247 記憶の肌理 =思考の羽化=

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経営コラム SOLID AS FAITH 第247号
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ご愛読ありがとうございます。第247話をお届けします。

 5月に入り、新卒社員の採用・育成を弊社がお手伝いしているクライアント
企業では、ゴールデン・ウィークが過ぎ、四月入社の新卒社員に就労観や仕事
の意義などを教えるフェーズが始まっています。

 弊社では、新卒社員の入社後、先ずは彼らを現場で遊ばせないことを目標に
最低限必要な現場知識を厳選して集中的に教えることをクライアント企業にお
勧めしています。それが一段落ついた辺りから、仕事の意義や、顧客満足の原
理、「スキル」の現実的な意味などを指導する段階に入ることになります。ク
ライアント企業での動向から目が離せない時期に入り、ドタバタと仕事をこな
しています。
※新卒社員の採用・育成に関する弊社サービスはPR欄をご覧下さい。

 今回お届けする号は『思考の羽化』シリーズの第三弾です。知識の理解や記
憶を強固にする方法論に関して取り上げてみました。お楽しみ戴けましたら幸
いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想
などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その247:記憶の肌理 =思考の羽化(3)=

 静岡県のクライアント企業の会議室で、勉強会の参加者達はチラシの打ち方
の研究をしている。参加者が各々に折込みチラシ活用ノウハウを説明した書籍
を読み込み、学びを共有しあう。議論の範囲が狭い。「部数の計画も打ち方の
内なら、押し紙のことも研究してはどうか」、「POPやチラシ、ポスターな
どのデザイン専門書籍もあるだろう」と指摘した。
 
 各種のビジネス書が揃う書店は、経験則からすると4フロア以上あるはずと、
地元にはそれが存在しないことを知っていて告げる。ずらりと並んだ書籍の中
から、関心が湧くもの、驚きや閃きがあるもの、掌に馴染むものを選ぶ時間を
持つだけでも、新幹線代の価値はあるのではないかと付け加えた。
 
 私は時間に余裕があれば、東京の大手書店で知りたい分野の書籍に目星を付
け、メモしてネットで検索してみることが多い。書評を読み、自分の印象と比
較してから購入を決めて、自宅近所の零細書店に赴く。手書きした購入書籍の
一覧を、いちいち店員に読み上げて注文する。地方都市の零細書店でも、店員
が「ああ、これ最近出た本ですね。時々レジに持ってくる人がいます」などと
反応することもある。
 
 天才棋士羽生善治は書籍『先を読む頭脳』の中で、研究の時には「実際の将
棋版と駒を使う」と述べている。PCのモニター上でもできることを、わざわ
ざ実際の駒を使うのは、「能動的な学習」と「多様な表現」の観点から、学習
の効果が高まるからと、解説されている。棋譜の符号を理解して駒を動かす自
発的な操作・作業が伴うことにより記憶が強固になると言う「能動的な学習」。
棋譜を視覚的に読み取り、その意味を空間的な情報に変換して将棋盤上の駒を
か動し、その結果を視覚的に理解するプロセスが含む「多様な表現」の行き来
で、さらに記憶や知識の理解が強固になると言う。

 新宿のマンションに仕事から戻って、PCを立上げ、メーラーを開く。ネッ
ト上に長く公開しているメールアドレスには、最近の規制の結果、海外からの
迷惑メールが集中する。受信中に行を増して行くタイトル欄を見て、一行一行
タイトルの英文を、声を出して読み上げる。誰が横で聞いている訳でもない。
普通の英文は書けても、英語でキャッチコピーを作る作業は大学の広告のクラ
ス以降したことがない。「なるほどね。こういう表現を使うのか。やるなぁ」
と、見知らぬ送り主の英文を堪能する。

 Eliminate rod’s flaccidity.
 最後の単語は何だろうと、手を伸ばして辞書を捲る。「(身体、特に筋肉な
どが)たるんだ締りなさ」と分かる。怪しいED薬のDMでこのキャッチの表
現。「なるほどねぇ」と呟いて、辞書に併記された形容詞、副詞を全部、指で
なぞってブツブツと発音した。
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次号予告:
 第248話 『彷徨予防』 =思考の羽化(4)= (5月25日発行) 
 天才棋士羽生善治の思考方法を最新科学で説明する本、『先を読む頭脳』の
読後感をまとめたシリーズ第四弾です。第246話の『近道の判断』を書き終え
ても、尚、気になる「順算と逆算」の考え方。その後、数社のクライアント企
業を訪ねる中で、更に考えたことをまとめてみました。

(完)