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経営コラム SOLID AS FAITH 第524号
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ご愛読ありがとうございます。第524話をお届けします。
今年も残す所1ヶ月余りとなりました。猛威を振るったと認識されている
通称武漢ウイルスの流行もだいぶ終息に近づいたように感じられます。原油
や原材料素材の高騰、食品群の高騰など、幾つかの経済回復の足を引っ張る
要素はあるものの、週刊誌などで見ると、日本経済は世界に先駆けて回復基
調という論調が多くなってきています。
電車内での無差別殺人など、格差社会が要因と分析される犯罪が増えてい
ます。橘玲に拠れば、社会にはカネと性愛の格差が存在していて、物価は安
く誰もが最低限の生活に困らないようになれば、性愛格差だけがどんどん加
速して拡大して行くことになると言われています。世の中に求人は山程あり、
会社の廃業・倒産が急激に進んだこの時期においても、採用難が最大の経営
課題になっている企業はざらにあります。つまり、カネが足りなくて犯罪が
起きているのではないということが分かります。
性愛に代表されるような人間関係全般における承認や理解において、圧倒
的な飢餓感に苛まれている人々が増えていると解釈する方が妥当であるかも
しれません。そのような人々の拠り所となるのは、多分、大手企業ではなく
中小零細企業の組織であるように想像できます。人口減少の顕著な地域でも、
雇用が無くなる所から社会の崩壊は加速化します。中小零細企業組織による
そのような人々の拠り所の創造と、巷間で闇雲に叫ばれる生産性改善が本当
に両立するものであるのかについては、慎重な検討が必要であるように感じ
ます。
今回の号は過去最長シリーズ全10回の第8回目です。タイトルは『気分屋
稼業』。よく言われる「チーム・ビルディング」や職場の良好な人間関係の
効能について考え直してみた内容になっています。ご意見・ご感想をお待ち
しております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その524:気分屋稼業 シリーズ『南国の史実』(8)
「市川さん。また8000曲だか入っているiPodですね。何聞いているんです
か」と待ち合わせに現れた私より干支が二回り以上若い同業者は私の耳を指
さして聞いた。「ん。ディープ・パープル」と私が答えると、「へえ。それ
メタル系の奴でしたっけ」と彼女は応じた。特に関心もないのだろうと思っ
ていたら、移動のタクシーの中でスマホで検索してみたらしく、「げっ。
ウィキが長くて読み切らない」と騒ぎだした。
1968年結成のこのバンドは、1976年に一度解散してから8年後に再結成さ
れ今に至る。一般的に知名度が高いのは解散前のものばかりだが、私の最も
好きなアルバムは再結成後二枚目に発表された『ハウス・オブ・ブルー・ラ
イト』。今に至るまで名曲は多い。ウィキの解説が長くなる最大の理由はメ
ンバー変更が頻繁で、彼らが基本的に不仲であること。ボーカル、ギター、
キーボード、ベース、ドラムスのいずれかが入れ替わると、当然テイストが
変わる。ウィキはそれを期として分類して、結成以降第8期まで続いている。
不仲の収拾がつかず一度解散した際に、ボーカルのデイヴィッド・カヴァ
ーデイルは、自分のバンドであるホワイトスネイクを作り、二度と古巣に戻
ることはなかった。私が最初にハマったのはこちらの方で、彼の足跡を辿っ
てディープ・パープルを知った。ホワイトスネイクも音楽誌で「バンドマン
の職業安定所」と揶揄されるほどメンバーが替わる。
「私たち人間は、感情に左右されがちです。どうしても面白くない日もある
かもしれません。しかし、働きやすい楽しい環境で毎日の仕事ができるよう
になれば、自然と微笑みが出てきます。楽しい職場環境になるように、常日
頃から、従業員がみなで心がけていけばいいのです」は鹿児島の巨大スーパ
ーの社長が書いた書籍『利益第二主義』の中の一節。
優秀なリーダー群にインタビューした結果、モチベーション管理は無意味
と判明したとビジネス誌の記事で読んだ。リーダーは部下がきちんとできる
ように仕事を教え、仕事がはかどるように環境を整える。職場は仕事をする
ためにある。だから仕事が進めばモチベーションは勝手に上がる。モチベー
ションを上げようとすることが本末転倒であるという。
仕事に感情表現が求められる仕事を「感情労働」と嘗て呼び習わした。今
では機械ではない人間の労働価値の主要な要素に「感情労働」はなっている。
感情労働の研究の対象になりやすい看護師やCAはプロとして必要に応じて幾
らでも微笑むだろう。メンバーが常にいがみ合うディープ・パープルも名曲
を生み続ける。多分、楽しい職場環境は必要ない。
私が数時間滞在した件の巨大スーパーで微笑むスタッフは一人も見当たら
なかった。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
以前『人は見た目が9割』という書籍が大ヒットしました。
どれほど、仕事をする上で有能でも人柄が良くても、
見た目がダメならお話になりません。
小さな会社でも同じです。
商品企画の際にはお客様のニーズを精緻に分析して
喜ばれる商品を創り上げる。
一方で、ウェブサイトを閲覧した際や社員と接した際に受ける印象も
会社のイメージを引き上げるように
小さな驚きを常に提供するようにする。
その両面を同時並行で行なってこそ、
お客様のその会社に対するマインド・シェアが上がります。
そんなたくさんの繊細な配慮を重ねたマインド・シェア向上策の
継続的な企画立案をある企業でお任せいただきました。
原理は、師匠・市川のウェブサイトにある「CI」です。
こちらのページをご一読ください。
http://msi-group.org/msi-crmish/
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『萬屋のもっと深く愛してい』第21回「HRテック・組織管理システム編」
新型コロナウイルスの感染者数が報道される機会も徐々に減少し、街中の人
出も戻ってきましたが、大企業を中心にコロナ禍下と変わらずリモートワー
クが続いている会社もあるようです。
「HRテック」シリーズの最終回となる第5回目は「組織管理システム編」を
お送りします。従業員の基本情報や人事評価、人材配置などを一元管理でき
る仕組みなどを考えていきます。
組織管理システムは、「タレントマネジメントシステム」とも言います。従
業員がいつ入社して、どこの部署に配属されていたか、どのような評価をさ
れたか、いつ退職したか、退職理由は何であったか、といった情報をシステ
ムで管理します。平均勤続年数や年次ごとの離職数も把握できるため、離職
の要因分析にも役立てられます。
従業員の異動や評価も含めた情報を一元管理することで、人事データを分析
し、その結果を可視化することでさまざまな人事戦略をとることが可能にな
ります。
たとえば、従業員の配置転換を考える際に、今までは上司や担当者の主観や
周りからの評価で判断する方法が一般的でした。その場合、上司との関係性
や個人の好悪などにより偏った評価となってしまうことも少なくありません。
タレントマネジメントシステムを活用することで、システムにあるデータを
元にしたシミュレーションによる客観的な判断を下せるようになります。結
果として、従業員が抱く不公平感を軽減できるかもしれません。
システムを選定する際に、自社で行ないたい施策に合った機能がはいってい
るかなどの確認は必須です。きちんと運用するためには、導入後の運用ルー
ルを事前に策定しておくことも重要です。折角導入したシステムをフル活用
するためにも、社内体制をきちんと整備しておくことをお勧めします。
このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『サイコパス』 中野信子 著
■『問題発見力を鍛える』 細谷功 著
■『近現代史からの警告』 保阪正康 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け23年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
第525話 『ポリコレの辺縁』
シリーズ『南国の史実』(9) (12月10日発行)
中小零細企業の組織運営の場面における相互理解のあり方について少々考
えてみました。長編シリーズ第九回目です。
(完)