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経営コラム SOLID AS FAITH 第496号
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ご愛読ありがとうございます。第496話をお届けします。
夜型の弊社代表の市川が昼近い時間に起床すると米国オレゴン州の大学で
学ぶ娘から「避難します」という件名のメールが届いていました。その時点
では日本で殆ど報道されていなかった米国北西部の山火事から逃れるとの内
容でした。
8月の後半だけでカリフォルニア州の北部で、「約1万2千もの雷が落ちた。
乾燥していたところを襲った落雷で500以上の山火事が発生し、このうち20
カ所以上で大規模な火災となった」と言われています。9月初旬には既にカ
リフォルニア州だけで、東京都・埼玉県・神奈川県を合わせた面積よりも大
きい森が焼け野原になりました。その後、山火事は延焼以外に同様の気候条
件が発生したエリアでも飛び火的に発生し、北にあるオレゴン州・ワシント
ン州でも広がりました。その結果、市川の娘の住む家から約10kmの所まで業
火が迫ったということのようです。
自然環境が日本に比べて厳しい場所が多く存在することは間違いありませ
んが、このような大災害が仮に日本で発生した場合、ここまで大きな被害に
至るだろうかと考えざるを得ません。いつまでも感染者と死亡者数が増加し
続ける通称「武漢ウイルス」の流行を見ても、何かの社会管理体制の致命的
な不備や国民の社会関与の乏しさなど、色々な背景要因の可能性に思いを巡
らせてしまいます。
あまり知られていませんが、米国では食中毒で毎年数千人単位の死者が出
ます。これに対して、日本では多い年でも10人少々で殆どの年は1桁で収ま
ります。米国の大手飲食店チェーンに食品を納品する日本の中堅企業が、先
方本部からHACCPの取得を突然要請されたりした話を聞くにつけ、食品衛生
管理の超後進国レベルの側からお門違いの要求をされているように感じられ
てなりません。
米国北西部の山火事も漸く日本でちらほら報道されたようですが、彼の国
の社会や文化背景をきちんと知らせる報道はあまり行われていないように思
います。そんな中で、「東京の二週間後は今のニューヨーク」などの空騒ぎ
には迎合しない「情報リテラシー」が求められているものと思えます。
今回の号は『変態志向』です。タイトルに「変態」が登場するのは、第
205話の『変態の約束』以来ですが、性的嗜好の問題ではなく、生物の成長
に伴う「変態」を指しています。マルクスの説が代表的ですが、労働者とオ
ーナー経営者には、その立場に大きな乖離があります。それら両方を多数の
人間が等しく兼ね備えながら意見調整しつつ経営にあたるフォーマットは、
従来の労働観どころか『資本論』の世界さえ突き崩してしまうほどの革新的
な形であるはずです。そんな働き方について考えてみました。ご意見・ご感
想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営
業日!!
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■第205話『変態の約束』 http://tales.msi-group.org/?p=278
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その496:変態志向
自己啓発本のコーナーが以前にもまして書店で増えているように思える。
無意識下で実行されている「日常の習慣」を成功者と言われる人々のそれに
習って変える方法を説く内容も多い。そんな本が多数出回り続ける背景には、
この課題を強く自覚している人々が多数いて、さらにその課題は頑強に解消
を拒んでいるということなのだろう。
子供の頃や若い頃からの何十度何百度の繰り返しで、脳が「こうしておけ
ばまずいことにはならない」と学習を完了してしまったことは、それが「ち
ょっと望ましくないかもしれない」と分かったぐらいで変わることがない。
斯くして、ダイエットは大抵失敗に終わり、喫煙もそう簡単には止められな
い。苦手意識を持ったら勉強も新しい趣味も全然継続しない。変えるべき合
理的な理由を分かっていてもこの状態なのに、その理由が切迫してないよう
に見える場合や些細だった場合は猶更だろう。
素人にも読みやすく書かれた行動心理学系の本や、「他人を操る黒い心理
学」と言ったタイトルの書籍も常に新作が書店に供給され続けている。自分
が変えられない代わりに、自分に都合よく他人を変えた方が早いという心理
かもしれない。しかし、自分と同様、相手の方もそう簡単に変わることはな
いだろう。そんなに簡単に他人を変えることができるのなら、職場の人間関
係や恋愛関係などに悩む人など一気に消えてしまうはずだ。
国内で数ある協同組合組織の中で、唯一法制化されていない形態の労働者
協同組合。社会で徐々に進展する非雇用化の流れについて調べる中で、労働
者協同組合に詳しい方のお話を伺うことができた。組合員は事業に必要な資
金を皆で出し、経営方針も事業運営の方法も皆で決め、必要な仕事もやって
みたいこともやるべきことも皆で話し合って決めるのだという。つまり、組
合員全員が「出資」「経営」「労働」のすべてを行なっているらしい。
全国の既存団体は、清掃などの施設メンテナンスなどの分野、子育て・介
護の分野や、農業漁業などの第一次産業分野など、多くは大都市圏とは離れ
た地域で事業を営んでいる。広報誌の写真を見ると、NPOやボランティア団
体の写真のように見える作業風景が目立つ。
中小企業のオーナー経営者の主要な仕事の一つは、リスクを背負って変化
を決断すること。お客様もお客様のニーズも変わり、地域の経済環境も競合
環境もどんどん変わっていく。技術はどんどん進展し、利益性向上の模索は
常に必須になる。人間は自分から変わることがなかなかできない。まして人
間は他人を変えることも儘ならない。例えばリストラが必要な時。例えば巨
大な設備投資が必要とされる時。例えば盤石な資金力を持つ競合相手が現れ
た時。労働者でもある人々が変化を果敢に決断できるのかやや訝しい。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
人事系の展示会が幕張メッセで開催されたので、
2時間少々を費やして逍遥してきました。
人材育成の分野では…
■STEAM教育を掲げていても内実はプログラミング教育ばかり…
■生涯教育を掲げていても、オンライン体制ばかりが充実して、
肝心のコンテンツは、どこかのカルチャーセンターよりもお寒い状況…
■おまけに対象は子供ばかりで、読解力の低い大人が問題なのに、
その問題に向き合うブースは見当たらないという頓珍漢な状態でした。
当コラムの前号で書いた南国の巨大商業施設を
半日かけてじっくり見て回り、
社長が著した提灯本の内容から
10年を経て劣化がどんどん進んだ社員の質を観察しました。
提灯本には
「社員教育は百害あって一利なし」的な主張が書かれています。
その前提には
「社員教育はマニュアルによって行なう。だからお客様の立場に立てない」
「社員に自由に考えさせると、(試行錯誤の末)良い結果になる」
「責任を持たせてやらせれば、みなやるようになる」
といった全くの誤謬が横たわっています。
弊社では、
●多くの大手企業が見て見ぬふりをする
社員の読解力の欠如にも真っ向立ち向かい、
●多くの中小零細企業経営者が誤解している
社員教育の本質的な在り方をキッチリ実現する…
そんな社員育成・社員啓蒙の体制づくりをお手伝いしています。
ご関心を賜れたら、じっくりお読みください。
答えの載っているページはこちらです。
http://msi-group.org/msi-es-facilitation/
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
師匠・市川の紹介で金属加工会社の社長とお話する機会がよくあります。
製造業では珍しい「マーケット・イン型」のビジネス・モデルの会社です。
これを機会に「プロダクト・アウト型」で成立している一般的な製造業の
生産管理や人材管理の基本を学んで『製造業レポート』にまとめました。
以下からご覧いただけますので、ぜひご一読ください。
https://kaisha-yorozuya.support/stockpile/
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『川上から始めよ …』 川上徹也 著
■『保険会社が知られたくない生保の話』 後田亨 著
■『起業するより会社は買いなさい …』 高橋聡 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け21年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
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サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる
様子です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行
状況のご確認は上述の弊社ブログにて行なってください。
また、まぐまぐからの連絡によると、一部フリーメール運営企業でサー
バの受信量規制を行なっているケースがあり、その場合は大幅にメールマ
ガジンの到着が遅れるとのことです。
「届かない」、「再送希望」などの連絡は、まぐまぐの窓口である
「magpost@mag2.com」に、メルマガID(#0000019921)、タイトル(『経営
コラム SOLID AS FAITH』)、購読アドレス、再送希望の旨を記載の上、
メールにてご連絡下さい。
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次号予告:
第497話 『平方の効果』 (10月10日発行)
一時期、人間の能力は遺伝によるところが大きいという説が広がりました。
しかし、ここ最近、後天的そのものの「努力」の要素が重視され始めている
ようです。努力の重要性について考えてみました。
(完)