328 閑人の清貧 =僕たちの将来=

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第328号
=================================
 ご愛読ありがとうございます。第328話をお届けします。

 出し抜けに、と言うのも変かもしれませんが、本当にそのような感じで秋に
なりつつあります。暑い日が去ってしまって、体の周りに自然と形成される暑
い空気の層がなくなり、体表から熱が奪われていくのが分かるようになりまし
た。体温の調整機能に負荷が掛かったようで、あっと言う間に風邪の色々な症
状が出てきました。喉が腫れ、耳下のリンパが痛み、咳が出て、声が嗄れ、仕
事に支障が出るようになりました。長く続かないように、週末などに寝貯めな
どをしています。

 前号でPR欄に載せた弊社サイトの『社員満足と動機付け』のページの紹介
は、ご好評を得た様子で、何回か感想を戴きましたので、今回もそのまま載せ
ておくことと致しました。前回ご覧になっていない方は、是非一度、ご高覧
下さい。
 
 今回から二号に渡って『僕たちの将来』と題したシリーズをお届けします。
中島みゆきの曲で、かなり好きなもののタイトルから名づけたものです。特定
業界や特定業務分野に特化したコンサルタントと称する人々が食べて行きにく
くなったと耳にするようになっています。一方で、業種や業務分野を絞らない
ままの弊社の収益の立て方を聞いて驚く方もかなりいらっしゃいます。二回の
シリーズで、「業者」・「職人」と称されることもある弊社代表の収益に関す
る考え方を紹介致します。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。
頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
=================================

その328:閑人の清貧 =僕たちの将来(1)=

「ええ。そんなもんですよ。単価が安いのは分かっていますが、私の場合、一
旦お付き合いが始まると数年単位とかで長く続く案件が多いので、クライアン
ト一件当りの売上額はかなり大きくなるのではないかと思いますけどね。顧客
生涯価値でしたっけ」。
 う?んと唸っているセミナー参加者に私は答えた。このセミナーは私のビジ
ネス・モデルを学ぼうと集まった個人事業主向けのもの。質問者はマーコムの
実務やコンサルティングを長く手掛けてきた女性。書籍を読み、ノウハウを蓄
えて仕事に備える時間量に対して、請求月額があまりに低すぎると驚いて質問
してきた。

 大手企業に向けたコンサルティング・サービスのフィーの相場を私も知って
いる。その昔、北海道の大手銀行は外資系戦略コンサルティング会社のレポー
トにそこらの中小零細企業の年商の数倍もの金額を支払ったが、ほんの数年後
に消失した。内容の実効性よりも無数のステイク・ホルダーを納得させること
が、大手企業が求めるコンサルティング・サービスの高い単価の所以と私は知
っている。

 高額が維持されている業界単位の価格構造の背景には、相応の理由がある。
テレビのCMで目から怪光線を出す元オリンピック選手の姿を見るたびに思う。
雑誌『モーニング』の『グラゼニ』はプロ野球界の選手達を、報酬額を物差し
にして描く。華々しい栄光を掴むことなく、引退した人々の描写には、著者の
腐心が見て取れる。タイトルの意味は、「グラウンドには銭が埋まっている」
との言葉から。最初は面白く読んでいたが、報酬の多寡に一喜一憂し、心落ち
着くことの少ない主人公たちの様子に、段々と嫌気が差してきた。

「稼ぐに追いつく貧乏なし」。
 最近私が読み漁っている増田悦佐氏の著作に頻度高く登場する言葉。

 若い頃から、高齢になったときに備えて、書籍を書いたり、フランチャイズ
を始めたりするなどして、今あるコンテンツにカネを生ませる方法をどんどん
採用すべきだと、周囲の人々から言われた。書籍は簡単に絶版になり、フラン
チャイズのビジネス・モデルでさえ簡単に陳腐化するので、不断の改善改革を
要する。私が過去に住んでいたアパートのオーナーで、今でも挨拶したり年賀
状のやり取りをしたりする方々は、皆揃って物件のメンテナンスと共に「店子
さん」の満足度を日常会話から探っていた。数億単位の不動産でさえ、持ち主
を休ませてくれない。
 
 子供の頃、何の不安もなく、ただ病室で寝たきりの一生が送れたらと、結核
の病棟で大量の薬を毎日飲みながら思っていた。今でもかなりそう思っている。
しかし、貧乏はいつまでも追いついてきそうなので、どうにも実現のしようが
ない。
 
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
=================================

【MSIグループからのPR】

中小零細企業の社員満足と動機付けについて
その考え方を詳細に説明した弊社サイトの
「考察(企画の要点): <社員満足と動機付け>」のページ

● 中小零細企業で社員満足が意識される場面
● 顧客満足の原理に見る社員満足のあり方
● 書籍『下流志向』にみる“モノサシ”
● ハーズバーグの二要因説
● 現実の中小零細組織に当て嵌めてみるハーズバーグの二要因説

中小零細企業のよくあるES向上策の失敗から、
その失敗要因をCS向上策の原理を応用して分析!
ESとCSの相似形の構造が明らかになります。

そこから、CSと同様にES向上策を検討してみます。
材料は、いつもの『下流志向』と『ハーズバーグの二要因説』。
実際の運用方法まで、具体的に考えてみる展開です。

活力ある組織づくりに、是非ご高覧下さい。
http://www.msi-group.org/MSI-ES-Facilitation.htm

=================================
発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け14年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、上述の弊社ブログにて発行状況をご確認の上、再び上述の弊社サイト専
用ページにて再登録をして下さい。
=================================
次号予告:
 第329話 『ジャンボ・ドリーム』 =僕たちの将来(2)= 
 (10月10日発行) 
 クライアントさんの社員休憩室の昼休み。テレビを見ていたら、宝くじの話
になりました。当たった場合の使途について社員さんと話したことをまとめて
みました。

(完)