで分析して、
出現頻度の高かった三カテゴリーから、一つを厳選。
それをテーマに、周年記念特別号を構成してみました。

テーマはズバリ、本。
ソリアズと本、
合資会社MSIグループと本、そして、
組織向上と本。

考えてみると、
通常号の中で、最近読んだ本を紹介してきたことはありましたが、
周年記念特別号では、ありそうでなかったテーマ設定です。

発行は例年通り、10月末日。
ご期待下さい。

=================================
発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まずもうすぐまる14年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、上述の弊社ブログにて発行状況をご確認の上、再び上述の弊社サイト専
用ページにて再登録をして下さい。
=================================
次号予告:
 第330話 『足りない盛り付け』 (10月25日発行) 
 今時の個人が行なう情報発信の意義や質について考えてみた号です。ご期待
下さい。

(完)