056 憑依なき言霊

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経営コラム SOLID AS FAITH 第56号
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ご愛読ありがとうございます。第56号をお届けします。

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ページ運営」をテーマに所謂ウェブマーケティングの手法を提案しています。
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一報下さい。

今回の号は、街で見かける標語に関して考えたことをベースにまとめたもの
です。お楽しみ戴けましたら幸いです。いつもの如く、ご意見・ご感想はお気
軽にメールにてお寄せ下さい。必ずお返事致します。返事の納期は5営業日!
どんどんお送り下さい。
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その56:憑依なき言霊

区役所の前を通ると、「税金を納めましょう」と垂幕が下がっている。歩道
橋には横看板が取り付けてあり、「交通事故0宣言都市」と、いつ決議したの
か分からない、そして何より、そう宣言すると何が変わるのか分からない文章
が書き込まれている。

経済学の定義するインフレの状態に、街の標語もあるのではないかと思う。
流通している標語が多いが故に、その価値が下がり、結果として、誰も耳を貸
さなくなる。「貼紙をするな」と書かれた電柱には、その警告の貼紙以外に必
ず幾つかの広告が貼られている。

宗教団体のありがたい言葉もある。「全人類が平和に暮らせますように」の
祈願文から、「神はあなたの罪を見逃さない」などの脅迫的文章まで色々であ
る。これらが個人の家の外壁に貼付けられていることがある。張ったのはその
住人なのだろうか。座右の銘のように、内壁に貼るだけでは我慢できなくなり、
他人ともその効用を分かち合いたくなるような文章とは私には思えない。

溢れる標語のコストパフォーマンスを考えるのは面白い。コストはさておき、
パフォーマンスの方が問題である。念じたり、宣言したりして問題は解決する
か。人は言葉のみによって本当に学び得るか。

ある会社を訪れると、事務所の壁の上方に、今月の売上目標が掲げられてい
る。社長室に入ると、社是・社訓が額に入れられている。しげしげとそれを眺
める私に、社長は言った。「読み上げさせたり、意見を発表させたりしても、
どうも、社是・社訓の言わんとすることが行動に反映しないんだよね。この前
なんか、中堅の営業マンが会社全体の今月の売上目標額を答えられなくてね。
がっくり来たよ」

同じような話を、今週の目標を毎週日直の生徒に書かせる小学校の先生から
も聞いたことがある。考えてみると、人は子供時代から、目に入るもの、耳に
聞こえるものを無視するようにトレーニングされているのではないか。民間伝
承が口伝えで多くなされたと言うこの国で、随分と言霊の影響力は減ったらし
い。

聞かせることはできても、聴かせることは容易ではない。視界に入れること
はできても、それを観させることはできない。行動とその規範を伝える時、見
せたり聞かせたりする以外の手段が先に必要ではないかと考える。
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「企業から人へのコミュニケーションを考える」
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次号予告:アートの冴える時(2月25日発行)
請負っている営業担当者の採用面接代行をしていて、いつも考えさせられる
営業担当者が持つべき顧客モデルについてまとめてみた文です。ご期待下さい。