529 クロック・パルス

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経営コラム SOLID AS FAITH 第529号
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 ご愛読ありがとうございます。第529話をお届けします。

 今年も毎年恒例の寒中見舞いをお世話になった皆様に配布しておりまして、
漸く作業が完了しつつあります。ご存じの方も多いことと思いますが、恒例
のA4サイズ寒中見舞いは昨年から合資会社MSIグループと「会社の萬屋 企
画改善請負本舗」の共同名義となりました。

 寒中見舞いには、「読解力を引き上げるためのヒント10選!」と銘打って、
読解力について理解するための書籍10タイトルを列挙したリストのプレゼン
ト企画が載っています。寒中見舞いをお受け取りになっていない当コラム読
者の方々にも、このリストをプレゼントすべく、下に案内を載せました。

 読解力というと本を読むことのように考えられがちですが、ここでの読解
力は、「行間」を読んだり、「空気」を読んだり、「機微」を読んだりする
ような能力も含んでいます。読解力はAIが社会に浸透し多くの作業を行なう
ようになった際に、人間に残された仕事の遂行に必須であると考えられてい
ます。それは、人材採用の条件に「気が利く人」や「コミュニケーション能
力が高い人」が求められやすいことからも明らかです。

 小さな会社の差別化は人の質や人を動かす仕組みによって実現するべきと
言われて久しいですが、そうであれば、小さな会社こそ社員の読解力引き上
げに邁進しなくてはならないことになります。小さな会社の経営者や幹部の
方々がこの問題をご一考になる際に、必ず役立つであろうマストの10冊です。
是非お申し込みください。

 今号は『クロック・パルス』です。マシュマロ実験で有名になった耐える
力や集中する力について考えてみた内容です。当コラムがあなたに届くのは
10日ですが、翌日からは三連休です。休みのひととき是非ご一緒にお考え下
さい。ご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返
事の目標納期は5営業日!!

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その529:クロック・パルス

 8月中旬の或る日、クライアントのオーナー経営者が電話で動画コンテン
ツが売れ始めたと告げてきた。この会社は図書館の司書が自分に必要なスキ
ルを学ぶための動画コンテンツを販売する新規事業を昨年末から始めた。調
べ学ぶことが当たり前の司書の人々のために、動画はスキルそのものを教え
るのではなく、スキルの学び方を教えるという独特な発想。1テーマ1本に
まとめられ概ね30分。初夏から力を入れて販促を始めたが、唐突に結果が出
始めたと彼女は言う。

「他にも色々な要因が重なっているとは思うけど、夏休み前っていうタイミ
ングもあるのじゃないかなぁ。学び方を学ぶって話なので、30分の動画で一
度買ったら何度でも見られると分かっていても、まとまった時間に見たいと
思うとかって話でさ」と私は言った。

『脱兎見! 東京キネマ』の映画鑑賞記録を書くために、今月の一本目の映
画を観に行く。上映中は灯りが他の客の気を散らすのでスマホのスイッチを
切れと上映直前にスクリーンに注意事項の案内が流れる。案内は本編の直前
なので、近隣店舗の宣伝や上映予定作品のトレーラーの段階ではまだ流れて
いない。これ幸いとばかりに、ギリギリまでスマホで何かをやっている観客
がここ数年とても目立つ。店舗の広告に強い関心はないが、スクリーンに集
中することにしたい私には、注意案内前のスマホ・ユーザーでさえ煩わしい。
幸いにして私が鑑賞する劇場や時間帯ではそのような人間をほとんど見かけ
ないが、上映中にもスマホを弄りたいがために、わざわざ隅の方の席を取る
人間もいるのだと言う。

 米国留学中に田舎町の映画館に貧乏ながらそれなりに足繁く通った。上映
中に話をするのも、内容に対してやんやの喝采やわざわざ声に出してブーイ
ングするのも、鑑賞態度としてはデフォルトで、コンサートなどでは、椅子
の上に立ったり、パイプ椅子を振り回して熱狂したりする客も、周囲に害が
及ばない範囲で許容されていた。米国の友人達は、アメリカ人は感情表現が
豊かなのだと評していた。

 国内の映画館でスマホのスイッチを切れない理由を分析した学者の結論は、
強い刺激のない状態に二時間以上耐えられない人が増えたからと言うものら
しい。30年近く前の米国の映画館の観客達は感情表現が豊かだったのではな
く、長い沈黙と物語の読み取り作業の継続に脳が耐えられないだけではなか
ったか。マシュマロ実験の結果が連想される。

 耐えられない人々のトレンドは数十年を経て日本にも到達したのか。関心
が湧いた動画コンテンツでさえ、長い休みに気合を入れて観ることにしたい
司書は増えているのか。読み終えるのがやたらに大変そうな分厚い書籍を
「鈍器本」と呼ぶと聞いて考えこむ。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR

「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
会社の幹部候補社員はいるものの、
何をどう教えたらよいのかわからないと
悩んでいらっしゃる経営者の方の声をよく聞きます。

クライアント様の幹部候補社員に対して、
経営者の方針に従った言動を取るように促すためのカウンセリングや
幹部に必要な知識や考え方を教えるレクチャーを実施しています。

詳しくは以下のページをご笑覧ください。
https://kaisha-yorozuya.support/works/solutionsaboutpeople-exp/

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『萬屋のもっと深く愛してい』第26回「ブロックチェーン(暗号資産)」

前回から「ブロックチェーン」をテーマに取り上げており、2回目となる今
回は「暗号資産」についてご紹介していきます。

暗号資産とは仮想通貨を含めたデータ資産のことで、世界的にも認知されて
いる呼称です。日本円などの本来の「通貨」とは異なるため、それらと区別
するために正式な呼称として表現されます。

ブロックチェーンは何らかの取引データを何十万、何百万という数に分散し
て持ち合うことで改ざんされにくいものであるというのは前回ご説明した通
りです。

仮想通貨以外にもブロックチェーンの仕組みが活用されている事例は多数あ
り、今回は通貨としての使われ方やそれに関する一事例を見ていきたいと思
います。

ブロックチェーンを使って発行した仮想通貨を、特定のコミュニティで使う
動きがあります。「地域通貨」とも言うようで、日本のある地域で、日本の
ある地域で、キャッシュレス決済の促進のために導入されました。QRコード
を読み込むことで、機械設置や決済手数料などの負担がなく、キャッシュレ
ス決済ができます。今ではPayPayやLINE Payなど当たり前にある仕組みです
が、地域内の加盟店での利用に限定し、最終利用日から1年後を有効期限と
して設定することで、貯めるだけで使わないという人を減らし、地域経済の
活性化を促進しています。

ブロックチェーンは改ざんされにくいとはいえ、銀行にお金を預ける時に暗
証番号や印鑑をきちんと管理しておくのと同様、設定したパスワードをきち
んと管理せず、他のパスワードの流用など、バレやすいものにしていると、
以前話題になった仮想通貨流出事件のようなことが発生しかねません。仕組
みを正しく理解することで、業務効率化を実現するなどの有効活用が可能に
なります。

このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support

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「読解力を引き上げる参考図書“10選”一覧」プレゼント!

働く能力を上げるためには「読解力」の向上が必須です。
読解力の重要性を感じているものの
どうしたらよいかわからないという声をよく聞きます。
読解力向上のためにやるべきことが書かれている本をまとめたものを
ご希望の方にもれなく進呈いたします。

お申し込みの期限は2022年2月末日です。

ご希望の方は、以下のメールアドレスに、
件名:
「読解力リスト希望」
本文:
「お名前(名刺情報としてのお名前(所謂HN的なものは不可))」
「お名前のフリガナ」
「当コラムご講読歴」
「当コラムベスト3(お好きな3話をお教えください)」
を書いたメールをお送りください。
 bizcom@msi-group.org

メルマガ読者ではなく、
弊社ブログで当プレゼント企画をご覧になった方も
お申込みいただけます。
メールでのお届けは2022年3月上旬までに行ないます。

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『老いる東京』 佐々木信夫 著
■『人は、なぜ他人を許せないのか?』 中野信子 著
■『心は量子で語れるか …』 ロジャー・ペンローズ 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ ) 

毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け23年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
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 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様
子です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行状況
のご確認は上述の弊社ブログにて行なってください。
 また、まぐまぐからの連絡によると、一部フリーメール運営企業でサーバ
の受信量規制を行なっているケースがあり、その場合は大幅にメールマガジ
ンの到着が遅れるとのことです。
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次号予告:
 第530話 『生まれたままのカラダ』 (2月25日発行) 
 人間の長寿化と同時に健康志向が人々の間に浸透しているように感じます。
経営者の考えも交えつつ、少々それについて考えてみます。

(完)