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経営コラム SOLID AS FAITH 第541号
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ご愛読ありがとうございます。第541話をお届けします。
暑い夏が到来したようです。地理的には東京よりさらに暑くて不思議ない
広島県に弊社代表の市川は先月旅行に行ってきました。生まれてこの方、一
度も行ったことのない広島県を寿命のあるうちに見ておこうと思い立ったも
のです。数年前に10年来の願望を叶えた鹿児島旅行に行きましたが、その際
に地方経済を見る価値は大きいものと学んだので、数年に一度はそのような
ことを繰り返そうと考え至りました。
前回の鹿児島と異なり、特に訪れたり見たりすることを切望していたもの
があった訳ではないので、前回のような創刊以来最長の10回シリーズのネタ
になるようなことはありませんが、本当に時が止まったかの如く設備投資の
跡が見当たらない尾道商店街、大本営を擁した一大軍事都市の片鱗も窺えな
い広島市街。考えさせられることはたくさんありました。
今回の『三分の理』は、世の中で言われる「低生産性国家日本説」や「低
生産性中小零細企業元凶説」について議論が喧しく、どの議論も何か如何わ
しく、どこか信憑性を欠くように感じられている中で、ようやく見つけた本
命の答えについて考えまとめてみたのです。物価がとうとう上昇を始め、最
低賃金に追い上げられて賃金も見直さねばならない、現在の中小零細企業経
営を考える上で、多少の示唆のある内容ではないかと思われます。ご意見・
ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は
5営業日!!
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その541:三分の理
日本人のホワイトカラーの生産性は低い。だから日本の生産性は低い。日
本の事務所ではまだファクスを使っている。だから日本の生産性は低い。日
本ではテレワークが普及していない。だから日本の生産性は低い。日本には
中小企業が多く、そこには生産性が低い仕事しかできない質の低い労働者が
集中してそのままになっている。だから日本の生産性は低い。最近、ありと
あらゆる理屈で日本の生産性が諸外国に比べて劣っていると声高に叫ぶ人々
の話を聞くことになる。どうも胡散臭い。
海外のオフィスに行けば確かに皆さっさと帰るが、仕事は満足にできず、
引継ぎも満足になされない状況などいくらでも見つかる。おまけに自己主張
が強く協調性もなければミスも認めず言い訳もする文化が背景。そして、識
字率が低い諸外国でICTを使いこなせる労働者が押しなべて日本より多いと
は思えない。中小零細企業は海外にも山ほど存在し、5Sもなければカイゼン
も知らない人々が生産性高く働けるとは思えない。何かがおかしい。
「景気が悪いときの衣料品店の店員の行動を想定してみよう。店員は来店す
る人がいないので、暇を持て余している。たまに客が来ると、その人が探し
ているものを聞いて、説明し、あれこれ勧めるが、その客は買わずに帰って
しまう。そこで、店員は客が試着した洋服をたたんで、元の場所に戻したり
して、店の飾りつけを整えたりする。店員が8時間店にいて、売れた洋服の
額は1万円でしかない。この売上高を労働時間8時間で割ると、1時間当たり
の労働生産性は1250円になる。
一方、景気が良くなり来店者数が増え、店員は8時間忙しく働いて、1日
の売上高が10万円になったとしよう。(中略)とくに日本の労働生産性の国
際比較にはほとんど意味がなく、それが上がった下がったと一喜一憂しない
ことである。(中略)景気が悪いときの衣料品店の店員の生産性が低いこと
を観察して、店員の販売技術の能力が低いためだと考え、技術指導(これを
供給サイドの政策という)しても効果はほとんどない。政府と日銀が景気を
よくする政策(これを需要サイドの政策という)のほうがはるかに効果的で
ある。」
なんだこんな素人でも分かる統計上の陥穽をOECDだのの生産性議論は隠し
ていたのか。元日銀副総裁による『「日本型格差社会」からの脱却』を読ん
で拍子抜けする。「戦後、世界で日本しか経験していない長期デフレが根本
にあり」と著者は説明する。長期デフレで本来発揮できるポテンシャルが全
く発揮されない。だから生産性は低くなる。くだらない。
経営環境が悪くても企業は生き残りを模索せねばならない。政府と日銀が
誤った政策を糺す日を待ちながら、「売上も生産性も上がらないのは国のせ
い。だから補助金でも賠償金でも払ってくれ」と言っていられない。結局生
産性引上げは焦眉の課題だったらしい。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
小さい会社でも自社の製品・サービス開発は必須ですが、
経営資源が限られているなかで
時間・資金の負担が非常に大きいとよく聞きます。
効率的な方法で実現するためには、現状を把握しつつ、
きちんと企画することが必要です。
出版社様からご依頼いただき、
入念な市場調査に基づく新商品開発企画を行ないました。
どのような商品だとニーズが存在するのか、
どのような競合が存在するのか、
その商品をどう売っていけば良いのかを考えました。
同様の新商品開発のための市場調査事例から、
その効率的な進め方をまとめた図を
以下URLからご覧いただけます。
https://kaisha-yorozuya.support/stockpile/
※ページ下部『特定商品等市場性調査作業概要フロー図』をご参照下さい。
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『萬屋のもっと深く愛してい』第38回_近距離無線通信規格(Bluetooth)
「近距離無線通信規格」をテーマに取り上げて3回目となる今回は
「Bluetooth(ブルートゥース)」について紹介していきます。
Bluetooth(ブルートゥース)は近くにあるデジタル機器同士のデータ通信
に使われる無線通信規格の一つであり、通信距離は10メートル程度となって
います。Wi-fiより通信速度が遅く、通信距離も短いですが、消費電力が小
さいためマウスやキーボードなど長時間継続して通信を利用するシーンに適
しています。
Bluetoothは1対1の通信を想定しており、実際に利用するには対応機器同士
を互いに登録する「ペアリング」の設定が必要です。かつては1つの
Bluetooth対応機器には1つの機器しかペアリングできないことが多くあり
ましたが、最近では「マルチペアリング」と呼ばれる機能で、複数の機器を
「ペアリング」して簡単に切り替えできるものが増えています。Bluetooth
には多くのスマホやパソコンが対応しており、対応していなくてもUSBポー
トに差し込むアダプターを利用することで通信が可能となります。
以前はマウスやキーボードはケーブルでパソコンに繋ぐのが当たり前でした
が、Bluetoothを活用することで、ケーブルを気にせず操作できるようにな
りました。最近は、イヤホンやヘッドフォン、スピーカーなどのオーディオ
機器もBluetoothに対応した製品が増えており、音楽もワイヤレスでより手
軽に楽しめるようになってきました。
Bluetoothは省電力や省コストというメリットから、多くのユーザーに使わ
れている技術ですが、一方サイバー攻撃者からも狙われやすくなっています。
Bluetooth接続を利用してサイバー攻撃をされた場合、通信内容の傍受やス
マートフォンの連絡先データの抜き取り、端末の乗っ取りなどをされてしま
う可能性もあります。Bluetoothを使わないときはオフにしておくことや、
スマートフォンやパソコンを最新の状態にアップデートしておくことで、セ
キュリティのリスクを軽減することが可能です。
このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論5』 小林よしのり 著
■『「女性向け風俗」の現場…』 柾木寛 著
■『未来は決まっており、自分の意志など存在しない…』 妹尾武治 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け23年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
第542話 『ダウングレード』 (8月25日発行)
お客が喜ぶ当たり前のことを付加価値として昇華する。中小零細企業にお
けるそんな取り組みの難しさについて考えてみました。
(完)