126 女王の繰言

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経営コラム SOLID AS FAITH 第126号
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ご愛読ありがとうございます。第126話をお届けします。

まだまだ、花粉が飛び交い、頭が冴えない日々が続いておりますが、皆様は
如何お過ごしでしょうか。

ゴールデンウィークも迫りましたが、その後の5月は4月入社の新入社員の
退職する確率が一番高い時期と聞きます。自社の仕組みや仕事の基礎を教える
ためのオフJTぐらいはどちらの会社でも最低限実施したことでしょうが、5
月に向けて、マインド面でのフォローアップ研修なども必要かと考えておりま
す。超格安予算でも自社オリジナルの研修を可能にする弊社研修企画サービス
のページを更新致しました。是非PR欄をご覧下さい。

さて、今回の号は、初めての挑戦ですが、ほぼ全編音楽関連の内容です。関
心のない方は「経営コラム」の題にそぐわないとお感じになるかもしれません
が、「成功体験の否定」と言うテーマに関して、それなりには含蓄のある号に
したつもりですので、お付き合い戴けましたら幸いです。ご意見・ご感想お待
ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その126:女王の繰言

「えぇっ。市川さん、クイーンのコンサートに何回も行ったことがあるんです
かっ。良いなあ」と取引先の20代の女性が目を見開いて言う。彼女は先日、
初めてクイーンのCDを買って感激したと言う。クイーンがまた流行り出した。
ジュエルズと言うヒット曲集がCDの売上で上位に食い込んでから久しい。

ヴォーカリストのフレディー・マーキュリーの白タイツ姿が変態的だと、悪
評判の頃のクイーンに高校時代の女友達の影響で、どっぷりと嵌った。最初は
ベスト集を買い、程なくもっと聞きたくなった。当時18歳。月給の半分を費
やして発売されていたLPを一気に全部買った。毎日繰り返し聞くので歌詞も
どんどん覚えた。今でも50曲以上はソラで歌える。コンサートにも3度行っ
た。その頃、フレディー・マーキュリーは既に白タイツを卒業し、頭も角刈り
になっていた。

クイーンはおかしなバンドであると思う。何トラックも駆使して、コーラス
を録音し、初期のアルバムはコンサートではそのまま演奏できない曲ばかり。
母国イギリスの評論家が酷評し、「シンセサイザーを使うのがうまいだけのバ
ンド」と言ったので、レコードのクレジットに「シンセサイザー不使用」とま
で入れた。その後、打って変ってロック色の強いアルバムが登場した。初の映
画サントラに至って、目一杯にシンセサイザーを使うようになった。曲に劇中
のセリフが多用されているのも当時では珍しい。

各アルバムの最初の曲は特におかしな曲が多い。和太鼓の曲。意味不明の歌
詞が全編続く曲。制作関係の人物を徹底的に罵倒するだけの曲。周囲の期待を
裏切ることに全精力を傾け、既成のイメージを破壊し尽くすことを執拗に繰り
返した。そんなクイーンの曲の中で好きなのは、私が「自省曲」と勝手に呼ぶ
一群の曲である。破壊と創造への自らの挑戦を省みる内容の曲である。『レッ
ト・ミー・エンターテイン・ユー』の意味は、「あなたを楽しませさせてくれ」。
日本語で収録された曲の存在にまで自信まんまんに言及している。

それから10年近くを経て、コンサートの幕間に酸素吸入が欠かせなくなっ
て来た頃、新譜に奇天烈な曲は殆ど現れなくなった。その中で私の最高に好き
な「自省曲」が発表される。”Was it all worth it” では、その意味の通り、
「今までやったことには本当に価値があったか」と、何度も何度も振り絞るよ
うに問う声が続く。「そうだ価値ある道程だった」と、最後に一度叫ぶ声は、
自分を納得させるものとしか思えない。

変わらぬメンバーで継続して二十年近く。酷評が賞賛に代わり、生活には何
不自由しなくなった。他ならぬ自分が破壊の上に築いたものを、再度、再々度
破壊する力はいつしか失せる。その道程は本当に価値があったのかとあぐねる
と、虚無感が止めど無い。

「成功体験の否定が経営の基本ですか。もうすぐ引退の私は、成功したのかど
うかさえ分かりませんが」と或る創業社長が呟く。頭の中に大好きなあの曲が
流れ始める。
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次号予告: 第127号 原理の泥濘 (5月10日発行)
前回の第125話に続き、店舗における顧客満足の原理と実践に関して、セミ
ナーに参加してみて、抱いた感想をまとめてみました。店員教育などの視点を
検証してみたいと思います。ご期待下さい。(完)