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経営コラム SOLID AS FAITH 第521号
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ご愛読ありがとうございます。第521話をお届けします。
猛威を振るったと一般には認識されている通称武漢ウイルスの感染状況も
じわじわと収束しつつあるように見えます。弊社代表の市川は、先日二度目
のワクチン接種に近隣のクリニックを訪れましたが、一度目の副反応の胸部
の激しい重苦しさを報告した所、接種を見合わせるよう指示されました。現
在も微かに残る症状について精密検査の必要性も説かれました。
ファイザー社のワクチンの副反応による死者は、血栓症を始めとする循環
器系障害で死亡しているケースが目立つようですので、何かそのような状態
に近い症状が出かかったのかもしれません。製造会社の異なるワクチン接種
が最終的には望ましいとも医師に告げられましたが、症状の様子を見たり、
精密検査をしたりているうちに流行そのものが収まってしまう可能性も少な
くはないように思えます。
当コラム創刊以来の最長シリーズ『南国の史実』全10話も漸く今回で前半
が終了です。今回は『反知性主義集団』と題して、作業のマニュアルもなけ
れば社員研修もないという中小企業組織の実態について考えてみたものです。
過疎が進む地域での優れたマーケティング・モデルを誇る組織も、組織を構
成する個々の社員の質の向上を疎かにした結果、起きている可能性が高い事
柄を現地での体験を交えて描きます。ご意見・ご感想をお待ちしております。
頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その521:反知性主義集団 シリーズ『南国の史実』(5)
東名阪以外の日本のほとんどの地域で人口は急激に減少に転じている。老
人がバタバタと他界するのではなく、出生の急減による人口減少で高齢化は
加速している。
マーケティングの根幹をなす考え方にSTPがある。一言にまとめると「市
場を細分化して自社商品(・サービス)がどのサブ市場を対象にするのか明
確にすること」。10万人を1%ずつに細分化しても1000人の市場だが、1万人
ならたった100人にしかならない。STP前提ではサブ市場が小さくなり過ぎ
る。そこで多様なサブ市場を包摂するSCが地方に多数建設された。しかし、
それも地方経済が疲弊し始めると、凋落が見え始めた。
人口減少・高齢化・消費の偏りと縮小。それに対応できるビジネス・モデ
ルを考えていて、米国のウォルマートよりも肌理細かく消費者ニーズに対応
しつつ、地域の支出の総分捕りを実現したという巨大スーパーに強い関心が
湧いた。それから十年経って漸くの訪店。
広い店内で両側の棚をきょろきょろと眺めつつ歩いていると、高い天井か
ら水滴が落ちてきて頭に当たった。空調用らしき太いパイプが天井を畝って
いる。コストカットを徹底したとされる店舗の作りはプレハブのようで、露
出したパイプにも養生なのか何かがあちこちに巻き付けてある。結露なのか
中身が漏れているのか、私の足元には長らく水滴がタイルを穿ち、変色変形
させた跡がある。
最寄りと思われるレジで談笑していた女性店員の一人に、「水滴が落ちて
来たんですけど、大丈夫でしょうか。あそこのパイプからなんですが」と呼
び掛けてみた。すると、彼女は「ああ。はい。知ってます」と応じて、すぐ
さま再び子供の学校の話に戻った。
「AZには、接客や売り場づくりのマニュアルはまったくありません。従業員
には、毎日の仕事、毎日の生活の中で、自分たちで考え勉強してくださいと
話しています。
家事労働のお手伝いをする商品を中心に取り扱っているので、品出しの基
本的な部分などについては覚えなければいけないかもしれませんが、商品構
成について特殊な技術や知識は必要ありません」。
件の巨大スーパーの社長が書いた『利益第二主義』の一節。確かに漏れる
水滴の対応まで個別にマニュアルに規定するのは大変だろう。しかし、いつ
もテレビを観ていても接客してテレビを売れるようにはならない。毎日食事
をしていても食品販売は覚束ない。2020年に破産してしまった商業界のスー
パーマーケット向けのマニュアル群は、パート・アルバイトがすぐ分かる優
れモノ。それを長年愛用している私は、学ぶべき事柄を知っている。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
ヨロズヤは小さな会社の経営支援を行なっておりますが、
必要に応じて外部の方にご協力を仰いでいます。
ITのプロである姉弟子、山口佳織をはじめ、
キャリアカウンセラーや給与制度の専門家など
各分野に詳しい方々にお話を伺いながら、
そのノウハウをクライアント様の課題解決に活かしています。
外部の方々のサービス内容とクライアント様の
課題や状況のマッチングを通して
クライアント様が抱える課題をより深く理解できています。
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『萬屋のもっと深く愛してい』第18回「HRテック・採用管理システム編」
10月1日から緊急事態宣言が全国的に解除され、長期休業から営業を再開し
たところも多くあります。外食産業や観光産業など売上の低迷により人員削
減に踏み切ったお店が、人手不足のため営業再開が遅れているという報道も
されています。コロナ禍になる前から人手不足は叫ばれていましたが、急な
人材確保の目途が立たない企業もあるようです。
前回から始まった「HRテック」シリーズ。第2回目となる今回は、「採用管
理システム編」として採用管理業務におけるHRテックについて考えてみます。
この分野のシステムは「応募者管理システム」と表現することが一般的で、
英語表記の頭文字をとって「ATS」(Applicant Tracking System)とも呼ば
れています。具体的には、スケジュール調整などの応募者管理作業の効率化
や面接の評価基準の標準化、自社に最適な人材の選別などに活用できます。
ただ、「数人しか雇わないからウチの会社には関係ない」と感じる方もい
らっしゃるかもしれません。
ヨロズヤでは、人でなくてはできない「お客様に接する過程で自社のビジネ
ス・コンセプトに沿った付加価値を提供する作業」を“接客作業”と表現し
ています。ATSを導入することで、定型化された事務処作業や分析資料の作
成といった業務が効率化され、応募者の“接客作業”により多くの時間を割
くことができます。応募者の動機付けも進みます。
採用に関わるコストというと、採用媒体への掲載費や合同企業説明会などの
採用イベント出展料など応募者を集めるためのコストに目がいきがちですが、
各作業にかかる人件費の負担も無視できません。人でなくても良い作業を
ATSで実現することで、大幅な人件費削減を見込めます。
ATSを導入する際は、必要な機能を見極め、その機能に見合った料金かどう
か確認しておくことが必要です。他にも導入後に使い続けやすいよう、シス
テムの操作性だけでなく、導入後のサポート体制についてもぜひチェックし
てみてください。
このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『利益第二主義』 牧尾英二 著
■『仕事に効く教養としての「世界史」』 出口治明 著
■『プラトニック・アニマル』 代々木忠 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
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次号予告:
第522話 『認識の陥穽』
シリーズ『南国の史実』(6) (10月25日発行)
「人間は分からないものを見ることができない」と言われています。中小企
業の経営においても、忘れられがちな教訓について考えてみます。長編シリ
ーズ第六回目です。
(完)