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封切の翌日の晴天の土曜日の深夜、12時30分の回を歌舞伎町方面の映画館に観に行きました。既にだいぶ慣れたので、普通に自転車で乗り付けて、地下の駐輪場に置いてきて、映画館に向かいました。三週間の限定上映ですが、5月はかなり夜の予定が詰まっている日が多いため、見逃さないために、私にしてはかなり珍しく、封切から間もない鑑賞となりました。
混雑でチケットが買えなくても困ると思い、比較的行きつけているバルト9でもやったことがないネットの事前予約を行ないました。深夜まで上映をやっている土曜日の今日は1日に8回もの上映が行なわれています。しかし、全体での上映館は非常に少なく、都内でもたったの6館。23区内では5館しかありません。106分の作品で第一部より1分長くなりました。
シアターに行ってみると、全部でたった10人ぐらいしか観客がいませんでした。基本的には若い層ですが、2、3人、私ぐらいの年代の男性もいました。第一部から待ちに待って観た感じですが、全然期待を裏切らない、と言うよりも、ほんのちょっとだけ良い方向に期待を更に裏切る出来栄えでした。
「良い方向の裏切り」の最大のポイントは、ストーリーがコミックと微妙に乖離し始めたことです。コミックでも、クライマックスの一つであるグラント製薬への攻撃方法が全く変わっています。主人公の圭を村人がチクるプロセスも、彼が村から脱出するプロセスもコミックとは異なっています。そして、オグラの死亡の調査に米国国防省が立ち入り調査を行なおうとするなども、コミックには無い設定の筈です。
さらに、セリフも微妙に異なってきており、たとえば、ドラム缶詰めにされる消防士の亜人は、私が記憶する限り劇中で「消防士」と名乗っていないように思います。このような変更は、あと一作で、何らかの物語の決着に至らねばいけない関係故のことだと思いますが、コミックと乖離し始めても、面白さが消えないのですから、映画そのものの面白さが十分ある証左だと思います。
※前回の第一部は、あまりにコミックのまんまで、映画作品が面白いのか原作の魅力がただそのまま反映されているだけなのかが、自分の中で判然としませんでした。
そして、もう一つ大きな魅力は、大好きな下村泉の活躍場面は増えていることです。ただ、コミックで私が注目する、彼女が亜人と発覚するまでのエピソードや、「クロちゃん」発見のエピソードは、このペースだと、残り一作の劇場公開作の中に含められる余裕がなさそうです。
つい先日、コミックの第八巻の、初回限定版のDVD付のものを買いました。DVDに収録されているのは、ヘルメットの中に残された頭部が印象的な中村慎也事件です。コミックには次巻以降もDVDが付録で付くようなので、もしかすると、下村泉の過去も一つのテーマになるのかもしれません。
他にも細かなポイントでは、コミックでは理解できなかった幾つかの短いセリフの主が分かったりするのが楽しい経験です。そして、パンフに拠れば、凝って作られているというIBMの動きは(前作以上に見せ場が多く、)素晴らしさが際立っています。ただ、全体のキャラの動きで見ると、『009 RE:CYBORG』のように、ぎこちなさが気になるのは変わっていませんでした。残念と言えば残念なポイントですが、トータルのプラスポイントが膨大にあるので、全然気になりません。
作品自体は素晴らしく、パンフ以外にクリアファイルや下村泉のキーホルダーを買ってしまうほどで、現状全く出る気配のないDVDも出たら絶対に買いなのは間違いありません。ただ、一つだけ、作品以外で非常に不満な点があります。
それは、上映館のオペレーションです。
Tシャツが売っていたので、買おうかと思ったのですが、私は黒系でバックプリントがあるTシャツが好きで、それ以外は極端に魅力がうせます。ところがビニル袋に入っていて、背面が見えないので、グッズショップの店員に尋ねてみました。すると、二人係で、各種のカタログのようなものをめくり始め、さらには、事務所かどこかにまで消えて、何かを調べまくっていたようで、10分近く待たされました。待たされて、自分の件が今でも扱われているかさえよく分からなくなってきたので、1m離れていない棚の所で他のグッズを見て暇をつぶしていましたが、なんと、戻ってきた店員は私が認識できず、右往左往を始めたのです。結論は「あのー。背中は真っ黒のようです」で、「すみません」でも何でもありません。
以前、新宿ピカデリーで「STOP! 映画泥棒Tシャツ」を購入した際にも同じシチュエーションが起きましたが、30秒かからずに決着がつきました。単純にビニル袋のテープ止めを剥がすことなく、店員が隙間から裏面をちょっと出して確認したからです。なにかこう、つける薬のないレベルのオペレーションのまずさが窺えます。
おまけに、待たされて暇なので、グッズショップの棚にあった亜人のマグカップを見ようと思ったのですが、薄暗いロビー内で棚の照明も十分ではなく、おまけにゴールデンラインなどない低い棚なので、非常に見づらく、サンプルを手に取ってみようと思いました。サンプルはプラスチックの透明なケースに入っているようでしたが、実は透明ケースはケースではなく、底のない円柱状の覆いでしかありませんでした。持ち上げたところ、奥行きの浅い棚からマグカップが落ちてしまいました。
慌てて拾って、破損のないことを確認し棚に戻しましたが、ロビーの警備員が速攻駆けつけて来て、「手に取ることになっていないんですよ。そういうことはしないでください。そうです。戻しておいた方がいいです」とか意味の分からないことを上から目線で注意してきたのでした。私の記憶の限りでは、特に手に取るなと言うPOPなどもなかったように思います。何様か問えば「警備員様」なのでしょう。
この警備員の態度は、あちこちでおかしく、ロビーのトイレの入口から2m近く離れたところで、「トイレ内で長く居続けるのは、おやめください。ウンヌンカンヌン…」とトイレ内の人間に向かって叫んでいました。多分、脇のモニタで『亜人』の銃撃シーンがガンガン流されていたのに感化されて、トイレ内で注意すると撃ち殺されると思ったのかもしれません。なぜ、その立ち位置で、そんなことを叫んでいるのか他に全く想定し得る理由がありません。
さらにこの警備員の奇行は続き、自分の活動報告をマネージャーらしき男性にロビーのど真ん中でしているのです。腹立ちついでに、この報告のすぐ後ろに立って聞いていましたが、「寝ている方が起きないので、私は…ウンヌンカンヌン…」とクドクドと報告を続けていました。この男の眼には、ロビーにいる人間は客ではなく、犯罪者予備軍に見えているように感じられます。
チケットカウンタとグッズショップの前には君津迷路のミニチュア・シミュレーションかと思えるほど、ベルト・パーティションが、誰一人として並んでいないのに張り巡らされたままです。何のためのベルパー(業界用語の「ベルト・パーティション」の略です)なのか分かりません。
通常、世の中の商業施設では、人の多さに合わせてベルト張ったり外したりするのがベルパーの使い方です。忙しくてそのような作業ができないのかと思ったら、カウンタ内では「●●さんも、最近よく分かってきたね。レジの■■はねぇ…」などとゆったりまったりOJT中でした。なかなか楽しい人々です。ベルパー管理で言うと、バルト9を10点とすると、ここは3点にも及ばないのではないかと思います。ベルパー管理作業診断士と言う免許を取ってから詳しく分析してみたいぐらいです。
シアター入口の清掃員もなかなか面白さでは負けていません。観客がトイレに入ろうとしているのに、トイレ入口でお客様を通そうともしないで、ボーっと突っ立っています。おまけに廊下のど真ん中で「おれがあっちやるんだっけ」とか他の清掃員に尋ねたりしていて、聞かれた側も「んーと。どうだったっけなあ」とか応じています。畑の真ん中に二人しかいない農家の会話のようです。
ちなみに、この劇場のドリンクホルダは、他の映画館とはかなり異なる形状で、突起状の足が出ています。ここで支えるようになっているのですが、これを持ってトイレ行くと、この足の配置がはまる棚がありません。床に置けと言うことなのか口にくわえて用を足せということなのか、具体的にステッカーか何かを貼っておいて指示していただきたいものです。
正気の沙汰を疑うようなオペレーションが次々と繰り出されるワンダーランド状態です。ちなみに、店の質が客の質を決めるというのは、B2C商売では結構常識です。道理で、シアター内の中国人カップルがベチャクチャミチャクチャと小声で上映中も話し続ける訳です。
あと、最低一回は『亜人』を観に行かなくてはならないのが非常に残念です。グッズショップの店員が、パンフやらグッズを買ったら、「第三部の前売券はいかがですか」とここだけは目が覚めるような抜け目なさで薦めてきましたが、この映画館にまた来ることを想像するだけで気分が悪くなるので、固辞しておきました。