385 日常投資活動

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経営コラム SOLID AS FAITH 第385号
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 ご愛読ありがとうございます。第385話をお届けします。

 札幌では世界中から観光客が押し寄せる恒例の雪祭りが終わり、漸く冬が終
わりに向かい始めました。南日本でも雪が降るような冬でしたが、札幌で見る
限り、冬のさなかでも国道の路面が出たままの暖かい冬でした。

 今号が届く2/10に、弊社代表の市川は、初めての沖縄に上陸しているはずで
す。きっかけは『女子大生風俗嬢 若者貧困大国 日本のリアル』という一冊
の本。中盤の第三章は「貧困の沖縄を行く」と題されていて、大学を卒業して
も、相応に稼げる仕事がなく、毎月多額の奨学金返済に追われる大学卒業者の
姿を描いています。
 
 偏在する好景気の影響か、「大手企業の採用意欲がかなり強いらしい」との
噂が立つだけで、中小零細企業の採用は苦戦します。特にオリンピック需要が
意識されている関東圏では、中小零細企業の採用難はそこここで耳にします。
採用支援・採用代行の企業に50万円単位の金銭を払っても、納得できる質の人
材の確保は至難の業です。
 
 そんな中、働きたくても働けない若者が溢れ返っているのなら、東京から2
泊3日のツアーが4万円でお釣りが来る、沖縄の就活の現状を見知ってみる価
値はありそうです。詳しくは、PR欄をご覧下さい。
 
 第385話は『日常投資活動』と題して、様々な定義が存在する「仕事の付加
価値」を、「次回以降の仕事を確保するための投資」と定義し直してみた内容
です。あまり理解が深いとは言えませんが、マルクスの『資本論』の剰余価値
まで視野に入れて、検証してみました。よく「付加価値が高い仕事をしたい」
と言う若手社員もいますが、弊社の考え方では、「付加価値の高い仕事」がも
ともと存在しているのではなく、どのような仕事にも「意思によって価値を付
加できる」のが本来です。
 
 評価される仕事や付加価値の高い仕事の実際にひと時思いをめぐらせてみて
戴けましたら幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。
頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その385:日常投資活動

「今日は、まず、お客様満足について考えてもらいましょうか」。
 社員に“何か役に立つ話”をするように依頼されているクライアント企業に、
定期的に伺っては、それらしき話をしてお金を頂戴している。
 
 話の始まりはお客様満足。お客様満足は良い驚きが与えられた状態。与えら
れるものを先に知っていたら、お客様は驚かないので、満足しない。だから、
お客様の期待を良い方向にちょっとだけ裏切ることがサービスの鉄則。ちょっ
とではなく大判振舞いしても良いが、後が続かなくなる。
 
「お客様満足の原理は分かりましたが、なぜそれが大事なのか分かりません」。
挙手して参加者が尋ねてきた。お客様満足が実現すると「3Rが増える」と言わ
れている。その一つは、リピート。お客様満足が実現すると、お客様は次の良
い驚きを求めて現れる。リピートが発生しやすくなれば、新規のお客様開拓の
コストが大幅にカットできる。結果、利益が増大する。このメカニズムを説明
すると、参加者が皆「おおっ」と沸く。

「だから、お客様の期待通りのサービスを提供するのは、今回の分のサービス
として当たり前。+αをつけるのは、未来の仕事を受注するための投資と考え
るべきかもしれません」。
 ことの重大さに気づき始めたのか、今度は誰もが無言で頷いている。

「それじゃあ、ちょっと視点を変えてみます。お客さんがくれる報酬は皆さん
に間接的にしか届きません。と言うことは、皆さんがお客様に提供するサービ
スも本来の皆さんのサービスの副産物のようなものだと言うことになります。
皆さんに直接お金をくれるのは、御社の社長です。皆さんの本当のお客様は社
長だと言うことになります。原理だけで言うと、毎日言われたままのことをし
ているだけなら、未来への投資がないので、いつ仕事がなくなっても不思議が
ないということになりますね」。
 全員の表情が強張るのを感じつつ、私はにこやかに話を進める。

「マルクスの『資本論』には剰余価値といって、資本家が労働者に余計に働か
せて自分が儲ける価値を搾取していると言う話が出てきます。面白い考え方だ
と思いますが、セーフティーネットも今に比べて全然ない当時に、翌日の仕事
を得るための投資をするのは当然に私には思えます。どうせなら、単純な剰余
の労働ではなく、工夫して資本家を驚かすこともした方が良かったでしょうけ
ど」。
 そして私は参加者に、その日のお題が「評価される社員」であったことを伝
えた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

沖縄上陸作戦決行!

2/10(水)から2/12(金)の2泊3日の旅程で、
弊社代表の市川が、沖縄に行きます。

『女子大生風俗嬢 若者貧困大国 日本のリアル』に描かれる
働きたくても働く仕事が見つからない大卒者の実態。
さらに、毎月奨学金の返済に苦慮する大卒者の実態。

中小零細企業でさえ、
アジア圏の若者の就業を推進しなくてはならないほどの、
労働人口の減少が眼前に迫っている中、
ビザ手配の手間も心配もない、
国内の若い労働力の確保には、検討の価値があります。

県下の主要大学の就職課などを集中して訪問するとともに、
現地の労働市場を短期間に集中して観察し、
中小零細企業が身の丈で行なえる
国内遠距離大学新卒採用の形を模索したいと思っています。

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『一〇三歳になってわかったこと… 』 篠田桃紅 著
■『定年後のリアル』 勢古浩爾 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第386話 『見知らぬ売り手』 (2月25日発行) 
 以前、第381話『見知らぬ語り手』をお届けしました。特に続編という訳で
はありませんが、無意識が司る自分について「語り手」から「売り手」に対象
を置換した構図になっています。意識できない自分自身。一緒にご一考くださ
い。

(完)