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経営コラム SOLID AS FAITH 第546号
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ご愛読ありがとうございます。第546話をお届けします。
とうとう今年も10月が終わりに近づきました。10月31日には恒例の周年記
念特別号を発行いたします。今年は創刊からとうとう23年経ちました。長ら
くのご愛読に御礼申し上げます。今回のテーマは読解力です。昨年の22周年
記念特別号に続き、奥田美幸が(あとがき以外の)全文を書きました。中小
零細企業が読解力教育に組織的且つ戦略的に挑まねばならない理由が分かる
内容で、今後の中小零細企業の生き残り策の指針となるものと思います。あ
と数日でお手元に届きますので、是非ご高覧ください。
円安が進んでいます。「世界の中で日本がどんどん見捨てられているから、
円が売られている。日本はもう終わりだ」などと吹聴して回っている人々が
いますが、中小零細企業のオーナー経営者でも「本当にそうなんですか」と
お尋ねになる方がいて驚かされます。近い所では、2016年、2007年にも円は
130円に近づいていて、2002年には130円を突破し、1998年には147円、1990
年には160円を記録しています。円ドルレートのグラフを見れば分かります
が、変化はかなり周期的で80円から150円ぐらいの幅の中を蛇行しています。
これで日本が終わりなら、第二次大戦の終結時点の焼け野原の方が、余程
終わっていることと思います。玉音放送を聞いて「これで自由に商売ができ
る」と藤田田は喜んだと言われています。「凡眼には見えず、心眼を開け。
好機は常に眼前にあり。」は彼の好きな言葉でした。
今回の円安は日米の金利差の結果と説明されることが多いようですが、実
際には主要国全体で経済状況が悪化し、手元に自国通貨を用意しておこうと
する動きが世界的に広がったため、それまで多く持たれていた円が放出され
たと考える方が妥当と言われています。また、円ほどではないにせよ、ドル
以外の各国通貨も価値をほぼ一様に落としていますので、円安というよりも
ドル高がむしろ正しい表現です。
その米国では金利が上げ続けられると言われていますが、経済の逼迫感は
いや増していますから、どこかで限界が来るのは間違いありません。結局、
先述のような周期的な展開は必然と考えるべきでしょう。宇露戦争も多少終
わりが見えてきました。前回の挨拶文でも書きましたが、「ピンチはチャン
ス」どころではありません。チャンスだらけの時代が訪れつつあります。日
本は何一つ「終わって」いません。
今回お届けする『犯罪志向』は、そんな日本の労働観をベースにキリスト
教圏のそれを考えてみた内容です。前回の『天国の跡地』では、ベーシック
・インカムの社会的な効果を海外と日本で比較検討してみましたが、今回は
そのベーシック・インカムが海外で特に求められている背景について言及し
た内容にもなっています。是非暫しご一緒にご一考ください。ご意見・ご感
想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営
業日!!
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その546:犯罪志向
「そうだなぁ。なにか優れた商業施設も良いけど、寂れた温泉街とか、人口
減少に歯止めがかからなくて凋落するばかりの駅前商店街と周辺田舎町とか。
そういうのもいいよね。」
10年以上生来の物臭が理由で放置されていた鹿児島県の巨大ディスカウン
トストアの視察旅行をバスガイドの経験もあるという弟子がツアコンを買っ
て出て実現させた。そのたった一泊二日の旅の学びは豊富で、記録破りのメ
ルマガ10回シリーズが書けるほどだった。やはり数年に一度、このような経
験は必要かと思い、弟子に次の視察旅行を考えていると告げた。今度は目的
地選定まで任せてみようと思い、一応希望を伝える。
旅行の計画を話すと、「そうですね。欧米のバカンスとかね。仕事の息抜
きは必要ですよ」などと言い出す社長が複数現れる。息を抜くなら普段行き
慣れている場所がよい。そんなことを考えていると、『「わざわざGWに旅行
する人はお金が貯まらない」…』なるネット記事を見つけた。富裕層に含ま
れていない私も「ストレス解消に」だの「折角の連休だから」だのの理由で
は旅行に行かないとする価値観には強く共感できる。
欧米も一様ではない。どちらかと言えばカソリック圏の方がバカンスに行
きたがる。英語のlaborに「労働」と「陣痛」の意味があるのは、アダムと
イヴが罪を犯して楽園を追われ、アダムは食べ物を常に獲得し続けなくては
ならなくなり、イヴには妊娠・出産の苦しみが与えられたからだと聞く。こ
の訓えを何世紀にも渡って刻み込まれれば労働は原罪に対する罰以外の何物
でもない。遣り甲斐など見出そうものなら、神から追加の罰が下りそうだ。
だから、バカンスには行きたがるし、ベーシック・インカムも大賛成だし、
さっさと引退したがるし、つい最近まで人間扱いしない奴隷を誘拐してきて
所有し酷使していた。
元気象予報士で博士号を得てからはなぜか労働観の本ばかり書く河合薫は
ネットの記事で週休三日に大賛成と書いている。「週50時間以上働くと労働
生産性が下がる」などとするスタンフォード大で教える経済学者ペンキャベ
ルの研究結果にも言及している。
この調査対象者の労働観はどんなものだったのか。囚人並み・奴隷並みに
就労を捉えたなら、労働生産性など望むべくもない。労働は内容如何に拠ら
ず、一日でも短い方が良い。そこには、ハーズバーグが嘗て動機づけ要因と
して挙げた、「承認」も「達成」も「成長」もあり得ない。まして、自身が
社会の構造の一部である以上、社会に何かの形で貢献することに理由が要ら
ないなどと、社会構造的な労働に思い至ることさえないだろう。
週休三日が採用されても、週の半分以上は頸木に繋がれている。生まれな
がらの重罪の罰に喘ぐ人々は、日々何とか罰を減らそうと腐心しなくてはな
らないのだから大変である。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
本年10月31日で、当コラムは創刊23周年を迎えます。
昨年に引き続き、大変恐縮ながら、
毎年恒例の周年記念号の本文を書く機会をいただきました。
今回のテーマは「読解力」です。
読解力をテーマにした書籍は多数刊行されており、
それらを読むたびに、“社会人教育最後の砦”と言われる
中小企業における人材教育の重要性は
ますます増していると感じます。
ぜひ読者の皆さまにもご一考いただけましたら幸甚です。
章立てをご紹介いたします。ぜひご期待ください。
●第1章:読解力とは何か
●第2章:背景にある世の中の読解力教育の現状
●第3章:読解力がないと人間はどうなるか
●第4章:AIとの差
●第5章:中小企業の人材教育の役割
●第6章:読解力向上策・勉強会の事例
●第7章:海外の読解力
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『萬屋のもっと深く愛してい』第43回_生体認証(長所)
前回から、近年注目されている技術の一つである「生体認証」をテーマに取
り上げています。生体認証は顔や指紋などの生体情報を使って本人を識別す
る仕組みのことです。2回目となる今回は、生体認証の長所について紹介し
たいと思います。
主に次の3つが考えられます。
<生体認証の長所>
1.ハイレベルなセキュリティの実現
生体認証は一人ひとり固有の身体的特徴を利用して、本人確認を行なうた
め、なりすましや偽造のリスクが低いと言えます。パスワードを使った認証
の場合、不正アクセスのリスクも高まりますが、生体認証は元データのコピ
ーが難しいため、高いセキュリティを実現できます。また、物理的な鍵やカ
ードなどを持ち歩く必要がなく、紛失するリスクがありません。
2.ユーザーの利便性向上
生体認証はパスワードを入力する必要がないため、ログインや認証もスム
ーズに行なえます。鍵やカードなどを持ち歩く手間も省けますし、多数ある
パスワードなどの認証情報を管理する手間も不要になります。パスワードを
忘れて再設定するなどもしなくて済むのです。また、認証の種類にもよりま
すが、物理的な接触が少なくなるものが多く、コロナ禍などの感染症が流行
した際の衛生面での不安も軽減されます。病院などの医療機関や食品工場な
どの施設でも非常に有効な方法と考えられます。
3.スムーズな照合による生産性向上
生体認証は本人照合をスピーディーに行なうことができ、多人数を対象に
したログインや入退場などの時間短縮・混雑緩和につながります。例えば、
自動車運転免許証を使った認証の場合、写真からの本人識別を人の目で行な
うため、時間と手間がかかります。一方、顔認証システムを使えば、一人当
たりの認証時間を大幅に短縮することが可能です。認証担当者の人数も最小
限で済むため、人件費の削減にもなります。
今回は生体認証の長所についてご紹介してきましたが、次回は生体認証の短
所について考えていきたいと思います。
このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『カルト化するマネーの新世界』 猫組長 (菅原潮) 著
■『デジタルで変わる子どもたち …』 バトラー後藤裕子 著
■『家のない少女たち』 鈴木大介 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
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次号予告:
第547話 『不戦敗集団』 (11月10日発行)
最近読んだ本に書かれていた「ピッキー・オーディエンス」について考え
てみました。
(完)