248 彷徨予防 =思考の羽化=

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経営コラム SOLID AS FAITH 第248号
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ご愛読ありがとうございます。第248話をお届けします。

 5月も終わりに近づき、東京では梅雨を予感させる湿気の高い日々が続いて
います。ここ数年の梅雨は短く軽く、猛暑が好きな私は、その後の早い夏の到
来を楽しみにしております。

 年初より提案を幾つか重ねた結果、有難くも、弊社基本業務エリア外の案件
のお引き合い(及びお引き合い見込み)が増えて参りました。弊社の好評低廉
価格が活かせなくても、御納得戴ける場合には、極力対応させて戴く方針でお
ります。PR欄には、少々先ではありますが、そのような基本業務エリア外の
案件の代表事例を紹介致しました。御笑覧下さい。

 今号『彷徨予防』は二ヶ月に渡って続いた『思考の羽化』シリーズの最終話
です。シリーズの第二弾で取り上げた「順算と逆算」の考え方を日々反芻する
うちに、さらに気付いたことなどをまとめてみた内容です。シリーズ第二弾の
第246話『近道の判断』と合わせてお読み戴きますと、面白いかと存じます。
本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへの
お返事の目標納期は5営業日!!
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その248:彷徨予防 =思考の羽化(4)=

 第246話の『近道の判断』を書き終えても尚、「順算と逆算」の考え方が気
になって、頭の中で反芻している。天才棋士羽生善治の思考を描く『先を読む
頭脳』を繰り返し手にしてみる。不慣れな場所に行くには、目的地と言う目標
を決め、地図などを見て、道順を逆算する。一方、慣れた行き先なら、いきな
りどの道を行くか判断できる。熟達者や上級者は目標設定からの逆算のプロセ
スなしに、いきなりあるべき行動がとれる。確かにこの対照は周囲に多々存在
する。
 
 太陽光発電機器を売る会社の会議に参加した或る日の午前。役員が年度末ま
での今月一ヶ月で、社員の一人ひとりが自分の目標を決めて、真剣にそれに取
り組もうと呼びかけている。やると決めたら、なんとしてもやると言う目標は、
上司から押し付けられるのではなく、自分で言って決めてこそ意味があると説
明されている。翌日の赴いた化粧品販売の会社では、販売員が集まる研修会の
企画を練る。参加した販売員にまずは夢を語らせようと幹部が提案する。自分
は何がしたいのか、真剣に考えて、夢が叶った自分を想像してもらう。そして
それを実現するために頑張るのが大事だと説明される。
 
 数字を決めたら、真剣に考えるので自ずと方法論が浮かび上がると言う主張
はよく耳にする。顧客ニーズに対する適切な方法論を決めたら、自ずと数字は
ついて来ると思っている私は、自分の仕事で数字目標を持ったことがない。た
だただ、クライアントとの関係性の重要性を常時意識するようにしているので、
やるべきことは幾らでもある。
 
 数字目標同様に私には夢もない。食っていくことができて、読みたい本が読
めて、見たい映画が見られる。好きな新宿の街を徘徊できる。それ以上欲しい
ものも特にない。こんな私に役割を期待して、お仕事を下さる方々は奇特な方々
と心得ているので、期待より多少は余計に応えられるよう、役割を果たし続け
ている。
 
 長年のクライアント企業の専務と飲み会になり、雑談を重ねる機会ができた。
「順算と逆算」の話を始め、事例などを説明すると、専務が頷きながら耳を傾
ける。
「で、ですね。ここ数日、年度末の近いクライアントさんとかでは、数字だの
目標だのの話が多いんですよ。目標達成の方法論を具体的に考えるのは商売だ
から幾らでもやるんですが、やっぱり一つ気になることはありますよね。なぜ
人々は数字目標や夢やらを意識しないと行動しないのかと言うことなんですよ。
目標や夢を意識して、そこから逆算しないと行動を起こさないと言うのは、
『順算と逆算』の考え方から言うと、何かにおいて未熟な初心者だからと言う
ことになりはしませんかね」と私はゆっくり言った。

 空けたジョッキをドンと置いて専務は、「またまた、危険なことを言います
ね」と笑った。
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第246話『近道の判断』
 http://tales.msi-group.org/?p=384
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

岡崎商工会議所様主催の「おかざき経営革新塾」の中の
“売れるお店づくり実践塾” にゲスト参加することになりました。

経営者向けのスポット型の講演のお仕事は
既存クライアント様からの依頼を例外として、
原則的に辞去して参りましたが、

元弟子にして現提携事業者の
市場真理子氏の全体企画であることや、
単なる講演ではなく、
店舗の現場観察も組み合わさった企画内容であることなどから
お役をお引き受けすることに致しました。

日程はまだかなり先ですが、
既に岡崎商工会議所様のサイトに掲示されている様子です。

“売れるお店づくり実践塾”案内ページ
 http://www.okazakicci.or.jp/kakushin/1.JPG

“売れるお店づくり実践塾”カリキュラム紹介ページ
 http://www.okazakicci.or.jp/kakushin/2.JPG

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第249話 『贅沢な時間』 (6月10日発行) 
 思いもかけぬ場所で学ぶことになったサービスとホスピタリティの相違、そ
して、ホスピタリティ教育のあり方。その機会の前後に遭遇したホスピタリィ
欠落事例に照らして考えてみました。

(完)