293 続・分類と理解

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第293号
=================================
 ご愛読ありがとうございます。第293話をお届けします。

 中小零細企業の経営支援事業のノウハウをお教えする連続セミナー『超実践
塾』第三期は、とうとう今月下旬開始です。多数の方々のご関心を賜っている
様子で、ありがたく感じております。直接私が質疑に応じるプレ講座は、PR
欄に紹介致しました通り、残り一回となります。お申し込み逃しのないようご
留意下さい。

 10年以上前に、顧客を購買に向けて動機付けることと、社員を就労や組織帰
属に向けて動機付けることの共通性について言及した、当コラム第32話『分類
と理解』。その内容からさらに踏み込んで、二つの動機付けのあり方の共通性
から具体的な方法論を考える勉強会の場面を描いてみました。当コラムでは過
去の号に続編が出るのは非常に珍しいケースですが、今号と2001年の第32話
『分類と理解』を併せてお楽しみ戴ければ幸いです。

(続編が登場するのは、第46話と第95話の組み合わせ以来です。)

 本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへ
のお返事の目標納期は5営業日!!
=================================
その293:続・分類と理解

「何かで読んだ顧客満足型マーケティングの実践に当たっての指標で、マーケ
ティングの3Rと言うものがありまして、うちのホームページにも書かれてい
ますが、皆さん、予習はしてきましたか。では、それをベースに今日の話を進
めますか」。
 課長職以上の数人と人事部の社員を交えたプロジェクトで私は宣言した。

 マーケティングの3Rには諸説ある。私の定番は、Retention( /Repetition)、
Referral、Related Sales。各々、「反復購買」、「口コミによる新規顧客の発
生」、「関連商品の購買」と解釈すると、顧客満足度を客観的に測る指標とし
て非常に使い勝手良い。Relationshipや、Responseが入っているものがあるが、
他項目と重複感があって、如何にも思いついた順に並べただけの用語集に思え
る。コンサルタントではない私は、結果が出易ければ何であっても構わない。
節操も無く色々読んでみては、まとまりが良く、分かり易く、使い易い考え方
を機械的に採用している。

 クライアント企業を訪問すると、どこで聞きかじって来たのか、経営者や幹
部が「CSを実現するのに、それを実現する社員が喜んでいなくて上手く行く
訳がない。まずはESの実現だ」などと熱弁を振るっている所に出くわすこと
が何回か続いた。CSはアンケートに良いことを書いてもらうこと。ESは社
員が笑顔でヘラヘラ働くこと。熱弁の主に何がどうなることを狙っているのか
と尋ねると、概ねこんな理解であることが判明する。

 顧客には、元々彼らが期待している以上の価値を提供し、社員には、今まで
の彼らの人生では気付くことのなかった人生のティップスが提示できなければ、
組織としてCSもESも提供できる訳がないものと、創業から11年間、人誑し
を生業としてきて確信できる。第32話『分類と理解』で書いた、マーケティン
グと産業心理学の狭間を気にすることもなく、両者共通の原理が体得できてき
た。

 3Rの説明を熟考してきたというプロジェクト参加者に、その理解内容を互
いに確認してもらった後に彼らに向かって私は言った。
「では、社員満足の計測指標はどうなるかと言うことになりますね。社員を、
時間的労働と言う対価で『金銭的報酬』を含む広義の『動機付け』を購入して
いる顧客だと考えてみると、彼らが満足するとどのような変化が起きるのかと
いうことです。
 反復購買は間違いなく低離職率でしょう。口コミは採用活動に狩り出して
OB訪問などで結果を出せるというようなことだと思います。つまり実体験を
語って他人を惹き入れられるPRマンですね。最後の関連商品販売は、私も定
番の解釈がありません。本来の『労働と動機付けの取引』以外のことを会社に
求めるということになりますから、例えば、遊び仲間や飲み仲間と社員の重な
り度合いを見て良いのかもしれません。さて、問題はこれらを一気に発生させ
る方法論は何かと言うことです。それを考え実現するのがこのプロジェクトの
タスクです。先ずは議論してみて下さい。私からのヒントは後で出します」。
=================================
※第32話『分類と理解』: http://tales.msi-group.org/?p=73
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
=================================
【MSIグループからのPR(1)】

本文でも議論された「社員満足」。
その実現方法を根本から誤っていると考えられる企業組織が散見されます。

中小零細組織だからこそできる「社員満足」の方法論。
基本的な考え方をまとめたページが弊社サイトに登場!
是非ご高覧下さい。

題して、『考察(企画の要点):<社員満足と動機付け>』。
http://www.msi-group.org/MSI-ES-Facilitation.htm

ご相談無料。
自社の社員満足のあり方を考え直してみませんか。
ご連絡はメールにて。
 bizcom@msi-group.org

=================================
【MSIグループからのPR(2)】

弊社の事業のあり方を学んで戴く連続講座『超実践塾』。
今月下旬開催。

遠方からさえ参加者が来て下さる程のご好評にお応えして、
第一期・第二期からさらに、
カリキュラムもバージョン・アップして
会社の現場監督 合同会社で主催・開始します。
http://www.genba-kantoku.com/jissenjuku.html

内容に関して詳しくお知りになりたい方は、
●4月14日(土)13時より
開催予定のプレ講座に是非ご参加下さい。
講座の内容に関する質問には何でも直接お答えします。

註:
 上述の超実践塾の案内ページには、当『経営コラム SOLID AS FAITH』が創
刊から…「月に2回遅れず休まず12年目」とありますが、13年目の誤りです。

=================================
発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け13年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、上述の弊社ブログにて発行状況をご確認の上、再び上述の弊社サイト専
用ページにて再登録をして下さい。
=================================
次号予告:
 第294話 『もどかしい存在』 (4月25日発行) 
 私は直撃の10数分前に離陸した飛行機に搭乗していたために回避できた大震
災。(当コラム恒例タイムラグの)一年を経て、時事ネタの登場です。震災後、
不謹慎と謗られ続けた事業のあり方について考えてみました。

(完)