064 犬の記憶 =価値の媒体=

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経営コラム SOLID AS FAITH 第64号
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ご愛読ありがとうございます。第64号をお届けします。

今号と次号は、『価値の媒体』シリーズと題してお送り致します。ソフト化
による付加価値作りと言う考え方が浸透しているように見えますが、その割に、
それが人の記憶をバトンにしてリレーのように伝えられていくものだと言うこ
とは忘れられがちです。

価値を伝える記憶の質や深さ。それをコントロールすることができれば、付
加価値はより多くの人に伝える事ができるでしょう。その方法について考察す
るのが、このシリーズの狙いです。お楽しみ頂けましたら幸いです。

前2号に続き、超デフレ対応型価格体系の弊社サービスの一部を巻末でご案
内致します。今回は既存の研修業者にまる投げして「やることに意義がある」
状態の研修の運営を見直し、効果が見えるように変えたケースの紹介です。ご
関心を賜れましたら、是非ご一報下さい。

また、コラムへのご感想・ご意見もお待ちしております。
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その64:犬の記憶 =価値の媒体(1)=

近隣の犬が吠える。通勤のルート上のその家の敷地の中で放し飼いの犬は、
柵越しに公道の通行人に向かって吠え、飼い主もそれを容認している。もう十
年以上も前の夏の日、飼い主も家の庭にいるところへ通りがかり、犬が吠えた
てると同時に、私はうずくまり、苦悶の表情をして見せた。そして、何やら動
転し始めた飼い主に向かって、「お宅の犬に吠えられて、何か心臓の調子が。
苦しい」と言ってみた。以降、二度と犬を見ることはない。

つい最近、私のクライアント企業のマネージャーが飼っている小型犬のつが
いのかたわれが、隣家の大型犬に散歩中に噛み殺されたと言う。丁重な謝罪と
ともに金銭の賠償はあったらしいが、彼は今だ不如意である。彼が、「『吠え
る犬エキスパート』のおまえだったら、どうする」と尋ねてきた。

「私なら、賠償は一切受取らず、その大型犬と残った犬を交換するよう要求し
ます。犬は連れ合いを殺され、ショックを受けました。新たなパートナーを買
い与えるも良し、抱いて寝るも良し、ただただその犬を幸せにしてやってくれ
とその家に渡します。こっちが貰う大型犬は慣れずに噛みついてくるかもしれ
ません。憎悪がありますから、成り行きによっては、麻酔の一つもして、鋭利
な牙を折り取ります。躾に棒で殴ることもあるでしょう。それでもいつか情が
湧いてきて、その犬を愛せるようになることでしょう。隣人ならなおのこと、
マイナスの記憶を乗り越える価値はありませんか」

「さすが、予想通り、予想できないことを言うよな、おまえは」とマネージャ
ーは溜息をつく。この場に居た者は、どこかの飼い犬を見かけるたびに、私の
ことを思いだし、私のことを口にする。かくして、私のことを伝え聞いた人間
は鼠算的に増えて行く。

価値が人それぞれの認識によってできるものである限り、記憶されなくては
価値も出ない。記憶されなくては差別化もできない。そして、差別化が排他で
ある限り、敵も生み出されねばならない。

「付加価値を作れ」、「感動を売れ」、「モノよりコトだ」、「飽和市場には
差別化だ」。中小企業の叩き上げ経営者までが、マーケティング関連の記事や
本の受け売りか、こんなことを言い出すようになる。その割には、「記憶され
ること」への執着が全く感じられないままに売られ、悪名悪評を厭わぬ個性も
ない、そんな商品が多いのはなぜだろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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社内で決定し、それに従って可能な限り社内で運営が完結する研修作りをお手
伝いしています。

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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)

下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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次号予告: 第65号 桜の記憶 =価値の媒体(2)=(9月25日発行)
「価値の媒体」シリーズの第二弾。エピソード性を用いて、人の記憶に価値を
植え付けること、そして、それを伝播するように仕掛けることに関して考えて
みます。ご期待下さい。