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経営コラム SOLID AS FAITH 第52号
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ご愛読ありがとうございます。第52号をお届けします。
本格的に寒くなってきましたが皆様は如何お過ごしでしょうか。
MSIグループではマンパワーの足りない中、以前の号でお知らせした「月
刊フランチャイズ」の原稿作成や来春からの大学講座の準備に追われておりま
す。年賀状も、お世話になったみなさんに近況をきちんと報告できるものにで
きるよう工夫を凝らすことを考えついてしまったため、その手間に自縄自縛状
態になっています。
先日霊前に参ってきた「師」には程遠い企画請負業者でも、走り回らねばな
らないのが不景気の「師走」と言うことなのでしょう。
今号は、中小企業の後継者問題を扱ってみました。お楽しみ戴けたら幸いで
す。当メールマガジンについてのご意見・ご感想は、どしどしお寄せ下さい。
返事は確実。納期は5営業日です。
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その52:チェイン・リアクション
田舎に住む従兄弟が結婚する。その両親である私の叔父・叔母は、相手の両
親と会い色々と話をしたと言う。話はどこかの時点で、宗教の話となり、相手
の家は日蓮正宗の寺の檀家と分かったと言う。
叔父が私に聞く。「日蓮正宗って、日蓮宗とはどう違うんだろ。うちが日蓮
宗だろ。「正宗」って言うぐらいだから、一応、向こうが正しいと言うことを
言っているわけだろ」。
「いやぁ、あんまりよくは知らないんだけど、日蓮がいた寺があるのが身延山
じゃない?で、日蓮が多分亡くなった後だと思うけど、弟子間で、日蓮の教え
の解釈の違いやら、所謂後継者問題でもめたんだと思うけど、その出て行った
人の方が、日蓮正宗を始めた人だとか聞いたことがあるような気がする」。私
は怪しい知識を披露する。
数学が自然数・整数・実数・複素数と扱う範囲を広げたように、人文系の知
識はなぜ積み重ねることができないのだろう。ありとあらゆる宗教には、必ず
色々な宗派が乱立している。言葉を費やしても、文章に書きとめても、解釈は
受け止め側によって異なってしまう。
考えた人間が死ぬたびに、御破算になる空しいプロセス。しかし、だからこ
そ、人それぞれに、伝えられた断片は解釈され、新たな可能性が付け加えられ
る。それが他人のものと統合されることはなく「個性」となる。
時を経て進化しないからこそ、目にするものは違っても、意思伝達の手段は
違っても、清少納言や紫式部が描く身を焦がす想いが、今なお理解できる。で
きること、することは違っても、経営誌が戦国武将の処世術を特集して、共感
を呼ぶ。先日読んだ中島みゆきのエッセーには、「言葉」の伝える力の限界と
危うさと、だからこそ「言葉」を重ねて伝わる「想い」が描かれている。
「自分の分身を作ろうとするのは止めた方が良いですよ。この組織が何の為に
できて、何をすることを良しとしているのか。それだけ理解されれば十分じゃ
ないですか?」。同居していても、息子と一日5分も「さし」で話さないよう
な経営者から、後継者に対する愚痴を聞くたびに、私はこう答えることにして
いる。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:選択の放棄(12月25日発行)
2001年最後の号は、ここ数年、何かと巷間に登場する「自己責任」について
考えてみるシリーズの第一弾です。第二弾は2002年の第1号と言うことで、年
を跨いでのシリーズ発行です。御期待下さい。