042 安易な帰結

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経営コラム SOLID AS FAITH 第42号
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ご愛読ありがとうございます。第42号をお届けします。

以前もどこかに書いたので、ご記憶の方も多いかと存じますが、当コラムの
原稿は約1年分を書き溜めており、この号も昨年に書いたものです。景気減退
が騒がれ数年経った時期に、余りに当たり前のことが物凄い決断を要する話の
ように、時には大発見のようにテレビで語られているのを、見ていてまとめた
ものです。その背景には、大手企業のとても甘い経営判断があるように思えて
なりません。

多少、不親切な展開の文章ですが、お楽しみ戴ければ幸いです。

みなさまのお気に入りの号の募集は、まだまだ行っております。本文後の案
内をご覧の上、どしどしご一報下さい。よろしくお願いします。
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その42:安易な帰結

テレビでニュースを見ていると、金利がそろそろ上昇するのではないかと言
っている。バブルのツケをやっと払い終えそうなので、これからは、また、新
たなビジネスの展開が必要になるのだと大手企業の経営者が臆面もなく語る。

何の因果か、金利が異常に低くなる。カネが出回り、流れる。カネの価値が
下がり、物価が上昇する。貯めておくだけでは勿体無いから、土地やら株を買
ってみる。たいしたやりもしないゴルフの会員権を買ってみる。それらの値段
がべらぼうに高くなる。

オランダのチューリップ騒ぎ同様に、こんなことがいつまでも続くわけがな
い。伸びたゴムは縮まねばならない。子供でも分かりそうな理屈が、大企業経
営者のインタビューを擁するニュースになる。愚策の後処理が、新たな経営手
法と言う。

テレビによると、到来する高齢化社会に大きな市場機会があるのだと言う。
電車に乗ればシルバーシート。プレゼントと言えば、入れ歯の洗浄剤か杖。
「寝たきり老人」や「セプテンバー・セックス」。年を経れば万人が必ず抱え
ること。それがまるで病気や交通事故のように語られてきた。だから、世の中
には「普通の人」向けの商品が溢れ、シルバー市場は「新規」の市場だ。

突如として数千万人の高齢者が出現するわけではない。自己表現に自己実
現。大人が好き勝手に生きる時間を多くして、子供を作らなくなった。人口の
ある部分が減れば、残りの比率は上がる。

日下公人氏はその本で、「シルバー市場への進出をするのなら、退職間際の
社員に商品企画をさせよ。そして、大家族で育った新入社員ばかりを採用せよ」
のような主旨の文章を書いている。著者がわざわざ指摘するほどに、大手一流
企業で、こんな当たり前なことも実現されないのだろう。私の知る幾つかの大
手企業では、商品企画は肩で風切る若手エリートの花形職だ。

山本七平の「空気の研究」を読む。日本人が集まって決を採ると、当たり前
のことが通りにくいらしい。異常に高かった株が値を下げる。不当にも「特別」
だった高齢者が普通に戻る。直観的にも当然の帰結を予測して儲けることに長
けているのは、大手より中小企業であるように、私には感じられてならない。
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一つの会社に長く籍を置く人が少なくなっているように感じます。人々にと
って、良い職場とはどんなところなのでしょうか。お世話になっている先生の
公演を拝聴して書いてみた文章です。