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経営コラム SOLID AS FAITH 第360号
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ご愛読ありがとうございます。第360話をお届けします。
前号に続き、今号のPR欄でもご案内している大判寒中見舞いを皆様にお届け
したり、挨拶方々手渡したりしている中で、ご相談やお引き合いをぽつぽつと
頂戴しております。大判寒中見舞いは250通あまりを接点のあった方々などを
中心に、じわじわとお届けしつつあります。ご希望の方は、是非、メールにて
ご一報下さい。
今号は、以前、研修の打診を頂戴した、ホテル業の再建コンサルタントとの
面談で考えたことをまとめてみました。その手の物語を書いた書籍は多数あり
ますが、どの本を読んでも、熱意や情熱の類が再建の支えになっていることに
気付かされます。それを持ち合わせた人物による再建が可能であったことはそ
の企業にとっての僥倖ですが、問題はその人物がいつまでその組織に在籍し続
けられるのかと言うことです。
その企業が腐敗し凋落していくのを見ていた、以前から組織に在籍していた
人々が、再建屋さんのリーダーシップなき後、自分達の企業組織をさらに引き
上げ、伸ばして行こうと奮い立たねば、再建屋さんのどのような努力も、ただ
刹那的なカンフル剤にしかなりません。親から子への世襲的な形ではありませ
んが、事業継承の難しさがここにも存在します。そのようなことを背景に捉え
つつ、再建コンサルタントの思い描く、跡を継ぐ人々の動機付けの夢想に関し
て考えてみました。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴
したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その360:守成の本質
「面白いおっさんだなぁ」と私は正面に座った彼を観察していた。
彼は、ホテル業の再建コンサルタント。業績が極端に悪化した旅館とホテル
の両方を持つ企業を、或るファンド会社が買収した。ファンド会社が幾ら梃入
れしても業績は上向かない。そこでファンド会社が時限付の経営トップとして
送り込んだのが、彼と言う話だった。それから数年業績はV字回復した。彼が
去る時が刻々と迫る。彼が去れば業績はまた急落する可能性が高い。現場幹部
を変えなければと焦った結果の引き合いの打ち合わせ。
彼の下にはファンド会社が送り込んだ上級管理者が数人。彼らは本体に戻る
ことしか考えていないらしく、経営改善の旗振り役にもなっていないらしい。
その下には現場マネージャー層。業績急落を見ていたとも、引き起こしたとも
言える人々。再建コンサルタントは、ファンド会社へ戻る日を夢見る上級管理
者は放置しておき、現場マネージャー層を意欲溢れる人々に今すぐ変えねばと
燃えている。
彼によれば、旅館とホテルの並行経営は比類ない難易度で、それへの挑戦こ
そが、動機付けになるという。噴出すのを堪える苦行のようになった。ホテル
業の再建コンサルタントはどうもホテル業で頑張る自分自身しか見えないらし
い。「比類なき難易度」とは恐れ入る。再建コンサルタントは、経営再建のた
めに寝食も忘れて努力したことだろう。自分の思い入れある“難易度”に取り
組むのは、余程の遣り甲斐だろう。しかし凋落する自社を傍観していた現場マ
ネージャー達にそれが共有できるとは思えない。
「かなりハードな地獄のナンチャラのような研修でご希望は叶えられると思い
ますが、脱落者は大量に出ると思います。脱落者を出さないようにするなら、
短期間にご希望レベルに全員やる気バリバリは難しいでしょうね」。
私が答えると、「この仕事の素晴らしさが分かっていない人間では話になら
ない」と、激昂して、彼は足早にその場を去っていった。
「創業は易く、守成は難し」と、中小零細企業のオーナー経営者向けのビジネ
ス誌の編集部で後継者特集を組んだ際に編集長に教えられた。創業はどれだけ
苦労が伴おうとも、何をどうするかをゼロから決められる。それに対して守成
は、決められた枠の中の選択肢しかない。そんな守成を引き受けるには、ちょ
っとやそっとのカネでは全くおっつかないぐらいのインセンティブが必要だろ
う。実際の後継者に取材してみると、召集令状で戦地に赴く兵士や、これから
ゼロ戦に乗り込むパイロットのような、「その場に選ばれてしまった自分」を
甘受する姿勢ばかりが目に付く。自社が劣化するのを他人事と受け止められる
感性とは、真逆と言っていい。
「比類なき難易度への挑戦」と自分の仕事を我田引水に語れる“再建請負”と
言う易き創業の専門家には、守成の難しさも候補者の適格も、関知できなかっ
たのだろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
今年も恒例の大判寒中見舞い 発送作業進行中!
社長、創業から何年経ちましたか?
創業以来、社長の仕事は増えるばかりで、
このままでは、いつまでも、どこまでも
楽にならないのではありませんか?
これからも、それでいいのですか?
今回のテーマは、「自発的に行動する社員で組織を満たす!」
社員の数が、10人になり、20人になり、どんどん増えてきても、
社員が自発的に働くようにならなければ、
経営者は何年経とうと、まったく楽になりません。
社員が自発的に働く組織。
昔ながらの日本的経営では「現場力の高い組織」です。
そして、最近では「創発型組織」などと呼ばれています。
そんな組織の作りかたの大筋を、分かりやすくまとめてみました。
弊社恒例大判寒中見舞い!
ご希望の方は、メールにて、
会社名・会社所在地・お役職・ご氏名など、
発送に当たっての必要事項をお知らせ下さい。
件名は「寒中見舞い希望!」
宛先はこちら。 bizcom@msi-group.org
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『独裁者の最強スピーチ術』 川上 徹也 著
■『韓国人による恥韓論』 シンシアリー 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第361話 『構造の顕現』 (2月10日発行)
ビジネス・モデルをまとめた書籍をよく書店で見かけるようになりました。
しかし、そのような書籍を手にするまでもなく、よく目を凝らすと、日常の中
に「儲かる仕組み」は見つかります。その気づきについてまとめてみました。
(完)