413 未知の全力

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経営コラム SOLID AS FAITH 第413号
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ご愛読ありがとうございます。第413話をお届けします。

東京では桜満開のシーズンも終わり、新年度・新学期が始まりました。毎年
のことながら、年始に寒中見舞いの発送などで接点ができた方々への提案など
を重ねつつ、4月になりました。弊社代表は動物的なのか、寒い間はデブにな
りやすいので、春の訪れと共に、自転車を乗り回すなどして、減量に励まねば
ならなくなります。

ここ最近、弊社代表は『限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有
型経済の台頭』と言う書籍を読んでいます。中身が濃く、なかなか読み進みま
せんが、内容が刺激的で示唆に富んでいます。主に多国籍企業を筆頭とする大
手企業の経営に関して、利益を生むビジネスモデルの構築が尚一層困難になる
未来を描く内容です。どちらかと言うとAI活用の急速な進展が経済のあり方や
経営の方法論を根底から変えていくと思っていましたが、AI活用と対になった
IoTのインパクトを説く内容でした。

総じてビジネスの利益性が薄くなる未来の到来は、増田悦佐氏の書籍でも繰
り返し言われていますが、愈々それが現実のものとなりつつあります。事業の
単位で見ても「旨み」などと称される利益性が急落するのが必定なら、経営の
形はそれに応じて変化せざるを得ません。その形を各々の個性ある中小零細企
業において実現するのを手伝うのが弊社の仕事なのだろうと考えています。

今回の『未知の全力』は、今時のヒット曲の歌詞に若手人材の人生観や労働
観を見てみたものです。経営についての議論として、取るに足らないようなモ
チーフではありますが、春の日の一時に一緒に御一考賜れれば幸です。本文に
対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事
の目標納期は5営業日!!
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その413:未知の全力

珍しく一日がかりの勉強会の昼休みにiPODを聞いていたら、参加者達がど
んな音楽を聴くのかと尋ねて来た。聞いていたのは朝倉さやの『方言革命』。
「『んだらなはぁ~、いづまでたってもぉ。とでもやんねぇ、みでえだず~
♪』って分かる?『あずさ2号』の『さよならは いつまでたっても とても
言えそうにありません』の秋田弁。なんか嵌ってしまって、歌詞完璧に覚えた
さ。『ロビンソン』もかなり楽しい」と、何曲か聞かせると、「これ、面白い
ですね」と彼女らもニコニコする。

このアルバムで歌詞の内容が気になる曲がある。「スキマスイッチってバン
ドの『全力少年』って曲、知ってる?」と私が尋ねると、彼女らは口々に「あ
あ、有名ですよ」と応え、「それも、聞いてみてもいいですか?」と尋ね終わ
らないうちに一人が頭出ししていた。

「これさぁ。『躓いて、転んでたら置いてかれんだ』って、そんな焦燥を抱え
ている人って若い人に結構いるのかな?趣味から何からみんなバラバラでもOK
な時代になったでしょ。みんな違っていいなら、置いてかれはしないよね。
で、『泥水の中を今日もよろめきながら進む』だよ。そんなに毎日灰色で苦し
いかな。ネットもビデオもない時代のテレビ番組みたいに見逃したら最後、
チャンスは絶対無いって感じのこと、今の時代はあんまり無いじゃん。昔なら
有り得ない楽しみとか、そこそこ金も掛けず実現するから、逆にそう言うこと
の価値が低くなっちゃって、毎日が灰色になっちゃうのかなあとか思って」。

「市川さん、そんなこと考えながら歌聴いてるんですか」と彼女らが呆気にと
られて聞く。
「うん。ヒット曲って共感してる人が多いってことでしょ。気になるよね。こ
の曲の一番分からないとこは、『積み上げたものぶっ壊して、身につけたもの
取っ払って』全力出せば、『濁った水も新しい希望ですぐに透み渡っていく』
ことかなぁ。これヤバいなぁって」。

「人間は変わらないが、適応はできる。事実は変わらないが、認識は変えられ
る」は、噛み締め甲斐がある師匠の言葉。人間は積み上げたものをぶっ壊すこ
とはできないし、身につけたものを取っ払うことなんかできない。ただ、それ
らを現実に適応させていくことができるだけ。「濁った水」だって、新しい希
望なんかなくても澄みわたる。人間の認識は常に相対的で、いつでも簡単に変
えられる。むしろ勝手に変わることも多い。

なんだかなあと思っていたら、若き個人事業主志望者数人に起業の実際を話
す“お車代仕事”のお声掛けを戴いた。フェイスブックで「いいね」を4桁集
めた“意識高い系”の “社会に役立つ新たな仕事”で喰って行けない参加者
などが居ると聞いた。私には未知の理由で、「全力」を試してみたい人は、世
の中にそれなりに存在すると気付かされた。

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春は展示会開催の季節です。
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多くの業界テーマ単位の展示会が目白押しです。

行ってみると分かるのは、
各出展ブースの対応が非常に杜撰であることです。

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海外企業のブースは特に甚だしく、
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『「事務ミス」をなめるな!』 中田亨 著
■『説得は「言い換え」が9割』 向谷匡史 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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次号予告:
第414話 『収穫逓減未満』 (4月25日発行)
中小零細企業のオーナー社長がよく口にする「少数精鋭の組織」。その言葉
の意味するところを今更ながら考えてみました。

(完)