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経営コラム SOLID AS FAITH 第323号
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ご愛読ありがとうございます。第323話をお届けします。
比較的最近、普段あまり行かない池袋に足を伸ばして、全国で一館でしかや
っていない映画を観て来ました。『ラーメンより大切なもの 東池袋 大勝軒
50年の秘密』と言うドキュメンタリー映画です。ラーメンが特段好きな訳でも、
業界や通(つう)の間では有名であるらしいラーメン店大勝軒を知っていた訳
でもない私ですが、映画評から観に行こうと思い立ちました。
店主の仕事に臨む姿勢を描いた作品ですが、仕事と人生、そして自分とお客
のかかわりについて、深く考えさせられる内容でした。以前観た『ファッショ
ンが教えてくれること』同様に仕事について考えさせ、以前観た『エンディン
グノート』同様に人生について考えさせる素晴らしい内容でした。機会があり
ましたら、是非ご覧下さい。
今回の第323話『怪しい空気』は、広く集合知のあり方まで視野に入れつつ、
ネット情報との付き合い方に関して考えてみたものです。事前に読んでいただ
いた方からは、「ちょっと、極論」との評価でしたが、所謂覚悟の問題として、
アリなのではないかと思っています。
文中の「私の商売では相手が何者で何を意図しているのか分からないうちに、
モノを教えることはできない」の説明も兼ねて、PR欄には弊社基幹サービス
である『勉強会』企画運営サービスについての説明を配してみました。是非、
ご高覧下さい。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴した
ご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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弊社代表の映画感想ブログ『脱兎見!東京キネマ』
●『ラーメンより大切なもの 東池袋 大勝軒 50年の秘密』
http://tales.msi-group.org/?p=607
●『ファッションが教えてくれること』
http://tales.msi-group.org/?p=364
●『エンディングノート』
http://tales.msi-group.org/?p=459
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その323:怪しい空気
中小零細企業におけるITとマーケティングに関わる企画立案なる事業ドメ
インを持つ新しい弟子が、私のA4版寒中見舞いを見習って発送すると言うの
でそのデザインを見た。独立から半年弱に手掛けた事例が紹介されている。私
も世話になったPC系のヘルプデスクサービス。「自分で調べるよりも、専門
家に聞いたほうが確実」との好評が書かれているのは私の台詞。ドラフトを読
みながら、「だって、検索で見つけた通りの方法をそのままやって、取り返し
のつかないことになったら誰が責任取るんだよ」とPCに向かい私は呟く。
震災以降、猫も杓子もツイッターは凄く役に立つと書きたてているので、津
田大介氏の『情報の呼吸法』を買って読んでみる。どうも合点が行かない記述
が多い。聞けば誰かが「それはこうだよ」と教えてくれるという情報生活が描
かれている。私の商売では相手が何者で何を意図しているのか分からないうち
に、モノを教えることはできない。
「ここまで大盤振る舞いに自分のノウハウを書き込んであるサイトを見たこと
がない。差別化の解説など、そのまま講演ネタに転用して余りあるボリューム
だし」。
知り合いが私のサイトを褒めそやしてくれた。しかし、実際に私のノウハウ
を学ぶと言う弟子達は過去にこの差別化の説明に苦心惨憺している。そのまま
講演ネタに転用できるような人物は多分放っておいてもそれができるようにな
るだろう。私がコンテンツを目茶目茶に書き込んでも、それを読んだ者の理解
は或る程度向上するが、実践に供したり、さらに誰かに教えるのは極めて困難
と私は知っている。見ず知らずの人間相手に、書いて見せれば教えられると言
う人を私はあまり信じない。
ウェブ2.0で勃興した集合知礼賛論もスロウィッキー氏の古典的名作『「み
んなの意見」は案外正しい』を読むと、放置しておいて偶発的に発生するよう
な集団の意見集約の結果など全く当てにならず、集合知の形成には、かなり厳
しい条件を満たすための誰かの努力や仕掛けが必要であると分かる。集合知の
判断結果には根拠を求めることさえできない。顔も見えない集団の根拠も分か
らない意見を容れて行動するなど、私には不気味である。
或る日クライアントの若手社員教育の課題図書に選ぶことのある千田琢哉氏
の著作の幾つかをぱらぱらと捲り直していて、ふと気付いた。複数の書籍に跨
って、表現こそ違え、「ただのものを当てにしてはいけない」との教えが見つ
かる。確かに銀の匙の相互扶助組織に生きる人々の長い時間に裏打ちされた知
見は、金儲けのためと言うよりも、よく生きるためのものであろうと最近時々
思うことがある。
安物買いの銭失いと倣わす。究極の安物はただなので、ただの情報は究極の
銭失いと心得て、ウィンドウ・ショッピングに留めるぐらいが良いのだろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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次号予告:
第324話 『33人の健忘』 (7月25日発行)
負の口コミと言う考え方があります。言われる割には、あまりその対策を論
じている文章に出会うことがありません。現場レベルの視点で考えてみました。
(完)