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経営コラム SOLID AS FAITH 第315号
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ご愛読ありがとうございます。第315話をお届けします。
北海道ではまだまだ降雪が続き、除雪が追いつかず雪に埋もれた滑走が開く
のを待って、私の乗った飛行機は空港上空で一時間以上待機することになりま
した。いつも二月から三月にかけては、いつも札幌と東京の季節感の食い違い
が痛感されます。
前回から始まった「死すべき技術としての経営」を考えるシリーズ『応急処
置』。前回の第一弾『その人の分け前』ではマネージャーの役割を立場と役割
について考えてみました。「全くその通り」と言うご意見をクライアント先で
何度か頂戴しました。組織の不完全さ故にマネージャーは存在すると言う説は、
実感ベースでは当然であっても、言葉にして意識したのは初めてと言うご感想
も戴きました。このように共感して頂けるのは、部下・社員の方々が日常のオ
ペレーションを問題なくこなす、極めて恵まれた組織を成立させることができ
た証であろうと思いながらご意見を頂戴しておりました。
シリーズ第二弾の今回は、『既成の新事実』と題して神田昌典氏の著作にあ
る「2024年会社はなくなる」と言う説を取り上げてみました。その言わんとし
ている所を汲んだ上で、そのようなことは本当に起こるのか否か、そのとき大
手企業とは異質な経営を行なっている中小零細企業はどのようになるのか。自
分なりに考えてみたことをまとめてみました。お楽しみ戴ければ幸いです。本
文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお
返事の目標納期は5営業日!!
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その315:既成の新事実 シリーズ『応急処置』(2)
「例えば、創業社長が35歳で独立したとします。社長人生は概ね30年。私の
見た所、その前半戦は同じでも、後半の軌道は二手に分かれるように思えます。
通常50歳ぐらいまでは経営規模拡大が創業社長の念頭にある筈ですが、それを
そのまま追及しようという流れが先ず一方にあります。規模拡大に成功すると、
承継の問題も発生するので、公開を図る方向に進み易いです。もう一方は、規
模拡大を諦め、経営の質の向上により安定的な利益創出策を追及するコースで
す。正直言って、書籍に登場するような見所のある中小企業の多くはこちらの
タイプだと思います」。
中小零細企業に経営支援サービスを展開しようと目論む個人事業主の塾で、
私はホワイトボードに図示しながら説明を続けた。質を追求すると、お客様満
足度も従業員満足度も上昇し、利益性は高まる。限定された強みに特化するが
故に経営環境の変化に弱いというのも必ずしも当たってはいない。強い事業に
は必ず新たなチャレンジの芽が齎される。
質の追求で寧ろ問題になるのは、様々な一般的経営手法が上手く当て嵌まら
なくなること。事業規模が拡大しないので、売上の大幅な増大など殆どお目に
かからない。派手な改善の余地が減り、地道な凡事徹底が毎日続く。組織規模
も拡大しないので、人事評価と処遇には人事の教科書が適用しにくい。階層も
少なく出世もしない。馬鹿に収益が伸びることもないので、社員にサプライズ
のボーナスが出ることもない。
「「非営利」とは、利益を上げないという意味ではなく、利益の組織構成員へ
の「非分配」を意味します。利益は団体の活動目的を達成するための費用に充
当します。利益を得ることを目的とする組織である企業に対し、NPOは社会的
な使命を達成することを目的にした組織であるといえます。よって、NPOが収
益事業を行なってはならないとか、人件費を支払ってはいけないといった見解
は、全くの誤解です」。
クライアントがNPOを立ち上げると言うので、非営利組織の運用について書
籍を読み漁って、行き当たった定義。偶然並行して読んでいた神田昌典の新刊
にもNPOへの期待を発見した。曰く、約10年後の2024年に会社はなくなるのだ
と。確かに。でかい図体で、コンプライアンスだの自然環境保護だの、ワーク
ライフバランスからキャリア形成まで、ありとあらゆる糾弾に備えるだけで疲
弊しているように見える企業は多い。息苦しい企業組織は衰退し、淘汰され、
2020年代にはNPOによる産業化が進展するとある。
法人組織の9割以上を占める筈の中小零細企業の多くは遥か昔から利益の構
成員への分配を大幅に投げ出している。経営者が作る裏金だっておおっぴらに
使えない以上、多くは結果的に危機に当たって再投資される。非公開だから合
法の範囲で社会の糾弾から無縁で、経営的逼塞も少ない。昇進も昇格も限られ
た組織で社員は、遣り甲斐だの頼られ感を喜びに毎日を過ごし、経営の地道な
工夫のために学びと成長を求められる。誰が淘汰され、NPOに取って代わられ
るべきであるのか私には判然としない。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
弊社ブログ『MSI-TALES』に新設されたカテゴリー。
『MSI-LEX』。
LEXは、LinkedIn Excerpts のことで、リンクトインからの抜粋集です。
http://tales.msi-group.org/?cat=15
SME(中小企業)ショクニンとして、
日本の中小零細企業の経営に関して各種のコメントを
英語でリンクトインのスレッドに書き込んでいますが、
その一部はそのまま弊社の案内として流用できることに気がつきました。
リンクトイン使用者以外の方々も読める
コメントのアーカイブとして新設です。
サブカテゴリーは三つ。
● Lex-Mails リンクトイン関係者に送ったメールの文章抜粋
● Lex-Posts リンクトインのスレッドの書き込みの抜粋
● Lex-Profile リンクトインの弊社代表のプロフィール情報の抜粋
現在の弊社サイトの英文訳にいきなり取り組むのではなく、
リンクトイン上で需要があり、
そこでそれなり評価を得たコメントを順次掲載することとしました。
構成方法はアドホック的ではありますが、
結果的に英語での弊社紹介サイトの機能を果たせばと思っています。
是非、ご笑覧下さい。
http://tales.msi-group.org/?cat=15
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け14年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
http://tales.msi-group.org/?cat=2
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次号予告:
第316話 『充填方法』 シリーズ『応急処置』(3) (3月25日発行)
死すべき技術としての経営を考えるシリーズ『応急処置』の第三弾は、予め
計画的な戦略を作るのがリーダーの役割ではないとしたとき、リーダーの役割
とは何であるのかを考えてみます。ご期待下さい。
(完)