346 衆知の訪れ

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第346号
=================================
 ご愛読ありがとうございます。第346話をお届けします。

 このメルマガの前号が発行された6月10日に、発売開始になった、弊社代表
の市川正人著の電子書籍『戦略的内定の取り方』は、その後、Amazonにて(短
期間ではあるものの)電子書籍全体で総合15位、ジャンル別では三部門で1位
を記録しました。この電子書籍の紹介する就活方法を説明するサイト『逆襲の
就活』は、市川が株式会社KIH Partners様に持ち込んだ、ウェブ上の業界団体
DBの構築企画を元に作られた就活サイトです。

 その告知・啓蒙ツールとして書かれた『戦略的内定の取り方』は、主人公で
ある冴えない就活生の堀場志歩のもとに、なんと弊社代表の市川が現れ、『逆
襲の就活』が提案する就活のメソッドをステップ・バイ・ステップで教える内
容になっています。

 古くは『もしドラ』のようなストーリー仕立ての展開で、ちょっとラノベ的
な感じに仕上がっています。キミカン(『君と僕の完璧な世界 有村千佳』)
の脚本がその特設サイトで公開されていますが、その文章とタッチが似ている
という指摘を時々受けてしまいまして、少々困っております。自分でもこのよ
うな文章が書けるとはつい最近まで想像だにしていませんでした。是非PR欄も
ご覧下さい。

 今回の第346話『衆知の訪れ』は、娘の小学校の教科書に登場する『ゆるや
かなつながり』と題された文章を読んだことをきっかけに、企業経営における
「知の探索」と「知の深化」について考えてみたものです。私にとっても「お
おっ」と言う感じの発見を混ぜ込みましたので、なるほどと頷いていただけた
ら幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご
感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
=================================

その346:衆知の訪れ

「いっぽう、友達の話によく出てくるけれど、会ったことのない人や、週に一
度の習い事でいっしょになる人のような、特定の会話や場面で登場する人たち
がいます。その人たちは、あなたのことをよくは知らないでしょう。数も多い
し、多様である半面、そのような人とのつながりは、切れることもめずらしく
ありません。このようなつながりを、『ゆるやかなつながり』と名づけましょ
う。
 わたしは、インターネットが、この『ゆるやかなつながり』を、さらに広げ
たり深めたりする機会をもたらしてくれるという点に着目しています」。
 
 ぱらぱらと捲っていた娘の小学校の国語の教科書にのっていた『ゆるやかに
つながるインターネット』と題された文章。なるほど、こんなことも今の小学
校では教えるのかと、読んでいくと、インターネット上での人間関係の善し悪
しを解説している。国語なのに、娘に出た宿題は自分の「強いつながり」と
「ゆるやかなつながり」をソシオグラムのようにまとめることだった。翌週聞
くと、図示までさせているのに、「ゆるやかなつながり」の用途などは例示さ
れないままに授業は終わったらしい。

 独立起業を目指す人々の勉強会で、会社訪問の際のチェック・ポイントを尋
ねられた。「細かく見たら、結構ありますよ」と、だらだらと列挙したら二十
を超えた。すると、唐突に列挙を続ける私を遮って、質問者がさらに尋ねる。
「ポイントがたくさんあるのは分かりましたが、どれができていると良いポイ
ントで、どれが悪いことのポイントなのですか。例えば、机の上がきちんと片
付けられていて、見た目にも5Sが徹底しているのはいいことじゃないですか。
そんな感じで教えて貰えますか」。
 
「5Sの中の整理整頓は、不要なものを捨て、必要なものはあるべき位置に置
き、すぐ取り出せるようにすることだと思うんです。机が社員一人ずつにあり、
その本人が必要なものをすぐ出せるなら、机の状況なんかどうでも良いんじゃ
ないですか。私が挙げたチェック・ポイントは観察するポイントであって、評
価ポイントではありません。なぜ、そうなっているのかを考える材料になるポ
イントと言うことです」。

 言葉を失った質問者。名著「『世界の経営学者はいま何を考えているのか』
の「知の探索」と「知の深化」ついての説明によれば、「弱いつながり」は形
式知を広く探索するのに適しているとあった。「ゆるやかなつながり」も同義
だろう。勉強会で耳にしただけの受け売りのチェック・ポイントでクライアン
ト組織を評価することはできるのか。形式知は明文化されているが故に容易に
模倣できる。模倣を恐れる中小零細組織の経営は暗黙知の累積ででき上がって
いる。受け売りでできることなら誰でもやる。誰でもやることは儲からない。

 件の本は、企業経営は「知の探索」より「知の深化」に偏りがちだと述べて
いた。けれども、私には表面づらの知識に振り回され放題の事業経営の方がや
たらに目に付く。
 
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
=================================
【MSIグループからのPR】

祝! Amazon 取扱電子書籍 総合15位!
そして、ジャンル別第1位 三冠!

電子書籍『戦略的内定の取り方』
新就活サイト『逆襲の就活』の専任コンサルタント
市川正人、書き下ろし!

冴えない女子大生、堀場志歩があっさりと就活を決める!
その影には古ぼけた商店街の喫茶店での
市川とのダラダラした会話があった!

ラノベ・テイストで気軽に読める。
新感覚の就活ガイドブック。

6月10日(火)発売開始。発売キャンペーン価格100円。
詳しくは、新就活サイト『逆襲の就活』から。
 http://shu-katsu.me/

ご購入の方には、
“Q&Aと裏話”の特典動画も用意しました。
学生向け、親御さん向け、学校関係者向け、中小企業経営者向け。
合計4バージョンあります。

是非、お楽しみ下さい。

=================================
【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『里山資本主義』 藻谷浩介・ NHK広島取材班 著
■『嵐のピクニック』 本谷有希子 著
=================================

発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け15年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
=================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、上述の弊社ブログにて発行状況をご確認の上、再び上述の弊社サイト専
用ページにて再登録をして下さい。
=================================
次号予告:
 第347話 『綺麗好き』 (7月10日発行) 
 最近流行っているように感じるメタ・ビジネスについて考えてみました。

(完)