361 構造の顕現

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経営コラム SOLID AS FAITH 第361号
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 ご愛読ありがとうございます。第361話をお届けします。

 柄にもなく、三重県の商工会の建築部から講演の依頼を戴きました。一月下
旬の土曜日に、人生で初めて津市の辺りに行って参りました。「ああ、四日市
喘息の四日市。お、鈴鹿サーキットの鈴鹿。おお、最も短い駅名の津。おや、
松阪牛の松阪…」と何がどこにあるのかも分からず行って、きょろきょろして
いる内に、往復の行程6時間半の日帰り旅行は終わりました。

 よく「講演で全国を飛び回っている」と言う経営コンサルタントの先生にお
会いしたりすることがあります。こんな日々を年に多数過ごしているなら、大
変なご苦労であろうと想像します。レギュラーのクライアント企業様のご相談
を長く受けさせて戴く企画屋稼業には、このような長旅はあまり発生しません。
現在のクライアント企業様に感謝した一日でした。
 
 若手社員の育成と定着についてまくし立てた1時間半の講演でしたが、「普
段聴いたこともないような話だった」とのご感想を多く頂戴しました。なぜ若
手社員の育成と定着の課題が普段聞かない話なのかよく分かりませんが、“あ
りがたい”と言うのは、「なかなかお目にかからない」と言う意味ですので、
“ありがたい話だった”との嬉しいご感想と解釈することに致しました。
 
 今号は、日常の生活の中で意識するとたくさん見つかる“儲かる仕組み”の
ようなものを描いてみました。特段、何か根源的な気付きがあるような内容で
はありませんが、「ああ、こういうことってあるよね」と頷きながらお読み戴
ければと思います。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴
したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その361:構造の顕現

 土曜日の夕刻にソファで『変ゼミ』の最新巻を読んでいたら、電話がなった。
出てみると太陽光発電設備の売り込み電話だった。今、お時間は大丈夫ですか
と尋ねるので、「『変ゼミ』の続きが読みたいので、数分ならいいですが」と
答えた。『変ゼミ』には一切触れず、テレビ電話なら満面の笑顔が見えるよう
な丁寧な口調で、トークが始まった。

 持ち家の確認。灯油代・電気代の確認。雑談めいた話の中で、必要事項が確
認されていく。5分ほどの会話の後、予想通り、「屋根を見て試算すると“い
い結果”が出る」と言う。家の屋根は完全無落雪の表面処理をした特殊合金に
葺き替えたばかり。おまけにFITの匙加減一つで、リターンが数年単位でガタ
ガタ変わる高リスク投資には全く関心が湧かない。

「持ち家とは言え、今時、償却まで同じ家に住んでいられない人は、たくさん
いるんじゃないの。うちも零細事業者だから、いつ左前になって、土地ごと誰
かに売っぱらわなきゃならなくなるか分からないのに、新たにローン組むとか。
そんな話に乗れるような人は、この北海道の経済事情で、そんなに居るのかな。
これ、東京発のトーク・パターンかな」。
 
 私は“聴く営業手法”として有名なSPINのパターンを参考に、太陽光発電
設備販売のクライアント向けに、対面営業のトーク・パターンを作っていたこ
とがある。電話パターンは未経験なので、大変参考になる。私のように色々脱
線してトーク・パターンに乗らない人間は少数派だろう。なかなか練ったやり
口なので、途中から録音してみた。
 
 電話の後、面倒臭さや独特の倦怠などを露ほども感じさせずに電話を明るく
切った若い男は、どんな風に訓練されているのだろうと想像していると、生命
保険会社の女性が溜まったポイントの使い方を説明に来た。元飲食店店長と言
う彼女は、若いのにやたらに安心感がある。「ああ、ちょっと私も不慣れです
けど…」と微笑みながら、新型の端末機を出して、画面を指しながら、ポイン
ト交換の対象商品を紹介してくれた。

「こういうの。どんどんよくなるよねぇ。こう、技術の粋がどんどん投入され
て便利になる感じすごいよね。これ、失礼な言い方だけど、お歳行っている女
性の営業の人も居るのに、ちゃんと皆さん使いこなせるのかな」と私がお節介
な疑問を提示した。

 すると、彼女は笑って答えた。
「市川さん。ほんと鋭いですね。研修が結構あるんですよ。皆研修受けますが、
やはり、お金ちゃんと稼ごうとする意欲が理解を進めるって感じでしょうかね。
あ、市川さん。この本好きなんですか。『変ゼミ』、聞いたことありますね。
今度私も読んでみます」。

 儲ける仕組みは、あちこちに透けて見える。それは今、重層的に幾つもが組
み合わさり、自社の組織構成員にも把握できないほどの“構造”となっている。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

三重県にて、衝撃(?)の若手社員育成・定着論を展開!

三重県のとある商工会の建築部の方々から戴いた講演依頼。
弊社代表はいつも言っている話ばかり…
と思って、話してみると、全くそうではありませんでした。

実は、一昨年末に東京の建設関係の方々にお聞かせした短い講演を
ネット上で偶然見つけた結果のご依頼と、現地で初めて教えて戴きました。
ご関心に心より感謝申し上げます。

若手社員はなぜ辞めるのか…
「それは、今時、多数派の若者はカネのために働いていないから」。
若手社員は何を求めているのか…
「概ね、承認と向上感」。

と言う説を、ありとあらゆる事例を用いて、
検証してみて戴く時間を設けました。
何人もの方々に何度も唖然とされた内容は、
“刺激的であった”とのことでした。

講演後には、後継者の選定や継承について、
数件ご相談を頂戴しました。
バシっと答えたら、ご満足戴けた様子でした。

ご関心を賜りましたら、
是非、メールでお気軽にお問い合わせ下さい。
bizcom@msi-group.org

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『新宿学』 戸沼幸市 編著、他著者三名
■『街場の憂国論』 内田樹 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第362話 『大人のサンタクロース』 (2月25日発行) 
「引き寄せの法則」と呼ばれるものがあります。色々な人が色々な立場で口に
するのを耳にします。原典にまで遡って「引き寄せの法則」を考えてみます。

(完)