428 シャドウボクサー

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経営コラム SOLID AS FAITH 第428号
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 ご愛読ありがとうございます。第428話をお届けします。

 当コラムも今年の発行は今号を含めてたった3号となりました。深夜の渋谷
のハロウィンの狂乱と喧騒を自転車で見回ってきてからまだ1ヵ月も経たない
のに、街はクリスマスの装いになってきました。昨年からお仕事を戴いている
ケーキ店ではこれから3月にかけて書入れ時が到来し、時々お邪魔する料理店
では年末数日の不眠不休の御重の仕込み作業が始まると聞かされました。

 弊社では、なぜか次々と物書き仕事を頂戴できています。時間をかけて文章
構成を何となく熟成し、期限が迫ってくると一気に書き上げるという、一見プ
ロっぽいものの、よく見ると夏休みの小学生の宿題のような、場当たり的作業
ですが、何とか特にやり直しがかかる訳でもなく納品させて戴いています。一
方で、以前から少しずつ予告していた弊社サイトの大更改もとうとう正念場で、
いよいよお披露目となります。
 
 PR欄はハロウィン当日に発行して以来、ぽつぽつと行く先々で感想をお聞か
せ戴ける18周年記念特別号の紹介を微調整・再掲致しました。是非、リンク先
の文章をお楽しみください。これから起業する方も起業したての方も、何かの
気づきに至るかもしれません。
 
 今号は『シャドウボクサー』と題してみました。まさに「シャドウボクシン
グをする人」というまんまの意味で使っています。若手人材の就労に対する動
機付けの方法が全く分からないというお話をよく伺いますが、その実、対象の
若手人材の観察や分析が全くなされていないケースも非常に多いように考えま
す。人口減少社会でも都市部ではいくらでも目にすることのある若手人材。そ
の観察や分析の機会はそこここに散在していることを描いてみた内容です。本
文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお
返事の目標納期は5営業日!!

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その428:シャドウボクサー

モデル別スタッフ在籍管理表と名付けられた表を、私と常務の二人各自手にし
て、「う~ん」と考え込むこと数分。店舗のアルバイト・スタッフを、正社員
採用希望の男性、男子学生、フリーター女子、主婦などとモデル分けして、そ
の各々に該当するスタッフの在籍数と退職数・新規入社数が月別に示されてい
る表を、私はそう名付けた。

やはり一番辞めやすいのは学生。採るのも比較的楽だが逃げ足も速い。フリー
ター女子の在籍数に対する退職総数は多くないが、辞めるときは一人では終わ
らない。友達感覚で働ける職場が魅力なので、一人が倦怠に嵌ると周囲にもす
ぐ伝染するようだ。小さい子を保育園や幼稚園に預ける費用をほんの一部負担
するのと、シフトを比較的柔軟にきめることにすると、主婦が感じる職場の価
値は高騰するようで、手堅い。正社員に成る夢を叶えるために、ちょっとやそ
っとでは動じない男性スタッフもかなり頼れる。

私が、主婦と正社員希望男性の比重を引き上げてスタッフ確保状況をもう少々
安定的にするように提言すると、常務は、「ああ。妥当な判断なんですが、主
婦は遅番に入れないし、30過ぎの男性ばかりでは店に華がなくなるんですよ」
と悩みこむ。では、フリーター女子を辞めさせない施策の実現が、最優先課題
と結論付けようとすると、常務は「それが、このお年頃のおねえちゃんがたの
嬉しいことが、バリバリに分かる人間が管理者や正社員にいなくて困っちゃう
んですよねぇ。残っている子はいるから、面談でもしなきゃダメだなぁ」とさ
らに悩みこむ。じゃあ、どうしますかと私は尋ね返した。

酒もたいした飲めなく、飲んでも酒自体がおいしいと感じることも殆ど無く、
酒を飲んだ高揚感が好きになることもない私は、キャバクラに自ら行こうと思
ったことが一度も無い。或る日、勉強会の打ち上げの流れで、社員達が行くか
ら市川さんも行きましょうと、勉強会のまとめ役の課長に言われて、人生で何
度目かのキャバクラに行った。キャバクラ勤めの経験がある女子大生は、就活
では引っ張り凧だと何かで読んだ。なるほど。話が上手で、今時の若い子の日
常を色々と教えてくれる。

ボックス席で暇だったので、彼女ら二人を席の端に隔離して、テーマを「今度
の日曜に一緒にどこかに行こうか」と設定して極力普段のように会話してもら
った。言葉遣い、表情、目を落とすスマホの画面。おじさんの学びが溢れる。
こんな発見も手掛かりにはなる。

価値観の多様化が世の中で指摘され始めて久しい。サブカルチャーも島宇宙社
会も全く新しくない。それでも、知るために乖離を乗り越える方法が見つから
ず、途方に暮れているクライアント企業はかなりよく見つかる。
 
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第429話 『言い訳の紙片』 (12月10日発行) 
 中小零細企業の幹部としてやっていく上で必須の資質があると考えられます。
その一つについて、具体的な事例で考えてみました。

(完)