276 要否一体

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経営コラム SOLID AS FAITH 第276号
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ご愛読ありがとうございます。第276話をお届けします。

 東京のマンションの部屋での高速回線テザリング端末として使うばかりで、
通話を一切していないスマートフォンを外出時は携帯して、出先のウェブブラ
ウジング端末として使用しています。愛用の東京区分地図がポケット版では殆
ど入手不可能になっているので、地図機能も使っていますが、検索語句や住所
などの音声認識機能の正確さには驚愕させられます。よく使うファイルも大量
に中に入れておけるので、ファイルビューアとしても大活躍してくれています。
各種アプリのダウンロードなど、弄ってみては私なりの発見を重ねています。

 今回は、できる社員の条件を求められて、色々と考えた見た経緯を描いた号
です。きちんとまとまっていない展開ですが、発想のプロセスを一緒に進んで
いただく流れのままに敢えてしてみました。お楽しみ戴ければ幸いです。本文
に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返
事の目標納期は5営業日!!
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その276:要否一体

 営業担当者の研修テーマを研修参加者自身の課題認識を元に募ってみるとい
う初めての試みを行なうことになった。会社の課題、営業上の課題、自分自身
の弱み、そして市川と言う人間から有効に学べそうなこと。これら四領域が重
複するテーマ設定が良いだろうと促すと、三、四個のテーマに絞り込まれた。
その中の一つは、お客様企業の担当者の社内での政治力の見極めだった。
 
 初めての取組みには初めての展開が待っている。関心を持って、テーマの選
定理由を尋ねると、私の人材紹介と言う商売の経験から、人のキャリアを値踏
みする“仕入れ業務”に着想を得て、その基本的な見方を学んでみたいとのこ
とだった。確かに、お客様企業への提案のあり方を決めるにはキーマンの判断
基準や社内影響力を見極める必要がある。詰まるところ、できるキーマンの見
分け方と言うようなテーマと理解し、少々自分の過去の仕事の振り返りと参考
文献探しに時間が必要かと見積もった。
 
「市川さん。幹部クラスの人材の人材紹介をしていて、力のある人材に共通す
るポイントとかは何か気付きましたか」。その後、参加者共通の上司である常
務が、私に尋ねてきた。意見交換をしつつ、過去の事例を色々と思い起こして
みる。先ず一番に思い付いたのは、会社を辞めても以前の名刺そのままの人脈
が使える人物。会社の看板がなくても周囲の人々がその人物の価値を認めてい
る証拠のように思える。
 
 幹部クラスの人材は大抵現職で新規事業立上げや低迷事業建て直しなど、込
み入った経営課題に取り組んでいるケースが多い。そこから思い起こした次の
共通点は、それらの職場で、最終的に自分を不必要にすることができているこ
と。自分の独自の課題解決ノウハウを部下や後輩にきちんと浸透させられる証
拠だと私は思っている。

「組織は、仕事がし易いようにと役職や看板を与えるのに、それを必要としな
い。送り込まれた部署では自分が不要になるような働き方ができる。実力故に
会社組織との関係性が薄くなり得る、そんな人材が実は会社が最も必要として
いる人材ってことですね」。
 常務は、苦笑しながら「自律的な人材ってことかな」と、私の話を総括して
みて頷く。
 
 後日、研修の企画案をまとめて、常務にメールをした。常務のフルネームが
分からず、遥か以前に頂戴した名刺を探し、送信にやたらの時間がかかる。私
は、メーラーのアドレス帳に宛先の人物のフルネームに様をつけて登録するこ
とにしている。部署や役職がアドレスの前につけられたメールを受信しても、
そのまま返信することなく、必ずアドレスをフルネームのみ付いた自分のアド
レス帳の登録名に置換してから送信する。
 
 思い起こしながら常務に説明するずっと以前から、私はメールの宛先管理に
さえ顕れるほどに、組織の中にあっても自律的な人材との仕事の機会を希求し
ていることに気付いた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

経営コラム SOLID AS FAITH 12周年記念特別号
テーマ決定!

毎年、10月末日に発行する周年記念特別号。
今回のテーマは、
『ソリアズ的人材観 ?人材リスクを最小限に抑え込む? 』(仮)です。

主に新卒社員の採用・育成の現場にフォーカスし、
中小零細企業の現場における若手人材に関する
リスク・マネジメントのあり方を考える予定です。
ご期待下さい。

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第277話 『先生の先生』 (8月10日発行) 
 取得した資格で食べていくことに苦労している人々が多い中、そのノウハウ
を学ぶ方法について身近な人物に言われて考えたことをまとめました。

(完)