535 血塗れの覚悟

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経営コラム SOLID AS FAITH 第535号
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 ご愛読ありがとうございます。第535話をお届けします。

 漸く暖かい日の割合が増えてきました。GWも久々の人出を経験した場所が
多かったのではないかと思います。弊社代表の市川がGW前後に乗った航空機
も満席状態でした。実質的にはインフルエンザよりも弱毒と考えられる通称
武漢ウイルスに過剰なまでの対応をして、経済活動を急激に縮小させ、自殺
者まで急増させるような本末転倒の政策・施策はそろそろ御終いにしなくて
はならないのではないかと考えられます。周期的にみれば次の新型コロナウ
イルスも数年以内には現れます。今回の社会的空騒ぎの反省をどれほど次に
活かせるかが問題となることでしょう。

 北海道で宿泊業を営む経営者が買収した会社の遊覧船が沈没しました。ニ
ュース報道で見る限り、杜撰に杜撰を重ねた経営体制や経営判断の結果であ
るように見えます。1945年8月の終戦後の日、樺太からの緊急疎開船三隻が
ソ連軍の潜水艦の雷撃を受け、2000人近くが北海道留萌市の陸地を見ながら
命を奪われてしまいました。その街で育った弊社代表の市川は、今回の遊覧
船沈没もロシア軍の極東軍事作戦の結果かと当初認識していましたが、そう
ではなかったようです。
 
 社会の情報化や市場の飽和化によって、企業の経営環境はより厳しくより
不透明になっています。同時に杜撰な経営態度は簡単に露呈する条件が整っ
てきていると感じます。その結果、中小零細企業でさえ、最低限のコンプラ
イアンス維持が重要な経営指針として認識されるべき状態になりました。当
たり前のことですが、ルールを守ることには多大なコストがかかります。コ
ンプライアンスの高コストを負担しつつ中小零細企業でも大手企業と伍して
行くのか否か。通称武漢ウイルス禍の終焉が見えかけてきた今、迫る淘汰の
波を前にして、中小零細企業のオーナーは十分に検討した方が良いのかもし
れません。

 今号は『血塗れの覚悟』というタイトルで、若者の恋愛映画をテーマにし
て、人と人、人と会社の関係性構築の難しさや危うさについて考えてみまし
た。珍しく匿名でもなく街の風景も描き込まれた号です。その映画を弊社代
表の市川が観た感想のブログ記事も本文後につけましたので、併せてご笑覧
ください。ご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへの
お返事の目標納期は5営業日!!

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その535:血塗れの覚悟

 雨がそぼ降る夜の吉祥寺駅前交差点。緊急事態宣言下の商店街の店は早々
にシャッターを降ろし、アーケードから駅へ向かう人の流れに逆らって西に
向かう。たった72分の『男の優しさは全部下心なんですって』は、東京都下
でたった一館、一日一回しか上映されていない。すべての生物の中で両性が
交尾して繁殖する生物は少数派。遺伝子的にはオスは自分を生んだメスの遺
伝子を他のメスに配るために生まれただけだから、「男の優しさは全部下心」
は科学的に証明された一片の常識的事実。そんな当たり前のタイトルが気に
なって月に最低二本の劇場映画鑑賞ノルマ達成のための一本をこの映画に割
り当てた。

 終了後すぐさまスクリーン脇に現れたスタッフが座席にいるように観客に
告げた。監督と出演者を招いたトークショーが始まるのだという。立ち去る
者を許容しなさそうな重苦しい空気にたじろいで仕方なくスクリーン前に現
れた人々を見守った。

「最近の若い人々の恋愛観について異議申し立てをしたい気持ちがある。今
の若い人々は、先を読みに読みまくって、しもしないうちから、恋愛を値踏
みして諦めてしまっている。そうではなく、今を生きる。目の前のことに真
剣に取り組む。そう言ったことが大事だ。」
 27歳らしい女性監督は今回の監督作品には埋め込まれているとは全く思え
ない自分の恋愛論を熱弁し始めた。パンフレットにはご丁寧に同様の論旨が
まとめられている。
「『男の優しさは全部下心なんですって』とは、自分も言われるが、自分は
そう信じていない。だから目の前の恋愛にのめり込む価値がある。よしんば
「男の優しさは全部下心」であったとしても、一所懸命今を生きていくべき
ことに変わりはない。」

 知名度を誇る社会学者の宮台真司が、男女関係は“なんやかんやを乗り越
えろ”と繰り返し、解剖学の権威である養老猛は「スルメを見てイカを想像
できる訳がない」という。きれいごとを言っていても恋愛はできない。恋愛
小説を読みまくっても恋愛はできない。20代の女性監督はこんなクリシェを
映画にしてまで「今の若者」に伝えたいらしい。

 或る日クライアント企業に行ったら、「自分に合った仕事ってどうやった
ら見つかるんすかね」とコミュ障を自認するスタッフが、にこやかに、しか
し気怠気に尋ねてきた。

「え。エヴァ観てるでしょ。あん中に『ヤマアラシのジレンマ』って出て来
るよね。婚活とかの人間関係も、就活とかの仕事と人間の関係も、おんなじ
構造だって言われているから、結局、傷つけあって血塗れにならないと、本
当のマッチングって無理なんじゃないの」。

 私の答えに彼は「あ~。古いエヴァはイマイチ好きじゃないんす」と明る
く応じた。

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■劇場映画鑑賞感想ブログ『脱兎見! 東京キネマ』
 『男の優しさは全部下心なんですって』
  http://tales.msi-group.org/?p=2218
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR

「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
「“クセのある店”づくり」をテーマにして
師匠が執筆とセミナーの両方をやることになったので、
企画・構成を手伝って、師匠のネタを盗むことに成功しました。

ウェブ空間には無限の競合が存在する中で、
リアル店舗はお客様にわざわざ出かけて来ていただかなくてはなりません。
コロナ禍での外出自粛で、よりハードルが上がってしまいました。
対策は、お客様がどうしても行きたくなる“クセのある店“づくりです。

合資会社MSIグループの以下ページでは
“クセのある店”作りの基本原理、差別化について詳解しています。
ぜひご笑覧ください。
http://msi-group.org/msi-differentiation-vol1/

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『萬屋のもっと深く愛してい』第32回「記録メディア(Blu-ray Disc)」

各種記録メディアの紹介をしてまいりましたが、今回は「Blu-ray Disc(ブ
ルーレイ・ディスク、略称・BD)」について紹介していきます。「Blu-ray
Disc」は今まで紹介した「CD」、「DVD」と同様、光ディスクの一種であり、
現時点で普及している光ディスクのなかで最も新しい規格です。

「DVD」に次いで、光ディスクの第三世代として2000年代以降に登場しまし
た。ソニー・フィリップス・松下電器産業(現パナソニック)が中心となっ
て立ち上げたBlu-ray Disc Association (BDA/ブルーレイディスクアソシ
エーション)が関連技術の標準化や普及の推進を図っています。登場当時は、
東芝とNECが開発を進めていた「HD DVD」と規格争いが繰り広げられていま
したが、東芝の「HD DVD」事業が終息したことにより、事実上「Blu-ray
Disc」の1規格に収束しました。

「Blu-ray Disc」には、「BD-ROM」、「BD-R」、「BD-RE」、「BD-LTH」、
「BD-RE BDXL」、「BD-R BDXL」、など「DVD」と同様、さまざまな規格があ
ります。「BD-R」、「BD-LTH」、「BD-R BDXL」は一度のみの書き込みが可
能となり、ハイビジョン映像など容量の大きいデータの記録に適していま
す。それ以外の規格は何度でも書き込みが可能で、容量の大きいデータか
つ、定期的なバックアップの対応に向いています。

CDもDVDもブルーレイも、見た目はいずれも同じ直径12cmのディスクです。
そのディスクの書込み領域の密度を、より高くして記憶容量を増やしたのが
ブルーレイ・ディスクです。CD・DVDと比べても圧倒的な記憶容量となって
おり、100GBの「BD-R XL」なら、CD(700MB)に比べて142倍、DVD(4.7GB)
に比べて21倍のデータ量を保存できます。

1枚約150円で購入できる「DVD-R」と比べると、「BD-R」は約500円程度とな
りより高くなりますが、光ディスクの一種である「CD」と比べても、1GBあ
たりの単価は20円となり最も安い光ディスクと言えます。

このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『米中最終決戦 アメリカは中国を世界から追放する』 藤井厳喜 著
■『JOJO magazine 2022 SPRING』 荒木飛呂彦 著
■『…トランプ後の世界を本当に動かす人たち…』 増田悦佐 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
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次号予告:
 第536話 『ネゴシアビリティ』 (5月25日発行) 
 会社は多くの人や会社に金を支払います。その支払先の一つ、“業者さん”
の選定条件について考えてみました。

(完)