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経営コラム SOLID AS FAITH 第100話発行記念特別号
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目次
1 ご挨拶
2 第100話 『諸悪の根源』
3 3回シリーズ『XYZの彼方』について
4 100話達成御礼挨拶
5 ぴよ1号様が選ぶ「ソリアズ・ベストテン」
6 山本様寄稿文章
7 あとがき
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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1 ご挨拶
とうとう1999年10月31日から発行を開始したこのメールマガジン『経営コラ
ム SOLID AS FAITH』(通称「ソリアズ」)も、第100話を発行することとな
りました。
そこで、今号は、単に100話をお届けするのではなく、当コラムの愛読者の
御二方から頂いた原稿なども掲載する特別号と致します。ご存知の通り、第
100話は、第98話から始まりました、当コラム初の3回シリーズの完結編です。
このシリーズ『XYZの彼方』の解説も付け加えてみました。お楽しみ頂け
ましたら幸いです。
ご愛読いただいている読者の皆様に心より御礼申しあげます。謹んで第100
話発行記念特別号をお送りします。通常より多少長いですが、最後まで御付き
合い下さい。
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2 第100話 『諸悪の根源』 =XYZの彼方(3)=
関西で小学校に乱入し子供達をナイフで次々と刺殺した男の裁判をテレビが
報じている。その男の極刑は誰が見ても確定している。男は法廷で尋ねられ明
確に答える。「自分は死刑になるようなことをしたと分かっている。恵まれた
人々に『取るに足らない者によって不条理にも命を奪われることがある』理不
尽さを教えることで、語るにも値しない自分の人生を締め括りたかったのだ」
と。そして目的は達成された。
反省や謝罪をする代わりに彼は、悪いのは自分ばかりではなく、このような
人間が形成されるに至った社会に大きな責任があると論じてみせた。可能な限
り残忍な方法による死を切望する被害者の親族に対して、「法に従って死んで
行くのだから文句は言うな。何の権利があってそんなことを言い出すのか」と
コメントしたと聞く。
私も2歳になる娘がいる。短気で本質的に見境のない私は、親族の気持ちを
想像しかけただけで発狂しそうになる。一方、子供時代のみならず、結婚相手
の親にまで「母子家庭の子供にロクな者はいない」と言われ続けて来た私は、
彼が言う社会の責任も痛烈に共感できる。子供だろうと大人だろうと、罪を憎
んで人を憎まないのが基本であると言う。彼をどの様に殺害しようとも、奪わ
れた命は戻って来ない。結局、残された被害者の親族は、収まり得る筈もない
気持ちの対象を、そのような理不尽が起きる社会自体に向けなくてはならなく
なる。その意味で、犯人による社会の責任の言及は的確である。
最近、ある会社で仕事を頂くこととなった。その会社は、従業員が数百人規
模で、億に届く赤字が出る。前職では社員の半数をクビにして経営再建をした
辣腕社長が、外部から招かれた。最初の打ち合わせに臨むにあたり、最速の赤
字脱却方法に思いを巡らせた。ところが、“漢方薬”のように遅効性の「勉強
会」と言う先方の依頼内容に、驚愕させられることになる。全く得心できない
ものの、私は偉大な経営者の決断に従うこととした。
数ヶ月の間に、私が「常識的な人材」と思っていた知人数人が業を煮やし、
「多くの給料泥棒に引導を渡さない」社長に愛想を尽かして去って行った。赤
字は底を打っても減少しない。そんな或る日、勉強会の状況を尋ねる社長に、
「社員に積極性が多少感じられて来た」と答えた。すると、齢70に届かんと
する彼は「目が覚めたか」と聞く。「まだまだですね」と私が言うと、即座に
応じる。「俺が言っているのは、あんたのことだ」。
社長は続ける。「着任して全員をヒアリングして分かった。この会社では研
修と言うことを満足にしたことがなかったらしい。社員は何をして良いか全く
分かっていない。教えてもいないことをできないからと、クビにはできない。
会社の責任でできない者なら、罰を与えるのではなく、目覚めさせなくてはな
らない」。
赤字は減少していない。オーナーが嬉しいはずもない。しかし、仮にクビに
値するような人にも、知る喜び、働く喜びに気付かせ、永山則夫のような涙を
流させよと、経営を知り尽した社長は今日も、このコミュニケーション企画請
負業者に理不尽な要求をする。
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3 3回シリーズ『XYZの彼方』について
ソリアズの中で、2回連続シリーズは、第33話からの『欲望との対峙』や、
第53話からの『自己責任』、第64話からの『価値の媒体』、そして、第89話か
らの『智の分配』があります。また、今後の予定でも、第103話から2回の『足
元の発見』があります。連続のシリーズではありませんが、読者の皆様から好
評だった、『陶酔の営み』(第46話)の続編『続・陶酔の営み』(第95話)と
言う、そのまんまのタイトルのものもありました。
舞台裏の話になりますが、これらの多くは、文章を作成して読み返してみた
時に、テーマの関連性に気づいて後でシリーズ化したものです。しかしながら、
今回の3回シリーズ『XYZの彼方』は違います。これら3話は、もともと、
一つの流れの話として作り上げたもので、もし、文章量が多いままに載せられ
る別の機会があれば、多分、一つの文章に練り上がっていたことと思います。
そして、それが分析・解説などを目的としたものであれば、そのタイトルはズ
バリ『クビ切りの回避と動機付けの限界』であったことでしょう。
言葉で言ってしまうと、非常に簡単な、遠い昔から経営者の最大の悩みであ
ったように感じられる疑問があります。それは「できない社員をどうしたら良
いか」です。それなりに多くの中小企業に出入させて頂く機会が増えたから、
そのように最近感じるのかもしれません。しかし、私が大学から依頼を受けて
始めた「就労観教育」、新入社員教育などで言う「会社常識」、そして、社員
の能力開発などでは「職業人教育」などと言われる分野についての関心が以前
にも増して高まっている様に思えてなりません。
できない社員がいるなら、それを教育してできるようにすれば問題ありませ
ん。それが単に業務上必要な、それも、資格取得などで表現できるような技術
的なスキルなら、それも可能でしょう。一方、やる気や熱意、気遣いなどに裏
打ちされたヒューマン・スキル面の問題ですと、話は厄介です。その結果、私
が御邪魔する幾つかの会社で社長様が「動機付けって、何でしょうかね」と言
うことになります。
私も答えに窮しては、基本に戻ろうと、大学の組織心理学の教科書を捲った
りして、結果的に「X理論」・「Y理論」・「Z理論」だのに辿り着きます。
しかし、教科書は考え方を教えてくれますが、その実践はどこまで行っても、
自分の頭から捻り出さねばなりません。「できない社員をあっさり諦めて退職
に追い込まないことにした会社は、如何に人を活用することとしたか」の、あ
る種、極端な事例をまとめて考えてみたのがこのシリーズなのです。
まだ、私の頭の中でも熟成が足りなかったのか、読者の方から主旨について
問い合わせも頂きました。基本的には「動機付けもはっきり効果が出ない“使
えない”社員のクビを切らないと決めると、どうすれば良いかの事例を3パタ
ーン考えてみたシリーズです」と答えることにしています。
よくよく考えてみると、これは、経営者のココロとその会社の理念や強みを
人々に伝える私の仕事「業務系対人コミュニケーション企画請負業」の核の部
分と呼べる分野です。ウンウン唸って考えた結果、この文章を記念すべき100
話に持ってくることに決めました。皆様にも、企業の人材活用の実際について、
御一考頂く機会となれば幸です。
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4 100話達成御礼挨拶
冒頭のご挨拶からの繰り返しになりますが、とうとう100話に到達致しまし
た。1999年に始めた当時は、まだまだ、インターネットもそれほど普及してお
らず、私もニフティ・サーブ(当時)のパソコン通信をしていた程度のことで
した。
その頃、私はサラリーマンで、中小零細企業の経営者が読む経営専門誌の出
版社に勤めており、入社後1年の修行で配属されていた編集部を離れ、入社当
初からの課題であった新規事業の立上げに取り組み始めた頃でした。
編集を離れて知ったのは、取材では聞くことのできなかった経営者のホンネ
です。それは、ただ話を聞くのではなく、その経営者に後継者育成のセミナー
や社員教育ビデオ、そして、手数料が初年度年俸の30%と言う料率の人材紹介
などのサービスを提供する段に至って、初めて垣間見られる経営者の思考であ
り、思想です。その発見はその会社の出版物にストレートに反映できるシロモ
ノではなかったので、自分で手っ取り早く「媒体」を作ろうと考えて行き当た
ったのが、黎明期のメルマガでした。
このメルマガなるものの発行のために、当時の私個人では全く必要もなかっ
たホームページも立上げました。結果的にパソコンも買い直すことになりまし
た。えらく苦労はしましたが、詳しい友人の協力で、なんとか発行に漕ぎ着け
ました。今でも、まぐまぐの発行者パスワードには彼の名が含まれています。
最初は、まさかこれほど続けられるとは考えておらず、100話も続けば“御
の字”であろうと言う短絡的発想から、「100話完結を目指して」などと言っ
ていました。30話ぐらいの頃には、本当に100話なんて考えつくのだろうかと、
先行きに不安になることもありました。しかし、サラリーマンから契約社員と
言う形態を経て独立し、中小零細企業経営者の悩みに、踏み込めば踏み込むほ
ど、書き留めておきたいネタは湧き上がります。
実践的情報が満載の内容でもないので、せめて、読者の皆様に対して、自分
で決めたことは守ろうと、タイトルの体現止めのみならず、毎月10日・25日
の発行は(まぐまぐのサーバ点検で延期された、たった一回の例外を除いて)
継続して参りました。独立後、(自分の名前も明かし、)自分のPR媒体の役
目もメルマガに負わせて以降、クライアント企業の担当者や友人・知人が読者
に増えて、楽しみに読める「頻度の高い近況報告」と感じて頂けるようになり
ました。つまり、ネタが続く限りは、特に完結させる理由も失われてしまった
のです。
創刊以来の足掛け5年間に、多数の感想を読者の方々から頂けたこと、そし
て、お会いする読者の方々が、私が編んだ言葉をメモし、復唱し、味わって下
さったりすること。この手応えが、当コラムを100話に到達させ、そして、そ
の後も継続させて下さる力となっているのは間違いありません。永年の読者の
方々には、心より御礼申し上げると共に、今後とも私が続けられる限り、ご愛
読を賜れます様、お願い申し上げます。
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5 ぴよ1号様が選ぶ「ソリアズ・ベストテン」
* 発行者より一言 * * *
ぴよ1号様は、
『ここが常識破り!』(http://www.mag2.com/m/0000115585.htm)
と言う(今は不定期の)メルマガの発行者で、もともと昨年の9月に相互広告
の申しこみを頂き、その後、たびたび連絡を取り合っております。いつもの如
く、相互広告は、その理由を綿々と述べてお断りしている私ですが、ぴよ1号
様は、ソリアズのバックナンバーを全て読み、その全てに感想を送って下さる
“情熱的読者”でもいらっしゃり、各々自発的に広告を打ち合っている(?)
間柄となりました。今回は、大変な労力を投じて読破して下さったソリアズの
ベストテンを紹介して頂く様お願いしてみました。
* * *
第1位
「享受の資格」(第71話)
「本当の友に巡り会うためには、その必要を痛感するほどにまず自分が何かに
取り組まねばならないと言う教えとも解釈できる。」(引用)
襟を正す思いがしました。これを読んで、自分の人生が引き締まりました。
よって堂々の一位にさせていただきます。
第2位
「手中の藁蘂(わらしべ)」(第80話)
「私はカナヅチである。溺れたら縋る藁蘂もか細い。しかし、それを握ったか
らには、私を知る人にそれを必死に見せ歩き、蜜柑や反物に変えようと思って
いる」(引用)
ソリアズの底に流れる観念を代表しているように感じます。表現もかっこい
いので、好きな回です。
第3位
「果てしない戦地」(第76話)
「ネット上に限らず、現実の商売でも、もともと占有できる市場の存在さえ怪
しいのではないかと、今は亡き恩師、小谷喜八郎先生による店舗差別化の記事
を読み返して思い至る」(引用)
自分は持っていない視点であったと同時に、己で市場を創設するという勇気
が湧いた作品です。
第4位
「ヤマアラシの営業」(第50話)
「「顧客は研究家」と想定すると、研究家の顧客が集まる。白痴と想定すると、
白痴が集まる」(引用)
近寄れば互いにただでは済まない事業を、私も選びたいと思いました。
第5位
「溢れる循環財」(第37話)
「「ありがとう」と言われなければならない人もそこら中にいれば、「ありが
とう」と言われたい人もまたそこら中にいる」(引用)
タイトルがすばらしいですね。なかなかこのタイトルはつけられないと感服
しました。
第6位
「コアの形成」(第49話)
「もしかすると、コアは周辺を削ると見つかるのではなく、周辺を作るからで
き上がるものかもしれない」(引用)
その通りだと思います。最近のコアブーム(笑)に一石を投じる回だと考え
ます。
第7位
「割切れる性」(第94話)
「自分が考えつかないことに思い至らせてくれなければ、補完し合えない。私
は、ここ一番の仕事を頼む先の選考に際しては、真剣な目つきの女性が担当を
してくれることを一つの評価ポイントとしている。」(引用)
補完することの重要性をわかりやすく表現された、優れた回だと思います。
第8位
「静態視力」(第25話)
「テレビで注意してみていると、円高に振れたときと円安に振れたときで、私
には全く同一に聞こえる理由をアナウンサーが読み上げていることがある」
(引用)
鋭い観察力、定点観測の数字だけではないという洞察力に感嘆しました。
第9位
「心の捏造」(第86話)
「信用第一」でも「顧客本意」でもなく、悩まれた末に、「直通電話」のスト
ラップを選ばれた市川氏の含羞、その感覚が好きです。
第10位
「面白くなる設定」(第27話)
「ただ、努力したり、勉強したりすれば、それは変えられるし、その方が面白
くなることがあるもんですよ」(引用)
「出荷時設定」をいかに面白くしていけるかは、自分にかかってるのだと、心
を新たにした作品です。人気の高い作品ですよね。
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メルマガという媒体の最大の特性は、書いたものを瞬時に読者に送ることがで
きるということであろう。雑誌や書籍などでは、編集工程の関係でこうはいか
ない。メルマガは、完成した段階ですぐに読者に届けうるため、ある意味、ラ
フな構造を身にまとったものが、多く見受けられる。
そのラフな環境において、月2回配布される(あえて、配布と言いたい)、ソリ
アズは、ふんだんに書籍の香りのする格調高いメルマガと言える。最初にソリ
アズと出会ったときに、1回1回に膨大な時間がかけられているであろうこと
を感じ、胸が熱くなり、涙が出そうになった。
大げさに言うと、近代美術館をポップな気持ちで歩いていたら、ふと、ルーブ
ル美術館に迷い込んでしまったような、そんな感じだった。創刊号から一気に
読みふけった。爆笑と真顔を交錯させながら。
練りに練ったタイトル、熟成の美学、また市川氏のダンディズムと含羞、いろ
んな面を垣間見ることが出来た。書籍の香りのするメルマガと書いたが、ソリ
アズが出版されたら、書店に走る時間も惜しんで、アマゾンで注文するであろ
う。
「☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。」
(引用)
との記述が2000.9.10 第22号から毎号登場する。
ひょっとして、この記述がなくとも、あまたあるメルマガのなかで、一番印刷
率が高いのではなかろうかと推測する。それほどまでに中身が濃く、読者は魅
了され、その感動を繰り返し、むさぼりたくなる。
私は、着眼力をいかに鍛えるかということを日々、自分に課している。着眼力
というコアを鍛えるために、まず、周辺の知力を充実させながら、コアの着眼
力とリンクさせる試みを日々続けている。
着眼力は、ジャンルを超える汎用性を持っていると、私は確信している。ソリ
アズで教わったことが自分の根底に静かに流れている気がする。
これからも、何周年も末永く、書籍の香りを漂わせていただきたいと切望する。
市川節の炸裂で、少しでも世の中がまっとうになることを楽しませてください。
100号おめでとうございます。
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6 山本倫儀 様 寄稿文章
* 発行者より一言 * * *
山本倫儀氏は、知り合ってから、もう3年ほど経つ、私の仕事のスタイルを
この上なく熟知した年下の友人です。彼の仕事、人材紹介は、「買うのも、売
るのも、商品も、みな『ナマの人』」であり、その人材の人生を造るプロセス
そのものであるので、油断ない配慮が取分け求められる仕事であると私は思っ
ています。私のそのような見方に非常にマッチした「いい仕事」をする彼に、
いつも読んでくれているソリアズの感想を頼んでみました。
* * *
市川さんとのお話しの中で、心に残り、何かのときにふと思い出す言葉が幾つ
かあります。
「ウソはつかない」
これは聖人君子のように振舞うということではなく、できることはできる、で
きないことはできないと明確にするということです。仕事に対する取り組み方
を尋ねたときにすぐさま言われた言葉でした。
「事実は作られる」
仕事を進めていく中で、自分の理想とするゴールと現実とのギャップに悩むこ
とはよくあるでしょう。時間・お金・自分の能力・交渉相手の性格などゴール
の途中には到達を阻む様々な要素があります。しかし到達したいのならば、ど
こかにある正解への道を見つけ、意図して(悪いことをするという意味ではな
く)事実を作り出せることに気づかせてもらいました。
「無知の知」
ソリアズの質が保たれているのは、ずばり、自分が知らないということを知る
「無知の知」の信念が、市川さんに強くあるからでしょう。
市川さんほど物事を知り、またそれを伝える方法を熟知している方から、「無
知の知」という言葉を聞いたとき、自分が「わかった」気で日々、話していな
いかと不安を覚えた記憶があります。
市川さんのお仕事は、業務系対人コミュニケーション企画請負業ですが、まさ
に、看板に偽りはありません。相手の言葉のレベルに合わせ使用する言葉を変
えることは、実はとても難しいことです。難しい言葉ばかり並べたために、聞
いているフリをされたり、スムーズに会話に挿入された諺や四字熟語の意味が
分からず「こんなことも知らないのか…」とネガティブな印象を与えることも
ありません。
私は現在人材紹介という転職を仲介する仕事をしているため、人事部並びに経
営陣の方や転職を希望している方双方と話す機会が多くあります。そこで相手
が言いたいことを正確に聞き出し、こちらが伝えたいことを正確に述べるため
に先程の「相手の言葉のレベルに合わせる」ことを試みていますが、まだまだ
市川さんのレベルには達していません。
これからも言葉を大切にしていない人や、世間から与えられた情報のみで、自
分の頭で考えることを放棄した人などに一石を投じるソリアズを、一読者とし
て楽しませていただきます。
最後になりましたが、100号おめでとうございます。
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7 あとがき
やっと、100話を皆様にお届けする本日。この日までの4年間に色々なこと
がありました。まず、独立したこと。娘が産まれたこと。家を買ったこと。そ
んな変化を通過しながらも、変わることなく、ソリアズと言う愛称まで付けら
れるメールマガジンを発行し続けられたことを嬉しく思います。
以前も書きましたが、80話ぐらいを書いている時に、100話が突如現実味を
帯びてきました。そして、そんな時に、ふと名刺の平和堂の社長様に作って頂
いている自分の名刺を見ると、「『経営コラム SOLID AS FAITH』発行中!」
と書かれていました。まとめて大量注文したので、あと3年ぐらいは使いきり
そうにありません。自縄自縛の愚行かもしれませんが、それほどまでに、ソリ
アズは私の日常にもなってしまっているということなのだと思います。
私の何かの力が大きく失われない限り、そして、毎月届くソリアズを仄かに
期待して下さる読者の方が存在する限り、見聞きするものを文章化する私の日
常の営みを継続してみようかと思っております。是非、今暫く御付き合い下さ
い。御楽しみはまだまだ続く筈です。
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告: 第101号 虚弱な悪手 (4月10日発行)
節目を超えて心機一転することもなく、今まで通り、経営者の気持ちに真っ
向取り組んで見たいと思います。101回目の話は、引退が迫った経営者の「会社
を成長させる機会をどこで逸し、なぜ、できの悪い会社になったか」と言う問
いに答えてみました。ご期待下さい。(完)