048 おまけの行方

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経営コラム SOLID AS FAITH 第48号
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ご愛読ありがとうございます。第48号をお届けします。

とうとう、48号まで辿り着きました。世間では第二のテロだの何だのが騒が
れていますが、そんな中、私は私用で渡米することとなりました。みなさまが
この号をお読みになる頃には、恙無く行けば、昔通った大学のあるオレゴン州
にいることと思います。(職場の人間からは、「こいつに保険をかけて儲けま
しょう」などと言われていますが。)

その関係で、多少準備が遅れ、二周年記念号の発行は本来の2年目の日、10
月末日より遅れる可能性が出て参りました。11月の上旬までには発行したいと
思っておりますので、遅れた場合はご容赦下さい。

お気に入りの号の募集は、もう少しだけ行います。本文後の案内をご覧の上、
どしどしご一報下さい。よろしくお願いします。(特に、私の知人友人の読者
の方、必ずご協力下さい。)
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その48:おまけの行方

妻がまた懸賞に応募している。雑誌のプレゼント企画に応募葉書をせっせと
書いている。「買うってほどじゃないけど、貰えるなら有っても良いかぁ」な
どと呟いている。

「ああ。フィルムも値が下がっちゃて、3本パックでも市場価格で1000円切
っちゃったんですよ。だから、景表法の関係で、ベタ付けのおもちゃは100円
ぐらいの物にしないと」などと、写真用フィルムのマーケティング担当をして
いた頃、私もデパートの外商担当者にフィルムに付けるおまけを注文していた。
同じ外商が、フィルムを他社製品のおまけに使う。目的が何であれ、買ってく
れるのは喜ばしい。しかし、心のどこかに釈然としないものが微かに残る。

出張で飛行機に乗ると、搭乗半券を付けて応募する懸賞の台紙が配られる。
商品には折り畳み自転車があった。近所のGMSに行く、折り畳み自転車を売
っている。光り輝く展示品のハンドルには、懸賞の応募台紙が括り付けられて
いる。商品の一つは海外旅行だった。商品がある所ではおまけになり、見かけ
上ただで手に入る。そのおまけと商品の同じ組み合わせが、別の場所では逆転
する。

人材紹介業を手伝うようになって、求職者と面接する際に、早い段階で聞く
べき質問がある。「極論ですが、次に就職する時に、優先しなければならない
のは、収入額と仕事のやりがいのうち、どちらですか」。そして「では、就労
時間などの条件と収入とどちらを優先しますか」。

企業を訪問すると、幹部や経営者が、「ウチの社員は燃えていない」、「い
まどきの若い連中は覇気が無い」と愚痴り出す。そこの社員と話してみると間
違いなく分かる事実がある。その社員達は燃えない訳ではない。その若者達に
覇気が無いのではない。彼らの人生の内で、本命の「商品部分」は勤務時間の
外に在る。社内には「金が貰えるならいても良いかぁ」という「おまけ」だけ
が揃っているのだ。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)

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<二周年記念ミニ特集号準備中!>
一周年記念号ほどには気合いを入れず、昨年10月からの1年間をちょっとだ
け振り返る二周年記念号を出そうと思っています。そこで、前回同様、是非是
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次号予告:コアの形成(10月25日発行)
企業のアウトソーシングが色々な形で中小企業にも入り込むようになって来
ましたが、今のところ私は、大きな成果を収めているような、ある種の「雛型」
にはお目にかかっていません。また、アウトソーサー側にも、中小企業のアウ
トソーシングは難しいと言う人が多くいます。そんなことをまとめてみました。