355 分別づくり

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経営コラム SOLID AS FAITH 第355号
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 ご愛読ありがとうございます。第355話をお届けします。

 内容が濃いと下読みにご協力戴いた方々から評された15周年記念特別号は、
とうとう先月末日、無事に発行できました。長年の読者の皆様のご愛顧の賜物
と思っております。心より御礼申し上げます。

 大山倍達からスティーブ・ジョブズ。構造主義に超常現象。さらに、催眠や
ら洗脳やら。PR欄にも再度案内致しましたが、色々と盛り沢山に詰め込んで、
本文全9章とあとがきを鎖のようにつないで、“無意識の塊”である人間の本質
について考えてみました。お楽しみに戴けましたでしょうか。

「35歳から40歳の間に独立して、引退まで約30年間の社長人生…」などとよ
くクライアントの経営者と話していますが、仮に私もそのほんの端くれだとす
るなら、15周年は丁度折り返し地点です。そのような感慨はほとんどありませ
んが、少なくとも、このメルマガの大きな節目に当たって、人間の脆さと深さ
の両方に考え至る長い文章を、紛いなりにも完成させられて安堵しております。
 
 今年も今号を含めて、たった4号の発行を残すのみとなりました。今回は『分
別づくり』と題して、経営課題などを人間が認識するためのモノサシやメガネ
について考えてみました。扱いテーマ自体珍しい論点ではありませんが、企業
の現場の最前線においても、“ことば”によって社員の認識が作られ、“こと
ば”によって社員の認識が縛られている様について、一緒に一時お考え戴けれ
ば幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご
感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その355:分別づくり

 重たい教科書や、目が眩むほどにびっしりと細かな数値が並ぶプリントアウ
ト、そして、要点や考え方を自分なりにまとめたノート二冊を抱えて、週に一
度、クライアントのパチンコ店の店長を尋ね、レクチャーを聞きに行く。自分
自身が全くしたことのないパチンコの利益計算方法について、全四回で習う計
画。学習効率を考えて、前半で勘所をすべて説明してもらい、ノートをまとめ
て、後半の二回で問題の解法やその他の疑問点について解説してもらうことに
した。
 
 パチンコ店のクライアントを持つようになって四年。それまでずっと私は
「お客さん」や「来店客」と呼んでいた人々が、教科書を読んでから、店長や
管理者と同じ「遊技者」や「遊技客のかた」に変わった。メールの漢字変換が
遊戯となってしまうのをチェックし直す癖も早々についた。
 
 パチンコ店は遊技客に玉を貸し、それを打って貰って収入を得る。貸玉一個
四円(内税)。遊技客が長く店に留まれば、収入は上がるかと思いきや、当
たった報奨として得る「出玉」を再投資するケースが増えるので、長くいてく
れることが利益率を圧迫する。この業界で「客滞率」と呼ばれるのは、打った
玉のうち、出玉で賄われた割合を指す。
 
 或る時、店内会議で私が一日の遊技客数を尋ねたら、店長以下、皆が分から
ないと言う。一日、台がびっちり稼働したとして、それは何人の遊技客によっ
てそうなるのか。つまり、遊技客の平均遊戯時間はどの程度なのか。この概念
がパチンコ店にはないことに改めて気づき、驚いた。現状の仕組みで計測でき
ないことは認識されにくい。
 
 閉店後、POPなどの販促物を明日の営業に向けて取り替える作業が、店内の
あちこちで開始される。作業の改善点を探る仕事もお引き受けしていて、事務
室のモニターで作業全般を俯瞰して、気になる作業は、その都度現場に行って
観察した。終了後、会議室に集まってもらって、作業の改善点について意見を
求めてみた。当り前に普段行なっていることに、懐疑はなかなか湧き難い。
 
 工場を持つクライアントの書棚から借りてきた「ムダとり」のブックレット
を見せ、「運搬のムダ」、「動作のムダ」、「停滞のムダ」について具体的に
身振り手振りもオーバーに説明してみた。「それで、自分が今日やった中で、
何か無駄な作業って思い当るかな」と尋ねると、あっと言う間に20項目以上も、
「なるほど」と唸らせられる改善ポイントが挙げられた。口々に「あれも、運
搬のムダってことかなぁ」と言い合うスタッフの表情が活き活きとしている。
 
 最近の経営書にはやたら聞き慣れない用語が使われていて辟易していたが、
理解促進のための用語定義は、仮にその場で適当に行なっても効果があるもの
と合点した。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

満を持して、とうとう公開!
『経営コラム SOLID AS FAITH 15周年記念特別号
 Congenital Auto-cruisers(先天的自動操縦装置)』

華道・茶道などの“道”の学びの世界観。
構造主義。
人間を司る無意識。
変性意識に直接指示を書き込む催眠技術。
そして、脳内麻薬に超常現象。

モロモロのネタを詰め込んで、全9章!
そして、さらに論点を押し広げる「あとがき」。
全部すっきりつながってから考えてみる…

人に意志や判断能力はあるのか。
人にとって学習とは何であるのか。
人は努力によって変わり得るのか。

そして、中小零細企業経営はどう再構築すればよいのか。

弊社ブログ『MSI-TALES』にてお楽しみ下さい!
http://tales.msi-group.org/?p=710

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『格付けしあう女たち 「女子カースト」の実態 』 白河桃子 著
■『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』 中川淳一郎 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第356話 『浸透膜の内側』 (11月25日発行) 
 15周年記念特別号でも触れた学びの構造。インプットを重ねることの大事さ
について、通常号でも少々考えてみました。

(完)