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経営コラム SOLID AS FAITH 第314号
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ご愛読ありがとうございます。第314話をお届けします。
前回の第313話『帰らざる日々』は如何でしたでしょうか。内容の重さに、
久々に周囲の皆様から数多くご感想などを戴きました。世の中のあちこちで自
立や独立などが叫ばれ、独立の実践手法を説くセミナーなども無数に開催され
ています。しかし、単に会社員稼業が嫌だからの自立や独立では、すぐに頓挫
することが多いものと思われます。
前回の号の「早晩、くだらないことを言ったら、あっさり捨てられる時が来
る。泣き言を言って、何とかなるうちはそうしたら良いんじゃないか」と言う
経営者の言葉は、私自身、衝撃を受けました。皆様から頂戴したコメントもそ
の主旨が多く、重苦しいものの共感できたと言うものが多くて安堵しておりま
す。
さて、今回から本年年頭のご挨拶状でもまとめを掲載した「死すべき技術と
しての経営」を考えるシリーズ『応急処置』が始まります。この考え方は元々
最近私が嵌っている増田悦佐氏の書籍で知ったものですが、それを念頭に他の
書籍を読むと、色々な関連した考え方が散見されることに気付きました。それ
らをシリーズにまとめたものです。
第一弾は「マネージャーは組織本来の役割を果たしていず、組織の欠陥故に
存在する」と言う言説を考えてみます。この後も「経営技術の本質」を考える
切り口が続きます。是非一緒にご一考戴ければと存じます。本文に対するご意
見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期
は5営業日!!
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その314:その人の分け前 シリーズ『応急処置』(1)
「ん。センジューって何ですか」。
18歳で入った巨大な公社組織は組合組織も巨大で、組合費から膨大なコスト
を捻出して、三桁を数えるその年の新入社員全員を、入社後日も浅いうちに温
泉旅館に缶詰にして、労働者の基本権利を二泊三日で教え込む。研修を取り仕
切る担当者は、「5年前、皆様に食べさせて戴くセンジューになりまして、私
の今日が」と挨拶を始めた。オルグ。教宣。専門用語が続く彼の話の最初の業
界符丁。私は引率役の先輩に意味を尋ねた。先輩は「会社を辞めて組合費から
給料を貰って、組合で働いている人ってことだ」と慌てて小声で答えた。
考えてみると、消費税導入反対のチラシ配りも、泊原発反対の座り込みも、
皆組合員が動員されて行なう。局舎の小さな一室に陣取る分会長でさえ、局の
通常の職員との兼任。専従者の仕事が具体的に何であるのか、私には分からな
かったが、「食わせて貰っている」と挨拶の冒頭で言わねばならないほど、肩
身が狭いものであろうことは分かった。
海外情報収集にリンクトインのアカウントを先月作ってみた。英語で経営を
学んだ大学時代は20年の昔。ビジネス英語の基礎力を上げねばと、“積読”状
態だったミンツバーグの『The Nature of Managerial Work』を取り出して、
分からない単語をいちいち調べつつ遅い歩みで読破することにした。我が目と
我が読解力を疑うような文章に遭遇する。
Chester Barnard claims that “Executive work is not that of the
organization, but the specialized work of maintaining the organization
in operation.” And David Braybrooke takes one further step and
suggests that managers are needed only because of imperfections in the
organizational system.
スキル・モデルで私が名を知るカッツや幾多の学者が登場しては、マネー
ジャーは組織本来の役割を果たしていず、組織の欠陥故に存在するとの論調が
重ねられる。最近は米国でさえCEOの高給が批判に曝されつつあるとニュース
で見たように記憶する。本の発行は1973年。40年前に書かれている中身がこう
も眩しい。
「物凄い量の仕事を百人近くの現地工員でこなしているのに、人件費もやたら
に低い代わりに売上も小さいと言うバランスですよね、現地の商売は。ローカ
ルではP/Lが成り立つ訳ですが、そこに、日本人管理者を一人送り込むだけで、
利益がすぐ吹っ飛んでしまう」。
インドネシアに進出した取引先の工場を見学して来たクライアントの社長は、
とてもウチみたいな小さな商売を、真似して向こうに持って行くことはできな
いと説明した。
「組織とその構成員が素晴らしい状態になれば、管理者など本来必要ないと、
経営学にもありますから、できる組織を作る報奨金が利益なんでしょうね」と
私は真顔で言った。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
株式会社エンタテインメント総合研究所様のご依頼で、
3月に2回、セミナー講師を務めさせて戴くこととなりました。
題して『「顧客カルテ」活用術 ?大規模店にも負けない店づくり?』。
パチンコ店経営者や管理者の方々を対象としたセミナーですが、
内容は…
前半第一部は「中小規模だからこそを武器にしろ」、
後半第二部は「「顧客カルテ」活用のススメ」
ですので、零細店舗の経営全般に十分応用のできる内容です。
● 3月15日(金)午後 大阪(なんば) エース電研大阪元町ビル
● 3月18日(月)午後 東京(秋葉原) 秋葉原UDXゲストルーム
両会場午後2時開始(受付は午後1時半より)です。
詳しくはこちらのページをご覧下さい。
https://www.eb-i.jp/contents/seminar/monthly/201303_if.htm
※参加のお申込は、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所様にて。
弊社サイトでも紹介している内容をさらに平易にコンパクトに解説します。
http://www.msi-group.org/MSI-ServiceStoreConcept-Case.htm
ご関心を賜れましたら幸いです。
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け14年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
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ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
http://tales.msi-group.org/?cat=2
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次号予告:
第315話 『既成の新事実』 シリーズ『応急処置』(2) (3月10日発行)
死すべき技術としての経営を考えるシリーズ『応急処置』の第二弾は神田昌
典氏による「約10年後の2024年に会社はなくなる」と言う主張を検討してみま
す。ご期待下さい。
(完)