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経営コラム SOLID AS FAITH 第381号
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ご愛読ありがとうございます。第381話をお届けします。
今年もとうとう1ヶ月を切りました。街はクリスマス商戦・年末年始商戦が
開始され、夜には行く先々でイルミネーションが輝く季節になりました。弊社
代表の市川は、先月の上旬に講演させていただいた荒川法人会で名刺交換をし
た方々の事業所へのアポなし訪問行脚を、レギュラー案件の隙間でこなしなが
ら、何となく毎日を過ごしています。
来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、来年には、当コラムは10月末に
17周年を迎えて記念特別号を発行する以外に、400話にも到達し、400話発行
記念特別号も出すことになります。これはマズイと気づき、今年の16周年記念
特別号発行以来、企画の検討を進めております。書き物系の仕事がじわじわと
増える傾向にありますが、来年は文字書きの量が今年よりさらに増える可能性
が出てまいりました。ネタの仕込みを励行したいと思っています。
今回の号は、無意識の制御に任されている自分自身の自覚について考えてみ
ました。プレゼンやスピーチを考えながら行なっていると、話している自分の
ほかの事柄の制御は無意識が総て司っていて、自分では意識することができま
せん。スピーチの練習風景から、自分が知り得ていない自分自身のありように
ついて、少々考えた内容です。お楽しみ戴ければ幸です。本文に対するご意見・
ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5
営業日!!
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その381:見知らぬ語り手
“You know, I said that I….”
“No, I don’t know.”
“OK. I said that this hypothesis did not seem valid, you know.”
“No, I don’t know.”
“OK.”
留学した大学で、英語も不慣れなうちに取ったスピーチのクラス。なまじ母
国語で話せる他の学生達は、講師からきつく指導される。特にYou know など
どうしても口をついて出てしまうフレーズは、徹底的に矯正される。実際には
日本語の「知っての通り」よりも、軽いニュアンス。学生がそれを言うたびに
講師が、「いいえ。知りません」と話を遮る。
「言葉のヒゲ?って言うんだね。それを止めるための5カ条か。たとえば、ヒ
ゲを言いそうになったら、間に置き換える。なるほど。確かに有効だと思うん
だけどさ。これ、自分ひとりで、心掛けているうちにできるようになることな
のかな。いや。あなた方が、ぐうたらだとか嘘つきだとか、そう言うことを言
っているんではなくて。人間って一般論で、そんなに自分をコントロールでき
るもんなんだろうか」。
遥か以前のスピーチのクラスで学生達が悪戦苦闘していた「You know」など
は、日本語では「言葉のヒゲ」と呼ばれていると、クライアント企業の勉強会
で初めて知った。勉強会では、参加者が各々担当する科目を他の参加者に教え
る。プレゼンの技法の教授を担当する参加者が「言葉のヒゲ」対策を語る本人
が、常に「え?」と「まあ」を連発していた。
国内の催眠術の第一人者の先生に指摘されて、自分がスピーチや講義の場で
聞き手を催眠状態に陥れていると知った。それ以来、趣味と実益で学んだ催眠
技術は、端的に言うと、無意識に自由自在に命令を書き込む体系的な技術だっ
た。無意識について知れば知るほど、意識の制御範囲の矮小さが痛感される。
人間の意識は毎瞬間に一つのことしか扱えない。スピーチの続きを思い起こせ
ば、ジェスチャーも表情も声色も全部、無意識の制御に明け渡す。姿勢を正す
動作をすれば、その間、他の事に注意を払うことができない。
「動画に撮ったスピーチ中の自分を見ると、まるで覚えてないおかしな仕草や
表情をしていて、ゲンナリします。何とかしなきゃと思うと、余計に緊張して
きます」。
スピーチ中に湧く緊張や不安などの心情まで意識すれば、余計に他へ意識の
制御を配分できなくなる。話すことについての催眠療法への需要は大きい。自
分独りでは知り得ない自分と言う話者。そちらこそが周囲が知る自分と分かる
とゲンナリを越えて慄然とする。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知』 高石宏輔 著
■『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい
:正義という共同幻想がもたらす本当の危機』 森達也 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第382話 『甘い誘惑』 (12月25日発行)
最近あまり評価されているようには見えない“我慢強い子”。クリスマス当
日の今年最後の配信は、美徳としての我慢強さについて考えてみます。
(完)