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経営コラム SOLID AS FAITH 第321号
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ご愛読ありがとうございます。第321話をお届けします。
6月5日(水)から9日(日)まで開催される「YOSAKOIソーラン祭り」に6
年ぶりに少々参加することとなりました。0歳児の頃から参加していた娘が小
学校6年生の今年を最後にこの祭りを卒業すると言い出し、最後に一緒に踊る
機会を設けて欲しいと言う話になったためです。
「さぁさみんなでどっこいしょ」と言う観光客まで飛び入り参加できる、衣装
自由、フリは毎年決まりきったもののみなので、事前練習一切不要と言う(揃
いの衣装と整然たるフォーメーションの他のほとんどのチームに比べて異常な
乱雑さで取り分け目立つ)チームで、8日(土)に札幌駅周辺の会場二会場で、
踊りました。この号が皆さんのお手許に届く頃には、久々の踊りの筋肉痛と日
焼けで大変なことになっているものと思います。
PR欄には珍しい弊社代表パブリシティ情報を掲載しました。ご一読下さい。
今回の号は『空調のリモコン』と題して、企業風土の形成に至る構図のような
ものを空想してみた文章です。身近な企業の社風などを思い起こしながら御高
覧戴ければ幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂
戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その321:空調のリモコン
「『営業手法と言うのは絶対に教えないでくれ』って言う経営者もいるから、
勉強会のテーマ設定も結局は経営者のリクエストを十分に加味しながら、その
枠の中で『おおっ』って思って貰えるような線を狙うってことになるよね」。
過去の勉強会のテーマについて尋ねた弟子は、私の答えにとても驚いていた。
社員20名の小さな町工場に大学新卒を次々と雇い入れ、生産も事務も営業も
全てできる社員で組織を構成する方向に舵を切ろうとの打ち合わせを、大変お
世話になった亡き原澤勝社長と当時の私は議論を重ねていた。横には後継者の
原澤専務もいる。
「あんたには俺が死んでからも息子を支えて欲しいから色々考えて貰って良い
けど、営業手法を社員に教えるのは賛成できないよ。いいかい。町工場って言
うのは、決められた所から決められた値段で材料を仕入れて、決められた日時
に決められた製品を決められた値段で出すのが商売だろ。だから、徹底的に工
程を改善して利益を生むことを最優先にしていないと、すぐに潰れてしまうだ
ろ。営業をやると、値段をごまかして吊り上げて利益を出す術を覚えてしまう。
そうしたら、血の滲むような改善をする気が起きなくなるに決まっている。そ
う言う仕事は社長やそこにいる専務の仕事にしとかなきゃな」。
行きつけの呑み屋の30周年記念会で写真を撮ったのが縁で、大手経営コンサ
ル会社幹部の方と知り合った。話をすると、頭がやたらに刺激される話題ばか
りぽんぽんと出る。
「うちは、生産現場の効率向上をサービスの軸にすることが多いんだけど、海
外の工場に行くと、本当にその好い加減さと言うか、ずぼらな生産体制に驚か
されるよね。どうしてこんなに酷いことをやっていて、潰れないどころか、利
益を出し続けられるのかが本当に不思議だと思うんだけど、そういう商品に限
って値段もバカに高いんだよね。やっぱり、良いものを安くって考えると、カ
ツカツに改善して安く売るよね。けど、好い加減に作っている連中は、こんな
に苦労して作ったんだから高く売らなきゃって言い出すとでも考えなければ辻
褄が合わないよね。そういう意味では、社風って意外に支配力あるよ」。
目が覚めるような好例が並ぶ『「最強のサービス」の教科書』を読むと、高
いレベルのホスピタリティを実現しているサービス企業群は、社員のホスピタ
リティの向上よりも寧ろ、客と接することのない時間の圧縮に営々と取り組ん
でいる。その時間が減ると相対的に接客時間が増え、半自動的にホスピタリ
ティが向上すると言う。この場合、それらの社員は、「高く売ってやろう。だ
からホスピタリティをじっくり提供せねば」とは思っていないだろう。高い価
格の設定を構成するのはここでも経営者の仕事と見える。
「例えば、SPAとかは中国とか海外でカツカツに安く作った商品を高く売る
でしょ。経営体を分離すれば社風の支配から逃れられるんじゃないかな」とこ
の話を聞いた知人は言う。なるほどと私は頷きながら、やはり経営陣以外は社
風の支配から抜け出せないことに思い至る。結局、社風でさえ企画して作りコ
ントロールするものなのであろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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次号予告:
第322話 『生活習慣病』 (6月25日発行)
「日本企業の利益率が低いのは企業数が多すぎるから」という、最近よく耳に
する話題について考えてみました。ご期待下さい。
(完)