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経営コラム SOLID AS FAITH 第537号
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ご愛読ありがとうございます。第537話をお届けします。
クライアント企業の関係で図書館の話を読んだり聞いたりすることが増え
ています。クライアントのクライアントである図書館のありかたについて、
商売上かなり深く考えなくてはならないこともよくあります。しかし、図書
館は弊社代表の市川にとって全く関心が湧かないどころか、寧ろ長く嫌悪感
が湧く場所であり続けていました。
決して裕福ではない母子家庭に育った市川に、親は苦しい家計の中から本
だけは買い与えていました。買った本について「何度も読んで、中身をよく
分かって、それを説明しなさい」と繰り返し言ってきました。真新しく汚れ
のない本を丁寧に何度も読んで内容を咀嚼する。それが市川の子供の頃から
の本に対する姿勢でした。
また、市川は乳児だった頃から高校時代に至るまでずっと病弱で、肺結核
に罹ったのを始め多くの伝染病に罹患してばかりでした。多数の人が触れる
モノに触れないことや密閉空間で多数の人々がいる所に行かないことは絶対
ルールでした。通院時にも待合室にある本には決して触れず、持参した本数
冊を微熱に浮かされながら息も絶え絶えに読む。そんな子供時代を送った市
川にとって、見知らぬ人々が屯し、古く傷んだ薄汚い本が並んでいる殺風景
な場所。それが図書館の心象風景であり続けました。今尚、市川は図書館で
資料を閲覧することがあっても借り出すことを全くしません。
図書館は今岐路に立たされていることが、関係者に接触するたびに実感さ
せられます。高度成長期にやや先立ち、多くの人々に書籍に親しむ機会を提
供することを目的・目標として公共図書館は邁進してきたようです。しかし、
今やアマゾンもあればブックオフもあって紙本には事欠かず、Kindleもあれ
ばメッチャコミック~♪もあって電子書籍も幾らでも手に入ります。スマホ
でニュースでもブログでも何でも読める時代に、本をわざわざ借りて読む需
要は人口減少どころではないペースで縮小していきます。サード・プレイス
的な場や生涯教育機関、専門性の高い知のアーカイブなどとしてならまだし
も、従前の本を人々に提供するという目的・目標を掲げたままではその存在
意義が薄れていきます。そして、現に図書館の予算は全国的に縮小の一途で
す。
世の中の変化を見れば、新たな役割の模索と追及は必然だとあからさまな
はずですが、そのような視座を持つ図書館関係者は非常に少なく、縮小均衡
を迫られる立場に追い詰められ、今までのありかただけを根拠に虚しく潮流
に抗おうとする話ばかり聞こえて来ます。まるで利用者のニーズの変化につ
いていけず淘汰された夥しい数の商店街店舗のようです。このように公共の
サービスにまで淘汰の波が容赦なく襲ってくる時代になりました。興奮させ
られます。当コラムでも図書館関係の話題は第509話『人材フリーライダー』
や第529話『クロック・パルス』にもすでに登場し始めています。今後も
時々登場しますので、ご期待ください。
今回の『人質の解放』は、個人事業主として自分にまつわる物語価値が重
要な商品と理解しているのに、その中の大きな一要素が負の側面ばかりの物
語であることに気づいた市川と、その要素を形作る航空会社の様相を描いた
内容です。二つの話の交差をお愉しみ戴けたら幸いです。ご意見・ご感想を
お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業
日!!
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■第509話『人材フリーライダー』 http://tales.msi-group.org/?p=2113
■第529話『クロック・パルス』 http://tales.msi-group.org/?p=2365
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その537:人質の解放
還暦も近い58歳の誕生日に新千歳空港で飛行機に乗って本を読み始めた。
ふと顔を上げて周りを見ると滑走路周辺の静止した風景が丸窓から見える。
不審に思っていると機長のアナウンスで、「翼のフライト・コントロール系
の機器に不具合が見つかったので駐機場に戻る」のだと知らされた。修理と
新たなフライト・プランの設定手続きなどで離陸は延び、結局搭乗から2時
間弱を地面の上の飛行機の中で過ごしたことになる。
私はこの航空会社が好きではない。元々別の航空会社の常連だったが、こ
の会社と合併した際にそのまま貯まったマイルが引き継げるので、成り行き
で今に至る。通称武漢ウイルスが流行する前から大赤字で経営危機は訪れて
いたが、パンデミック下で減便に減便を重ねるのは致し方ないとして、欠航
決定と一時間以上後の振替便の連絡を前日のメール一本で済ませようとする
無神経さ。それは以前から色々な場面であからさまだった。
「あの。市川様でいらっしゃいますか。失礼ですが、今日はお誕生日かと存
じますが。つまらないものですがプレゼントを用意いたしましたので、よろ
しければお受け取り下さい」。
一時間以上経った頃一人のCAが座席脇から話しかけてきた。弁当箱ほどの
大きさの赤い角張った袋を手にしている。「ああ。それは恐縮です」と受け
取って読書を続けた。東京のマンションに着いて袋を開けると、中にはその
航空会社の飛行機のプラモデルで同一のものが二つ入っていて厚紙に手書き
のメッセージが添えられていた。
還暦近い老人に全く同じ玩具臭いプラモデルを二つくれるという判断理由
も全く想像がつかない。プレゼントの中身の唐突さから機内で用意された文
章だと想定すると、その文章に一時間以上も遅れていることのお詫びが一切
ないことにも尋常ではない違和感が湧く。
「個人事業主はそのサービスのみならず自分自身の価値観や言動・外観すべ
てが商品」。
師匠の柄でもない私の弟子として学ぶと言い出した人々に高確率で教える
ことの一つ。中小零細企業の差別化の主要な要素の一つは拘りの付加価値。
だから、自分が拘る情報価値に意識的になることが私は重要だと考えている。
自分の装身具や文具、髪型や衣服に至るまで、各々15分はそれを自分が選ん
だ理由を語る練習をさせることもある。
ヘスケットのロイヤルティ度別の購買者分類は有名だ。「人質」はロイヤ
ルティが全く高くないのに、頻度高く再購入する不承不承の購買者。最もロ
イヤルティが高い購買者は「使徒」と呼ばれる。私が載っている航空会社の
選択について私は2時間でも語ることができる。しかし、弟子には「使徒」
としての心打つロイヤルティのありようの説明を求めているのに、自分の説
明は不承不承の「人質」の怨嗟が多いことに気づき反省する。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
他社からマネされにくい差別化を生み出すためには
「良い人材」を作ることが効果的な要素の一つです。
そのため、小さな組織においても、先輩社員が新人を自前で育てていく
「人材育成の内製化」を進めていくことが重要です。
数年前から新卒採用を始めたあるクライアントにて、
私も経験したタイムスケジュールやワークシートの作成方法など
先輩社員が新人を適切に指導していく方法を教える
レクチャーを実施しました。
合資会社MSIグループの以下のページでは
会社の課題や社員の質に合わせた
研修コンテンツ企画サービスの紹介をしています。
ぜひご笑覧ください。
http://msi-group.org/msi-4employees/
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『萬屋のもっと深く愛してい』第34回「記録メディア(SDカード)」
前回に引き続き、今回はフラッシュメモリの一つである「SDカード」につい
て紹介していきます。正式名称は「SDメモリーカード」ですが、ここでは一
般的な「SDカード」という呼び方で統一することにします。
「SDカード」は1999年に発表され、今ではもっとも身近なフラッシュメモリ
製品の一つです。「SDカード」はデジタルカメラやデジタルビデオカメラの
普及とともに、その記録媒体として普及しました。
大きさの違いにより「SDカード」、「miniSDカード」、「microSDカード」
の3規格あり、使用する機器によって対応するものが異なります。「miniSD
カード」は、他2つの規格の中間ほどの大きさで2003年に策定されました。
ただ、後から登場した「microSDカード」がコンパクトデジタルカメラの普
及とともに需要が増し、「miniSDカード」は2021年時点でほとんど見かける
ことはありません。
「microSDカード」は、「SDカード変換アダプタ」を使用することで、「SD
カード」として使用することが可能で、そのアダプタが添付されている商品
も多くあります。
「SDカード」はパソコン、カメラ、ビデオカメラ、プリンターなどに、
「microSDカード」は、スマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、コン
パクトデジタルカメラ、ドライブレコーダーなどに主に使用されます。
記録容量の違いにより、「SDカード」、「SDHCカード」、「SDXCカード」、
「SDUCカード」という4つの規格もあります。初代の「SDカード」は2GBま
で、「SDHCカード」は32GBまで、「SDXCカード」は2TBまでが、記憶容量の
上限です。2018年に策定された「SDUCカード」は記憶容量の上限を128TBま
で引き上げられています。4つの規格は「後方互換性」があり、新しい規格
に対応している製品は既存規格の製品も扱うことが可能です。
前回紹介したUSBメモリ同様、「SDカード」に対応しているパソコンがほと
んどである上、持ち運びがしやすく、その分情報漏洩のリスクが高まります。
セキュリティ機能のついた「SDカード」も開発されていますが、情報漏洩リ
スクを減らすためには、研修の実施などを通して従業員の情報リテラシーを
高める方が近道かもしれません。
このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『新宿の逆襲』 市川宏雄 著
■『発達障害グレーゾーン』 姫野桂 著
■『ワールド イズ ダンシング 1』 三原和人 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け23年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
http://tales.msi-group.org/?cat=2
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次号予告:
第538話 『穢濁業務』 (6月25日発行)
社会には「経済格差」と「性愛格差」が存在していると言われています。
強く連関するそれらの格差解消に中小零細企業が果たせる役割について考え
てみました。
(完)