515 多幸社長

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経営コラム SOLID AS FAITH 第515号
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 ご愛読ありがとうございます。第515話をお届けします。

 久々のシリーズものである二話シリーズ『診察室の奥』も無事前回で終了
しました。他の号の内容も間違いなく弊社代表の市川の知見や体験から生ま
れていますが、『診察室の奥』は、多くの医師や医院の名前こそ明かしてい
ないものの、かなりリアルな状況や会話の再現を心掛けてみました。それは、
医療の現場や、所謂“富裕層マーケティング”の現場で起きる色々な矛盾や
擦れ違いをなるべくリアルに読者のあなたにも体感してみていただきたかっ
たからです。

 各種の商品・サービスの販売の現場にICTが導入され、そこにおける人の
存在価値が検証される場面が増えています。その際には、実現すべきお客様
満足がどのようなものかをリアルに設計できなければならないことでしょう。
今回の『診察室の奥』は最終的に手術が行われてから数年を経ている内容で
すが、登場する医師たちの考える患者満足は今でもあまり変わっていないの
ではないかと思えてなりません。
 
 今号は全く方向性の違うテーマの『多幸社長』をお届けします。オーナー
社長の心理は「不安」・「孤独」・「猜疑心」の組み合わせとしてモデル化
すると良いと、私は独立前の中小企業経営者向けビジネス情報誌の編集部で
学びました。しかし、最近の心理学や脳科学の研究結果を摘まみ食いしなが
ら考えてみると、オーナー経営者はやたらに幸せであることになると気づき
ました。その驚きや違和感を何人かのオーナー社長に話してみた体験から、
一話に練り上げてみたものです。お楽しみください。ご意見・ご感想をお待
ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

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その515:多幸社長

「ある調査によれば、企業の経営者、それも大企業のサラリーマン社長では
なく、オーナー企業の社長は、長生きするという傾向があるのだそうです。
たしかに企業規模には関係なくオーナー社長は長生きするようです」。
『定年前、しなくていい5つのこと…』に登場する一節。私の周囲を見回す
と短命だったオーナー社長も見つかる。しかし、書籍はこの説の根拠となる
研究結果まで紹介している。

「マイケル・マーモット教授がおこなっている(中略)さまざまな階層に属
する公務員の健康状態を追跡して比較調査したというものです。その結果、
あまり地位の高くない公務員の心臓病等による死亡率は上級公務員の3倍も
高いというのです。さらに言えば、階層が上がっていくほど平均寿命が延び
るといいます。(中略)「選択の自由度に対する認識が健康に大きな影響を
及ぼすことを、強力に実証する」ということだそうです」。

 伝染病で宴会予約が全部消え、業績が急落した飲食店の社長が「昨年は社
員の不正があったし、その前は台風直撃で、ほんとに良いことなんか何にも
ないよ」と嘆いていた。私がオーナー社長の長寿の話を聞かせると、「社
長って言ってもねぇ」と嘆息する。

「エレン・ランガーとジュディス・ロディンは、介護施設の二つのフロアの
入居者に、部屋に植物を置いたり、週に一度映画を上映したりといった特権
を与えた。そのうちの一方のフロアでは、この特権をコントロール感と共に
与えた。つまり入居者はどのような植物を置くか決めることができ、水やり
も彼らの責任であった。(中略)もう一方のフロアにも同様の特権が与えら
れたが、単に与えられただけだった。看護師が植物を選び、水やりもした。
この実験操作の小さな違いが、大きな効果を生み出した。コントロール感を
与えられたフロアの入居者は、より幸福度が高く、より行動的で敏捷であり
(これは単に入居者によってだけではなく、看護師によっても評価された)、
この効果は、18ヵ月経ってもまだ顕著であった、さらに驚くべきことに、18
ヵ月後の追跡調査では、コントロール感を与えられたフロアの居住者は、よ
り健康的で、死者の割合も半分だった」。
 有名な『しあわせ仮説』の一節を社長に話して聞かせ、さらに私は付け加
えた。

「育成も採用も滞って労働力は慢性的に不足していて、シフトが埋まらず、
社長もほとんど毎日現場に入っているじゃないですか。それは自分の自由な
選択の結果ですよね。おまけに、「強い社会関係を持つことは、免疫システ
ムを強め、(禁煙する以上に)寿命を延ばし、手術からの回復を早め、うつ
病や不安障害に対するリスクを軽減してくれる」とも『しあわせ仮説』に書
かれていますから、店から必要とされる立場でい続けたらまた長生きですよ。
禁煙も始めたんですよね。長寿の条件が揃いすぎて怖いぐらいです」。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR

「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
最近、お客様満足についてのコラムを執筆する機会をいただき、
その重要性を改めて認識しました。

小さな会社でお客様満足度向上のためにやるべきことについて
合資会社MSIグループの以下のページに
具体的なアクションの流れを説明しています。
ぜひご参照ください。

「サービス店舗でのストア・コンセプト構築とホスピタリティ向上事例」
 http://msi-group.org/msi-servicestoreconcept-case/

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『萬屋のもっと深く愛してい』第12回「テザリング」

スマートフォンの普及により、耳にすることが多くなってきた「テザリング」。
自社の営業担当者が外出先で急なメール対応が必要になった場合、テザリン
グを利用すれば場所を選ばずにインターネットに接続し、対応することが可
能となります。

「テザリング」とは、インターネットに直接接続する機能のついていないノ
ートパソコンやタブレットなどの機器をスマートフォンの通信回線を使って、
インターネットに直接接続することを言います。スマートフォンを中継点と
して、スマートフォンの通信可能な範囲内であれば、場所に縛られることな
く、パソコンやタブレットなどをインターネットに接続することができます。

利用したことがある方はご存知かと思いますが、テザリングを使い、パソコ
ンなどをインターネットに接続すると、スマートフォンでインターネットを
利用するときよりも多くのデータ通信量が必要になります。使いすぎるとス
マートフォンの通信速度が制限され、スマートフォンのスムーズな操作に支
障が出てしまいます。それだけではなく、通信料を使うことでスマートフォ
ンの請求額がいつもよりも多くなるということもあります。会社支給のスマ
ートフォンであれば問題ありませんが、私物のスマートフォンの場合、個人
の負担となるため事前にルールを決めておくことも必要かもしれません。

他にも、通常のスマートフォン使用時より、スマートフォンのバッテリーの
消費量が大きくなる場合があります。テザリングを利用した後、スマートフ
ォンで電話をしようとしたらバッテリーが切れていたということもあるかも
しれません。通信量と合わせて、注意が必要です。また、スマートフォン本
体が発熱して高温になることもあります。長時間の連続使用は注意が必要で
す。

このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

以下三冊、中野京子 著
■『中野京子と読み解く運命の絵』
■『中野京子と読み解く運命の絵 〔2〕 もう逃れられない』 
■『中野京子と読み解く運命の絵 〔3〕 なぜ、ままならない』
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ ) 

毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け22年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
 第516話 『天才リバース・エンジニアリング』 (7月25日発行) 
 かの哲学者ニーチェの言葉まで動員して、中小零細企業の現場で努力と天
才性の関係について考えてみます。

(完)