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経営コラム SOLID AS FAITH 第254号
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ご愛読ありがとうございます。第254話をお届けします。
茹だるように暑い、私には嬉しい八月も後半に入り、夜の風や雲の高さに秋
の到来が感じられるようになってきた様に思います。読者の皆様は如何お過ご
しでしょうか。冬本番になると、ズボン下を履くために、今のズボンがユルユ
ルでなくてはなりません。デブになっては大変と、絶食モードに入って、胴回
りの調整に取り掛かりました。
ここ数年、新規の案件は、社員の育成企画立案をテーマとしたものが多かっ
たのですが、最近、顧客満足の向上や、所謂「顧客の囲い込み」などをテーマ
とした案件が新規のクライアントでも既存クライアントでも増えてきました。
改めて考える顧客満足。単に教科書を読み直すだけでなく、イマドキの消費者
の動向を少しは勉強しなおさねばと、本を読み漁ったり、雑誌を立ち読みして
回ったりなど、街を逍遥しております。
今回の号は、仕事上、お客様のマインドに“刺さる”キャッチコピーやトー
クを考えることが増える中で、その構成方法について考えてみたことをまとめ
てみたものです。お楽しみ戴けましたら幸いです。本文に対するご意見・ご感
想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業
日!!
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その254:羊狗の隔絶
クライアント企業が理事を務める業界団体が、業界の展示会を初めて開催す
ることになった。歴史ある業界の団体で理事を務める以上、恥ずかしいことは
できないと、社長は数少ない社員の大半を参加させ、準備プロジェクトを編成
した。自社ブース前を通り過ぎる来場者の関心を惹くためには、どのようなツ
ールを用意し、どのような声掛けが良いのか。自社製品の強みを端的に理解さ
せるには、パンフレットはどのようなデザインが良いのか。入念な打ち合わせ
が重ねられる。
「製品の強みよりも、市川さんが言っていた、お客様が得られるベネフィット
をきちんと訴求することが大事ですよね。それができれば、お客様も足を止め
て下さるでしょう」と、プロジェクトのメンバーが私に向かって言う。「その
通りなんですが、展示会場の場だと、何か面白みにかけますね」と、考え込む
私の顔を彼女は覗き込んでいた。
移動途上、電車に揺られながら、手にしたのは、最近読み返している『マジ
で儲かる5秒前!』。著者の主藤孝司氏は、サブタイトルにある通り、猫も杓
子もネットの時代におけるタウンページ活用法を説く。ぱらぱらと捲って行く
と、気になっていることに関わる文章に、自然に目が行き着く。
「タウンページ広告を見た人が商品やサービスの購入を決定するための要素や
動機として、実は広告の内容自体は無関係であることが多い」。
「タウンページ広告の場合、広告の役割は、商品やサービスを申し込ませたり
成約することではなく、あくまでも「電話をかけてもらうこと」である」。
翌日の仕事は、チェーン店店長の勉強会。膨大な予算を注ぎ込んでいる広告
戦術の見直しをするべく、広告の原理を参加店長で学び教え合っている。広告
を認識した人が購買に至るプロセスについて教科書で学んだことを一人の店長
が発表する。AIDMAとAISASが詳細に説明される。AIDMAでもA
ISASでも、お客様の反応の流れの想定は妥当そのもの。しかし、どうやっ
てその反応を起こすべきであるのか、教科書には説明されていない。
翌週の展示会準備プロジェクト。許可を得て、プロジェクトの風景をデジカ
メで撮影し、その画像を画面で眺める。画像の向こうのPCモニターにはこの
会社のサイト上の無機的な会社情報が表示されている。訝しがる参加者に、私
は説明した。
「歴史ある業界の歴史ある企業の展示会準備にしては、明るいというか自由闊
達と言う感じですよね。B to Bの仕事ですし、製品のベネフィットよりも、
真面目で信頼できる、活き活きとした会社のイメージを訴求するようなことの
方が、意外に足止めできるかもしれませんね」。
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次号予告:
第255話 『島に眠る蛸壺』 (9月10日発行)
昔習った社会学の知識などをベースに、組織や集団を分解する力や、それに
抗う取り組みなどに関して考えてみました。ご期待下さい。
(完)