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経営コラム SOLID AS FAITH 第228号
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ご愛読ありがとうございます。第228話をお届けします。
自分としては遥か以前から何となく続けていたジャズダンスのレッスンにつ
いて、初めて当コラムのネタにしたところ、各所で「レッスンは大変でしょう」
とお声掛けを戴くようになりました。前号の冒頭でも書きましたが、プロを目
指そうという気もないどころか、上手くなろうとさえあまり思っていませんの
で、寧ろ、振りの創作の余地がある変則的なラジオ体操的な認識でいます。大
変と言えば、大変なことはありますが、自分で選んでやることにしていること
ですし、二十年以上を経て趣味よりも習慣に近いものになっています。
今回の号も、前回と同じシリーズの第二話目です。大学の非常勤講師をして
いる頃、「好きなことを仕事にしたい」とか、「関心を持てる事業を行なって
いる企業に就職したい」などと言う学生によく遭遇しました。会社側は学生の
ために「好きな仕事」や「関心の持てる事業」を用意している訳ではない以上、
これらの考えに凝り固まっていくことは学生にとってかなりマイナスであろう
と思った記憶があります。そして、どうせなら、「何でも好きになれる能力」
とか「何にでも関心を持てる能力」を養ってはどうかと思ったものです。
今回の号は、本シリーズで登場する振り付けの先生が言った「カラダに関心
を持つ」と言う言葉から、その関心の重要性を再認識してまとめた文章です。
お楽しみ戴ければ幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしておりま
す。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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本文中に登場する映画『ユメ十夜』は、夏目漱石の『夢十夜』を原作とする
作品です。著者が見た十の夢の話が、各々短編にまとめられた名作です。第六
夜は、運慶が仁王像を彫る場面に出くわした夢についてのもので、当コラムで
は、第49話『コアの形成』に、夢の中の漱石の後日譚が僅かに登場します。
また、映画『ユメ十夜』第六夜のダンスシーンは、その異色さ故に、各種サ
イトなどでも紹介されているようですので、宜しければご覧下さい。
●第49話『コアの形成』
http://tales.msi-group.org/?p=90
●映画『ユメ十夜』第六夜ダンスシーンは、
以下のサイトでは、「techno unkei」として紹介されています。
http://dancemovie.seesaa.net/
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その228:暫定関心事 =夢中夢(2)=
パチンコをしない私にパチンコ店を展開する企業の店長教育の案件を紹介し
て下さったのは、パチンコ業界に特化したアウトソーシング会社だった。その
会社のロビーから少し奥に入ると、ラウンジのようなスペースがあり、壁際の
ラックには大量に業界紙・業界誌が保管されている。
アポもなく先方のオフィスを訪れ、勝手にラックから直近3か月分の業界誌
各誌の在庫を持ち出す。一冊一冊、目次を開いた状態でソファに並べる。ソフ
ァの上では足りなくなって、床にまで雑誌を並べていく。ここ最近の業界で話
題のテーマを俯瞰できる。特集のタイトルには顧客満足が多く、コラムにはス
ロットの五号機問題が多く取り扱われている。
社員の方が通りかかり、ラウンジの惨状を見て、うわっと声を上げる。「あ。
市川さんじゃないですか。今日は何の用事ですか」と尋ねる。勝手に上がりこ
んでいると告げずに、主旨を伝えると、私が気になっていた記事のコピー取り
まで部下に手配して下さった。取締役が後で出てきて、「市川さん。来る時は
言って下さいよ。セキュリティの問題もあるんですから」と叱られたが、つい
でに、記事の解説を求めたら、丁寧に説明して下さった。
その場を辞去して、記事に眼を通しながら、目星をつけていた業界団体と業
界専門の人材会社をアポなしで訪れ、クライアント名は伏せたまま、何とはな
しに雑談してみる。さらに、業界誌の出版社に赴いて、バックナンバーを数冊
入手ついでに、色々話を聞く。
夕刻になって、パチンコ業界について聞いた話を書き込んだノートをめくっ
て復習しながら、最近、紹介を受けて、私に映画『ユメ十夜』の中のダンスの
振りを教えて下さるプロ振付師の先生のスタジオに向かった。
レッスンの初回。一頻のヒアリングの後、「市川さんは、自分のカラダに関
心が持てるタイプだから、かなりいい線狙えると思うよ」と先生は言った。二
回目。「前回指摘したことは、まあまあマスターしてきたんだ。OK。二回目
でここまで進めるなら、まず間違いなし。初めての形の依頼だからどうなるか
と思ったけど、私が考えているぐらいまでは行けるな。月二回で4ヶ月。長く
ても半年ぐらいだね」と先生は言った。
気になっていた「カラダに関心が持てるタイプ」とは何なのか、レッスン終
了後に尋ねてみた。上手く言えないけどと前置きして、先生は説明した。
「市川さんは、仕事もそうなのかもしれないけど、これと決めたことに対して、
色々興味持ったり、関心持ったりできるでしょ。だから、自分のカラダがどこ
までどんな風に動けるかとか、どれぐらい速く動けるかとか、まるで自動車の
性能確かめるみたいに考えているようなところがあるよね。それって、凄く大
事なことだから、上達するために」。
先生の説明に頷いて、「カラダにも関心が持てるタイプ」と得心した。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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次号予告:
第229話 『力積の積算』 = 夢中夢(3)= (8月10日発行)
振り付けの先生から言い渡された練習方針から、現場で実施するOJTなど
の、教え込みの“強度”について、その功罪を考えてみました。ご期待下さい。
(完)