=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第36号
=================================
ご愛読ありがとうございます。第36号をお届けします。
とうとう、MSIグループが法人化されました。レギュラーでお仕事下さる
方もいらっしゃるので、零細事業者になっても、細々ながら、なんとか食べて
行くことはできそうです。(ホームページも法人化に合わせて修正しようと思
います。是非ご覧下さい。)
そうこうしている所へ、お世話になっている方からの紹介で、雑誌「仕事の
教室」のインタビューを受けることとなりました。「パワフルサラリーマン列
伝」と言う特集で、私の転職歴についての記事が小さく掲載されております。
4月下旬発売の6月号とのことですので、関東圏の方はご覧になってみてくだ
さい。一応、写真も載っています。
今回の号は、マーケティングの顧客モデルの設定やマーケット・セグメンテ
ションについて考えてみました。ご感想・ご意見はどしどしお寄せ下さい。
(返事は確実です。納期は5営業日です)
=================================
その36:空ろな鳩穴
昔、大手企業に勤めていた頃、職場に献血車が来て、献血するように指示さ
れた。どこかの港町のはずれなら現金になるはずの血液は、無造作にトマトジ
ュースの缶と交換されてゆく。列に並び、袖をたくし上げ、消毒し、こぶしを
握り、開き、一連の流れが無造作に進められて行った。「はぁーい。O型の方、
こっちに並んでください。はいはい、そこのO型の方、こっちですよ」。名札
をしている私を「そこのO型の方」と呼ぶ看護婦が無性に腹立たしかった。
以前の職場で同時期に入社した同僚の妻と、私の妻は生年月日が全く同じだ。
同じ血液型で、おまけに子供の頃生まれ育った区まで一緒である。だから、姓
名の画数やバラの花弁だのを使わない限り、占いの結果は全く一緒になってい
るだろう。どちらかの妻に「夫に不幸が起きる」と出れば、二人ともとんでも
ない目に会いそうだ。これもどことなく苛立たしい。
血液型がO型の人間は世の中に溢れている。生年月日が同じ人間も、日本人
だけでもかなりいることだろう。同じ地域に住む者や同じ職種の者も数多くい
るだろう。この同じ属性を持つ人々は、1秒の間にさえ打ち寄せてくる数々の
人生の判断分岐点で、同じ選択肢を選ぶだろうか。
ヘビメタのコンサートチケットを買いに行った。私がコンサートに行く本人
と分かると、「お客様、こちらのチケットでよろしかったですか」と確認する
店員がいる。
駅前の赤提灯には若いOLが居座っている。「若いカップルにはお勧めの…」
と評論家が言う映画の試写会には、なぜか老若男女が集ってくる。この人達の
心のどこかに共通の何かがその場所へと足を運ばせる。それが何かを知りたけ
れば、想像できるモデルをそこへ当てはめてみると良い。アンケートやインタ
ビューでは現れない顧客と商品のつながりが見えてくる。
私は多分、70になってもヘビメタを聞くだろう。マーケティング論で言うタ
ゲット顧客のセグメンテーションなど仮説でしかない。いとおしい商品を購
入してくれる何より大切な現実の顧客を前にして、自分勝手な枠組みでしかそ
の人を理解できないのなら愚かしい。
> pigeonhole (名詞)「鳩の巣穴/分類棚」 (動詞)「~を分類する」
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
=================================
発行 MSIグループ(著者:市川正人)ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
msi-group1@mbb.nifty.ne.jp
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
行しています。(http://www.mag2.com/ ) マガジンID:0000019921
講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/SAF-index.html
MSIグループの業務案内はこちらです。
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/MSI-profile.html
=================================
次号予告:溢れる循環財(4月25日発行)
貢献すること・感謝されること。こんなありふれたことによる動機付けを考
えてみたいと思います。分かりやすい号だと思います。ご期待下さい。
=================================
<二周年記念ミニ特集号準備中!>
一周年記念号ほどには気合いを入れず、昨年10月からの1年間をちょっとだ
け振り返る二周年記念号を出そうと思っています。そこで、前回同様、是非是
非、皆様のお気に入りの号をお知らせ下さい。
ベスト3でも、ベスト10でも結構です。(号数やタイトルが分からなくても、
エピソードだけお伝え頂ければ十分です。)よろしくご協力下さい。
お知らせ先: msi-group1@mbb.nifty.ne.jp