=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 6周年記念特別号
=================================
目次
1 ご挨拶
2 東京の会社風景を描くソリアズ
3 ご寄稿(1) 由佳子様
4 ソリアズ『相互広告お断りマニュアル』
5 ご寄稿(2) 大橋様
6 読者数逓減とソリアズ
7 ご寄稿(3) T様
8 あとがき
=================================
☆注意:今号は経営に関する示唆を含む「話」が全く存在しない「お祭り」号
です。不躾ながら、不要の方は、読まずに削除のほど、お願い申し上げます。
また、お読みになる際には、プリントアウトの上お読みになることを、心より
お勧め申し上げます。
=================================
1 ご挨拶
以前発行した5回の記念号を読み返してみると、常に私はその冒頭で、「よく
もこれだけ続いたものだ」と、周囲の人に言われて、自分もしみじみそう思う
と言う話を繰り返しています。毎年恒例でそう思っているというのも、可笑し
な話ですが、本当にそう思えてならないので、どうしようもありません。
やはり、「なんと創刊から6年が経ったんだなぁ」と、今年も考えてしまいま
す。創刊当初、100話で打ち止めにしようかなどと考えていたのが、まるで、
遠い昔のことの様に感じます。既にソリアズは読者の皆様のご愛顧に支えられ
て、100話を過ぎて、200話までの道半ばに到達しようとしています。
マンガ家がインタビューに応えて、「キャラクターが勝手に動き出すのを手伝
う程度」と作品作りの作業について述べているのを耳にします。主人公がいる
訳でもなく、画像で届けている訳でもありませんが、ソリアズ発行の作業は、
確実に私の日常の一部となって、維持のエネルギーも殆ど要さず、淡々と続け
られています。一方で、読者の皆さんも、各々にソリアズとの付き合い方を確
立していらっしゃるようで、各々抱くソリアズの存在感は、決して一様ではあ
りません。
そこで、今回の6周年記念号では、今までの5回で描いたソリアズのタイトル
などのランキングや制作プロセスなどではなく、著者である私にとってのソリ
アズを余す所なく紹介しようと思っております。普段お読み戴いているソリア
ズを別の観点からお楽しみ戴ける情報はあるものと思います。ご堪能戴けまし
たら幸いです。通常号に比べてかなり長い内容となっておりますが、宜しけれ
ば最後までお付き合いください。
また、ご多忙の中、寄稿をご快諾戴いた三方に心より御礼申し上げます。
=================================
☆1?6周年記念特別号:
増刊号なども合わせて、バックナンバーはこちらでご覧下さい。
http://cyblog.jp/list.php?cat=125
=================================
2 東京の会社風景を描くソリアズ
「市川さんから戴いた名刺の住所は札幌になっていますが、私共の仕事をお任
せして宜しいのですか」
これが、お仕事を戴くことになったお客様の一部が私に仰る言葉です。既に、
ソリアズでも、事業協力IC募集の告示(※)を行いまして、その説明文章の
中に、私の東京・札幌の往復生活が描写されています。具体的には、ほぼ毎週
(年50回程度)東京と札幌を往復する「マイルの貯まる生活」を送っておりま
す。
長年のソリアズ読者の皆様はご存知かと思いますが、私は北海道の出身で、一
人っ子であるので、母子家庭で私を育ててくれた母との同居を進めるためにU
ターンしました。その3年後に独立することとなり、サラリーマン時代の知人
の多くいる東京で仕事をすることが増え、今の生活パターンが確立しました。
「そんなに東京と行き来したら、体力的にも費用も大変でしょう」
次によく聞かれる質問です。
移動は、自宅から定宿のホテルまでドア・トゥ・ドアで片道4時間です。大変
と言えば大変ですが、それ以外は総て新宿のホテルから30分程度の移動です。
ラッシュアワーに遭遇することも殆どありません。東京圏で片道1時間以上の
通勤を毎日するのとどちらが大変かと言えば、やはり、ラッシュアワーの通勤
のように思えます。
費用の方もたいしたことではありません。年間250万円ぐらいに抑制すること
ができます。無論、それは零細事業者の私には無視し得ない額です。しかし、
東京か北海道のどちらか一方に在住して来た方には知られていませんが、二地
点での賃金格差はかなり開いています。Uターン促進センターの資料にもあり
ますが、ほぼ同一の仕事をして得られる対価は、札幌では東京の約7割です。
(生活費の合計は、ほぼ半額になると言われます)
仮に、東京で800万円の年収を得るサラリーマンなら、同じ仕事をしても、約
250万円を失ってしまうこととなります。しかしながら、仕事に関わる情報が
圧倒的に集中し、経営者の意識も一般に高く、多様な経営ニーズが存在する
のが東京です。どうせなくなってしまう250万円なら、これを旅費に注ぎ込ん
で、東京で“面白い仕事”をしても得られる報酬は同じです。私には、中小零
細企業経営者の危機意識や経営観は、東京が5?6年ぐらい先を行っている様
に感じられます。とすると、東京に毎週行くことは、リサーチでもあり、多様
な中小零細企業経営のあり方の実践的学習とも解釈できます。
そして、そのような東京での日常の中で、気づきの備忘録として存在すること
が、ここ数年のソリアズの私にとっての重要な役割です。つまり、ソリアズは
日本最大の中小零細企業激戦の地での、私の見聞録である訳です。
※事業協力IC募集の広告はこちらです。
http://www.ki-dousen.net/go.php?challenge=27
=================================
3 ご寄稿(1) 由佳子様
6周年記念号発行おめでとうございます。
6周年記年号ではどんな方が寄稿されるのだろうかと楽しみにしていたとこ
ろ、思いもよらなかった市川氏からの依頼。私に依頼するあたりが、チャレン
ジャー、天邪鬼、といった言葉がぴったりに思える市川氏だからこそ、妙に納
得。しかし、実際に話をすればするほど、市川氏を知れば知るほど、人とは違
った視点から、問題の本質を研究し、全てが計算尽くしの言動を目の当たりに
する。
であるならば、私への寄稿依頼の奥に秘められた意味とはなんなのか・・・。
という事は、今後じっくり考えるとして、本題に入らせていただきます。
私が勤務するのは、最近ソリアズでも公表していたが、市川氏が『北斗の拳』
を読むきっかけとなったパチンコ店を運営する会社である。
今年の7月末頃、社内勉強会をする際のアシスタントをという話があった。そ
の勉強会を担当する講師の名が市川正人であり、弊社係長いわく「とても厳し
い人」だという。市川正人って何者?厳しいってどういうこと?何がなんだか
わからず、市川正人なる人物を知るために『市川正人』をインターネットで検
索。市川氏率いるMSIグループのホームページを見たが、メルマガの方がよ
り市川氏個人を知り得るのではないかと考えた。それが、私とソリアズとの出
会いである。
愛読書は今更ながら赤川次郎という私が、ソリアズという、一見読み易さを装
った悪魔の文章(?)を読破する事は、困難の極み。読破はしたが、未だ内容
が掴めていないものもある。タイトルを見ただけでは(本文を読んでも)、す
ぐに内容を咀嚼することが出来ない。『著者が選ぶ作品タイトル 自己満足ベ
ストテン』なるものを発表出来る位に考え抜かれたタイトルだからこそなのか
も知れないが、タイトルの段階で辞書を引くことも多々ある。
そんな私でも、何度か読み返す内に、おぼろげながら「もしかして、こういう
こと?」と光が見えてくることがある。その瞬間は、解読に時間がかかればか
かるほど自己満足の世界に浸ることが出来る。ただ、私にとっての光を市川氏
に確認すると、「まだ甘いな。(ニヤッ)」ではあるが・・・。
いつの日か辞書を引かなくとも、また、文章の奥に秘められた暗号のようなも
の(があるとするならば)を簡単に解き明かし、『するどい』を連発されるよ
うになりたいと思う。もっとも『そんなことに力を入れるよりも、他にするこ
とがあるでしょ』と市川氏に釘をさされそうな気もする。
私が感じるソリアズでの市川氏と実際の市川氏の印象は175度くらい違ってい
る。残りの5度がどう同じなのかの説明は難しく、長くなるため今回は省略す
るが、そのギャップを密かに楽しめるソリアズ。仕事への必要性に駆られて出
会ったソリアズ(発音を「『ソリアズ』は女子高生風に」と注意を受けた)。
今では、月2回の配信を(市川氏本人と会うこと以上に?)楽しみにしてい
る。
* 発行者より一言 * * *
由佳子様の会社の勉強会に伺うと、何本もの(多分、多すぎて訳が分からな
いぐらい)傍線を引いたソリアズのプリントアウトを収めた分厚いファイルを
持って待ち構える由佳子様に会えます。初対面の段階で、「PHSのストラッ
プを見せて下さい」と聞く(第86話参照)ほどに、ソリアズを丸ごと吸収して
しまった由佳子様には感服しています。
私のクライアント企業の幾つかには、このような有り難い社員の方々が存在
します。しかし、由佳子様同様、「悪魔の文章」呼ばわりする方も少なくない
のが実情です。
=================================
4 ソリアズ『相互広告お断りマニュアル』
メルマガを発行し続けて、6年も経つと色々な連絡を戴きます。その中で最も
多いのが、「相互広告の依頼」です。何を根拠に、読者数700を切るようなソ
リアズに依頼をしてくるのか分かりませんが、途切れることなく、二ヶ月に1
件程度の依頼メールが届きます。
“相互広告のための相互広告” は、ソリアズ発行の主旨に合いませんので、
丁重にお断りすることになりますが、あまりに反復されるので、いつしか対応
はパターン化致しました。その秘密(?)マニュアルを公開致します。
依頼のメールが届くと…
『経営コラム SOLID AS FAITH』様などと冠して、機械的に出されたと見受け
られるメールは無視し、当社名や私のフルネームを理解している依頼のみを選
別する。
そして、名前や細部を打ち替えてから、以下の定番文章をメールで送信する。
* * * * * * * * * * * *
●●様
MSIグループの市川です。このたびは、メールを戴いたのに、返事が大変遅
くなってしまい申し訳ありませんでした。
さて、弊社メルマガをご講読戴き誠にありがとうございます。宛名が、『経営
コラムSOLID AS FAITH』様などのような機械的な相互広告申込のメールが多い
中、きちんと弊社のメルマガを読んでくださった感想まで付けて、ご連絡戴け
て非常に嬉しく感じます。
しかし、結論から申しますと、相互広告の件は辞退申し上げます。
折角のお申し出をお断りする最大の理由は、私は弊社のメルマガを不特定多数
向けに送り、読者数を増やして何かの目的を果たす事を狙っていないことです。
まぐまぐで創刊した際に読者登録していただいた不特定多数の方もまだ相当数
残っていらっしゃるとは存じますし、今後も弊社の活動を知るよりも前に、ま
ぐまぐのサイトで弊社メルマガを知る方もいることでしょう。私もそれを否定
してかかっている訳ではありません。しかし、読者獲得を目的として新たな活
動を何かしたいとも思っておりません。私の名刺、弊社パンフ、弊社ホームペ
ージでこのコラムの存在を知り、試しに読者登録して頂いた上で、市川はおか
しな奴だと思いつつ2?3回に一度は「あ?なるほどね」と思っていただけれ
ば十分です。
私が考える弊社コラムの読者像モデルは、非常に深く読みこんで下さっている
方々です。読者数が減っても泰然としていられるのは、逆に密度の濃い、そし
て、理解力が高い読者が残ってくださっていると言う実感があるからです。読
者の量より質が優先された状態と捉えておりますので、その状態を歓迎してお
ります。
その質に応えるために、メルマガは私らしさ、弊社らしさで全体を構成し、そ
れ以外のものは徹底的に排除する所存でおります。広告も私が自信を持って勧
められるものに限定しております。過去に物流コンサルタント花房先生のメル
マガと相互広告をさせていただきました。それが私として好ましいものと考え
られた理由は只一つ、先生が私の非常に精度の高い理解者であり、且つ、私も
先生のメルマガの愛読者であるからです。実は私のほうが勝手に先生自身のお
仕事内容を弊社メルマガ上で賞賛し、先生がそれに応えて下さって、弊社メル
マガの内容を先方のメルマガで紹介してくださったと言う経緯です。
私は中小企業相手のコミュニケーション企画請負業者ですので、中小・零細企
業の経営には思い入れが必須だと思っております。●●様のお仕事はどのよう
なものか知る由もございませんが、弊社の事業は間違いなく「零細」です。よ
って、その思い入れや考えに存在意義を託す経営となるのは必然と存じます。
もし、●●様が弊社メルマガの根底にある経営思想に御共感下さったのでした
ら、どうぞご遠慮なくその旨を●●様のメルマガにお書き下さい。その旨を後
日、何かの機会にお教え頂ければ、私のほうも、その際に増えた読者数には関
係なく、その思い入れに相応の思い入れで応えたいと存じます。
大変長くなってしまい恐縮ですがもう少々お付き合い下さい。ここまで読んで
いただき、ご理解戴けたかと思いますが、相互広告は結果としてそうなってし
まうのは構わないのですが、相互広告自体を目的とした相互広告の企画に私は
意義を見出しません。
例えば、弊社ではバックナンバーがすべて読める様にブログも用意しておりま
すので、●●様が読者として、私も思わず唸るようなご感想をお寄せ下さいま
したら、多分私は、●●様のご紹介と共に、そのご感想をメルマガ上で紹介す
ることでしょう。つまり、私がそのご感想に刺激されるところがあれば、相互
広告などと言う手段や取り決めを必要とせず、私は感動の余り、●●様のこと
を訳もなく弊社メルマガに書きまくることでしょう。
大変長くなりましたが、弊社の方針にご理解を賜り、今後ともご関心を賜れま
したら幸甚と存じます。●●様のご健勝を祈念申し上げます。
* * * * * * * * * * * *
この文章を受け取って尚、相互の取組みを希望して下さったのは、100話発行
記念特別号に登場したぴよ1号様だけです。その際に、ぴよ1号様にはお気に
入りのソリアズ10話を選んで頂きました。
http://cyblog.jp/modules/wordpress/index.php?p=194&page=5
=================================
5 ご寄稿(2) 大橋様
6周年おめでとうございます。
市川氏とは2年ほど前に、市川氏の主宰されたオンライン勉強会で初めてお
会いし、その独特な生き様と職人肌、そして哲学にまで昇華された“市川学”
に触れ、「うわぁ、こんな人間が実在するのか!?」と驚愕したのを鮮明に覚
えています。その後、“市川学”の流儀の一端を直伝いただき、経営の窮地を
救ってくださった恩人でもあります。
“市川学”を知ろうとするとき、何よりもその孤高かつ鋭利な語り口でコギャ
ルからハーズバーグまで縦横無尽に料理するメルマガ「ソリアズ」を抜きにし
ては語れないでしょう。
そんなメルマガの重厚なタッチとは裏腹に、実際の市川氏はよくしゃべり、
よく笑う、ウィットとユーモアに富んだユニークな人物として映ります。でも、
話し続けるうちにいつの間にか彼のコミュニケーションペースに乗せられ、思
わぬことまで話を引き出されてしまう、という恐るべきテクニックも併せ持つ
要注意人物の一人でもあります(笑)。
そんな市川ワールドを、メルマガ──限定された読者に送り届けらる深夜ラ
ジオ──だけにとどめておくのはいかにももったいない、という思いから、ブ
ログ──より多くの潜在的なファンに広がりと一体感を感じてもらえるライブ
コンサート──によるバックナンバーの公開を担当させていただくことになり
ました。
すでにメルマガでも紹介いただいていますが、フリーワードによる検索機能
を使って約150本に及ぶ「ソリアズ・ワールド」を自由に読み泳ぐことが可能
となりました。「ソリアズ」は毎号読み切りの、どこから読んでも必ず何かし
らのインスピレーションが得られる中身の濃い箴言集ですから、是非バックナ
ンバーを探索されることをオススメします。
今後も読者として、ブログ担当として「ソリアズ」を楽しみにしております。
* 発行者より一言 * * *
あの頃、大橋社長は窮地だったのかぁ。知りませんでした。役に立てて良か
ったです。
弊社サイトの簡易なログ解析を実施すると、リンク元ベストテンの中に、必
ず大橋社長のサイトが含まれています。ソリアズの良き理解者として、サイト
の一角にソリアズを好意で置いて下さった大橋社長には感謝しております。ブ
ログ移行効果の評価は次項に譲りますが、大橋社長が仰る通り、ブログ化が今
後のソリアズ発行の形を占う材料となっているのは間違いありません。
=================================
6 読者数逓減とソリアズ
ソリアズの登録読者数は、2000年7月発行の第18号で1209を記録して以降、
時々僅かな上昇は繰り返しつつも、緩やかに低減してきました。
具体的には、
1200を越えた発行は8回
1000を越えたものに拡大すると75回です。
2002年の3周年記念号発行を境に、それ以降、一度として4ケタの数字に戻っ
たことはありません。その後、平均すると1回5人程度のペースで読者を失い、
現在に至っています。低減のペースは徐々に遅くなっていますので、どこかの
値に収束しそうにも見えます。
それでも、先に紹介した『相互広告お断りマニュアル』にもある通り、私にあ
まり気にしておりません。最後の最後、100ぐらいで落ち付いても、多分、そ
のまま続けていることと思います。
ソリアズがサラリーマン時代の私の匿名コラムとしてスタートした1999年秋、
まぐまぐのカテゴリー分類『経営心得』には21のメルマガしか存在しませんで
した。現在の『経営学・経営理論』のカテゴリーには259誌が存在します。メ
ルマガと言う媒体を考える時、まともに宣伝もせず、これぐらいの低減で済ん
でいることの方が、私は上出来だと思っています。
多々読んでいたメルマガがマンネリ化するたびに講読を止め、その結果残った
のがソリアズであると仰って下さる方も多く存在します。また、私を個人的に
知っていて、その近況報告としてお読み戴いている方も多々存在します。実際、
ソリアズは私の独立前から存在していますので、宣伝色も少なく、箇条書き型
の経営ノウハウのリンク集でもありません。それが特定読者のニーズに応える
ものであり、私も苦にならずに書けるものなら、そのニーズがある読者が減ろ
うとも構わないのではないかと思っていました。
しかし、私が役員を拝命している有限会社ムーンライト(通称『月光』)発行
のメルマガ(※)を読んでいる時に、読者数自体の意義について気づいたこと
があります。そのメルマガには、毎号、ソリアズが転載されているのです。過
去にも、「メールで貰うんでは、どうも集中して読めないから、市川君のホー
ムページのあののっぺりした字を大画面で読む」と言う社長が存在するなど、
二次読者はあり得ましたが、月光のメルマガへの転載は二次読者を大幅に増や
す結果になっています。
一方で私自身も結果的に非登録の不定期読者を増やしていました。私のクライ
アントも勉強会などの際に、バックナンバーを読むことがありましたし、3000
部発行の雑誌に全文引用された号もあります。大学の講義で用いている号も複
数あり、一年で数百人がソリアズを知ります。読者登録はしなくても、その後
ネット上でバックナンバーを読んでいる学生が間違いなく存在します。私にと
っては講義内容の一部をうまく説明するためのツールですが、彼らにとっては、
時々見てみる経営を学ぶ教材です。今や、ソリアズをビジネス学習のために活
用するための副教材『ソリアズ読解シート』も完成しました。
そんな中で、私もクライアントの経営者と話したりする際に、「以前メルマガ
にも書いたんですが」と前置きをすることが多くなり、同時に「市川さんも、
以前書いてらしたでしょ。ん?と。『賃金を上げて定着率を上げようとするの
は最悪の手だ』とか。覚えてませんか」などと指摘され、恥をかくことさえ出
てきました。こうなると、ソリアズはメールの形で読まれては消える発行物で
はなく、私の経営観を蓄積した記録コンテンツとしての役割が重くなっている
ことに否応なく気づかされます。むしろ、共有された価値観であるが故のコミ
ュニケーションの「記号」とさえ言えます。
この記念号でも先述の通り、ソリアズは私の気づきの備忘録となり、それが、
中小零細企業経営に関わるアーカイブを形成していることになります。そんな
認識が生まれたことを話すと、多くのコンサルタントの方々から、「やはり、
市川さんも本を書いて、本格的なコンサルタントにならなくちゃ」とも言われ
ました。しかし、企画請負業者である私にとって、名前を売ってナンボの商売
は、あまり望む所ではありません。
その流通や形態において限定・固定的な書籍の形以外でこのアーカイブを実現
してくれたのが、先に登場した大橋社長です。閲覧者の中には「ブログでソリ
アズを読んだんですが、物凄い量ですね。嵌っちゃって寝られませんでした」
などと、話かけてくる方さえいます。また、私に自社のクライアント先の仕事
をご紹介下さった方が、「受注の最後の決め手は、市川さんのブログを紹介し
たことです」などと仰って下さいます。
これらの有り難い人々に、私が「メルマガの形で読者登録してくれなくてはダ
メなんですよ」と勧める意義も必要も全く感じない以上、読者数の推移がソリ
アズの価値と何の関係もないものと、感じられてならないのです。
※有限会社ムーンライト
http://moonlight-regal.com/
=================================
7 ご寄稿 T様
ソリアズの活用法
私のソリアズの活用法をお伝えしたい。
特に私が大学生であることから、学生の方には是非。
それは、市川先生のコラム「ソリアズ」を読解してしまうという新手(?)の
手法である。
実際に、市川先生に助けていただきながら、実行している方法なのだが、とて
も実用的な方法だと常々思う。
具体的にどの様に進めているかといえば、意外とシンプルなもので、バックナ
ンバーを含むコラムの1話を深く分析し、読み解く。
分析項目は、各号の「タイトルの意味」を推測することを始めに「段落ごとの
概要と位置付け」や、「筆者の着眼点の分析」、「社会常識による一般解」、
「筆者と一般解の比較」である。
これらの項目を、関連書籍を濫読しつつ、短い文章にしながら埋める。(さら
に、私の場合は、読み取り方が間違っていないかどうかの確認をしていただい
ている。)
ソリアズは経営コラムであるから、文中には必ず経営問題が例示されていて、
且つ、1話ごとにしっかり完結している。譬えて言えば、「体験的事例」の教
科書だと言っても過言ではないと思う。
殊に私は、このコラムを通して、経営学の書籍を落下傘型学習方法で読書しな
がら、一般論レベルの経営学の知識を習得することが目標である。
コラムとしてさっと読み流しても面白いのが、ソリアズの大きな魅力だが、そ
こをもう一段階掘り下げて読んでみると、今度はユーモアとは異なる、もっと
深い、深刻な意味を持った文章が現れてくる。
既にビジネスに携わっている方々には、その意味をすっかり読み解かれている
であろうが、素人の私には、知識なくしては理解できない一面である。
だから、優良な学習教材として、これを有効に使わない手は無いだろう。
是非試してみていただきたい。
私は友人に勧めたりしている。
ソリアズ筆者の市川先生とは、大学の講義を通して知り合って、まだ1年と経
っていない。だが、知れば知るほど先生の俊敏さに驚かされ、その人格に惹き
つけられる。
先生の行動は何時も的確で、無駄が無い。
これは大学の講義中もそうだった。
その時、先生はキャリア科目の講義をされていた。吃驚したのは、普段は比較
的緩い感じで講義に参加する学生も、市川先生の時間だけは目つきが違ってい
たことだ。私語が一切無く、真剣な目つきで受講していた。それほど仕事に対
する熱意が伝わってくる講義だったのだ。
もちろん私もその中の一人であったが、今考えても、その時間内は一分の無駄
も無かったように思う。
どうしたらそこまで無駄の無い行動ができるのか、とても不思議であり、羨ま
しい。
また、普段メールをやり取りしていても、言葉遣いやマナーについて、鋭くご
指摘頂く。その都度反省が耐えず、これからも先生から教わることは多数あり
そうだ。
もし、大学で先生の講義を受講しなければ、市川先生にもソリアズにも出会わ
ずに、のらくらと学生生活をしていただろう。
こういったメリハリのある学習をする機会を持つことが出来たのは先生とソリ
アズのお蔭。
だから私は、この出会いをとても幸運に思っている。
願わくは、この幸運が長く続くことを。
最後になりますが、6周年、おめでとうございます。これからも毎号楽しみに
読ませていただきます。
* 発行者より一言 * * *
T様、と言うよりも私からすると、Tさんなのですが、彼女は、今年前期に
私の講義を二コース受けた際に、自分のレポートの出来をわざわざ尋ねに来た、
熱心な学生です。レポートでの主張は分かるものの、表現に拙さが見られ、特
訓法として、ソリアズを用いることとなりました。無料のサービスとは言え、
読解シートへの私のコメントが遅くなりがちで迷惑をかけています。
=================================
8 あとがき
創刊からの6年間に私の人生にはそれなりの変化がありましたが、その間のソ
リアズ発行は、ただただ淡々と続けられた様に思います。その変化の乏しいス
タイルこそが、皆様の長年のご愛読に繋がっているとのご指摘をよく戴きます。
ご愛読の読者の皆様には心より御礼申し上げます。
6周年記念号は、ソリアズの私にとっての存在意義や、皆様にとってのより意
義あるソリアズの形の模索を中心に構成してみました。お楽しみ戴けましたで
しょうか?
ブログ化によって、確実にソリアズは新たな読者を獲得している様子です。し
かし、その姿は登録読者数と言う形で私に見えることはありません。ただ、周
囲の人々がかけて下さる言葉の端々にその気配が伺えるのみです。
まぐまぐには、発行者が自分のメルマガを読ませたくない登録読者のメールア
ドレスを排除する機能があります。私は一度も使ったことがありません。登録
読者のメールアドレスのリストをまぐまぐが発行者にも提供しない以上、一旦
排除した読者が別のアドレスを取得して未知の読者として再登録して来れば、
排除すること自体全く意味がなくなります。そして、ブログ化を完了した今、
最早、登録読者と言う考え方自体が、その意味を失いかけています。
これが、最近私が抱く「ソリアズが一人歩きしている感覚」の原因だと思いま
す。それは取りも直さず、ソリアズがより多くの人々に自由に活用されている
証左でもあります。この先の展開はどうなるのか、私もよく分かっていません
が、発行を続けるからには、どんどん、流れを推し進めてみたいと思っていま
す。まだまだお付き合いのほど伏してお願い申し上げます。
=================================
発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
通常号は毎月10日・25日発行
盆暮れ年始、一切休まず まる6年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
http://blog.mag2.com/m/log/0000019921
★検索機能が楽しい。バックナンバー・サーフィンはブログで。
http://cyblog.jp/saf-list.php
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================