356 浸透膜の内側

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経営コラム SOLID AS FAITH 第356号
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 ご愛読ありがとうございます。第356話をお届けします。

 三重県の或る商工会の建設業部会様から人材採用や育成に関するセミナーの
依頼を頂戴しました。弊社では既存のお客様関係のお仕事以外で、単発セミナ
ーのご依頼を積極的に獲得するような活動を展開しておりませんので、かなり
唐突感がありました。

 弊社代表をコンサルタントと誤解になって、何らかの定番のお話をご要望で
したので、そのような用意は企画請負の零細事業者には存在しないことを説明
申し上げて、ご依頼内容の具体化をお願い致しました。セミナーの実施は一応
決定致しましたが、その場で参加者の方と一問一答をアドリブで展開する“座
談会”的展開でも良いかもと考えております。PR欄に弊社のセミナー企画の受
注に関する考え方を紹介致しました。是非、ご高覧下さい。
 
 今号は15周年記念特別号の内容にもある構造主義の考え方から、お客様や社
員などの胸の内の実態について考えてみた内容です。15周年記念特別号の内容
と併せてお楽しみいただけましたら幸いです。本文に対するご意見・ご感想を
お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その356:浸透膜の内側

 どうも価値観だの判断だの考えだのが怪しいと思えてくるようになった。多
くの科学的法則と取り敢えず思っているルールは、仮説であって、飛行機がな
ぜ飛ぶのかさえ、今尚よく分からないとは有名な話。働いていると言う揚力も、
その実は、そのようなものがあると考えれば辻褄が合うというだけに過ぎない
のだと、多くの書籍に書かれている。端的に言うと、都合が良いからそのよう
に思い込んでいるだけと解釈できる。
 
 アンケート調査で本人達が述べた消費者行動のあり方は、かなり事実と異な
っていることがある。感情マーケティングの原理には、そのような前提が横た
わっている。お客様に限らない。「給料が安いのが耐えられない」と言って退
職した社員の転職先は、さらに薄給だったりする。社員の言うことも全くあて
にならない。
 
 欲得づくや体裁・体面を気にした結果なのかもしれない。しかし、それらは
みな意図的な判断の結果と受け止めるべきだろうか。それらが意図的なら、意
図的にことを進めない人々がいるとして、その人々の自己認識と行動は一致し
ているのだろうか。ここでもまた、人間は都合の良い説明を持ち出して、分か
らない自他諸々をしたり顔で語っているだけではないのか。分からない自他
諸々は、私たちの考えらしきことと無関係であるのなら、それはどうやって決
まっているのかとても関心が湧く。
 
 内田樹の『寝ながら学べる構造主義』を楽しく読んだ。マルクス、フロイト、
ニーチェなどの背景からソシュールが登場し、四銃士と著者が呼ぶ、フーコー、
バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの思想が簡潔に素人にも分かりやすく描
かれている。構造主義の主張とは、詰まる所、自己決定などと言うものはかな
り怪しく、本人の外部に既にある社会構造など、何かのメカニズムによって人
間と言うものは決まってしまっていると言うことらしい。
 
 大学を卒業するとき、とても学生の評価に厳しいことで有名だったマーケテ
ィングの教授は、別れ際にほんの少しだけ微笑んで言った。
「君は普通のアメリカ人の学生が大学で学べること以上に学んだ。けれども、
それは、君のポケットに納まったんじゃない。これから長い人生で色々なもの
を入れるポケットがたくさんついた服になった。これから、ポケットにたくさ
ん詰め込める人生を歩みなさい」。

 厳しかった先生からの言葉が心に沁み、とても嬉しかった。しかし、この言
葉でさえ違っていたように思える。構造主義に依っても、そして、周囲の人々
を注意深く観察しても、ポケットがついた服を着ている人間はいない。色々な
周囲のものが、染み込んだり、勝手に転がり込んだりしたポケットそのものが、
人間であったようだ。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

建築・土木業界の人材採用・人材育成がお題のセミナー
来年1月後半に開催予定!

ネット経由で三重県のとある商工会から
地元の建築業・土建業の経営者に対して
人材採用・人材育成をテーマとする
セミナー講師の依頼をいただきました。

以前、提携事業者の“会社の現場監督”市場真理子氏が
弊社に依頼して実現した建設関係団体でのセミナー内容をもとに、
同様のセミナー開催のご要望です。

弊社代表の市川をコンサルタントと誤解されて、
定番の話をご要請でしたが、
企画請負事業者には、そのような定番ネタは存在しません。
要請ごとにゼロから創り用意するのが企画請負業者です。
先方にご希望の内容を絞り込んでいただくこととし、
現在、その結果のご連絡をお待ちしている状態にあります。

『中小零細企業は大卒新卒採用に取り組むべし』でも、
『中小零細企業は自社採用の道を捨て、人材会社の活用に邁進すべし』でも、
『中小零細企業は、いっそ悉くNPO化すべし』でさえ、
ご要望に応じてネタを揃え、お話できるのが、企画請負業者です。

「美はそれを見る者の目に宿る」と言いますが、
“美”だけではなく、“愚”や“苦”も“快”も、
皆全部受け手次第であるはずです。
それであれば、同じ状況を見ても、
多様な解釈や手立ても本来可能である筈です。

当然その多様な解釈や手立てが、
セミナー聴講者各々で異なっても構わない訳ですので、
セミナーの話の流れを決めず、
その場で中小零細組織運用に関わる
完全アドリブ一問一答“座談会”の開催も全く問題なく対応できます。

そのようなスタンスで、
ご要望のテーマのセミナー内容も用意致しますし、
ご要望の枠の中の経営課題解決案も柔軟に企画致します。

中小零細企業の人と組織に関わる課題についてのご相談
何でも承ります。
お気軽にご一報下さい。
 bizcom@msi-group.org

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『本当に強い会社を作るための新常識』 野村宜功 著
■『脳内麻薬』 中野信子 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第357話 『続・執着の表現』 (12月10日発行) 
 個人情報のビジネスへの活用が止め処なく進んでいきます。約14年前に公開
された第31話『執着の表現』が扱っていた個人情報への執着の先を描いてみま
した。ご期待下さい。

(完)