028 人に宿る美

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経営コラム SOLID AS FAITH 第28号
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ご愛読ありがとうございます。第28号をお届けします。

さて、年の瀬も、世紀末も迫ってまいりました。皆様はいかがお過ごしでし
ょうか。当コラムは、年末・年始も休まず発行致しますので、お暇なときにお
読みください。

今回の号は、人材紹介の立場から、会社の魅力や人の認識について考えてみ
ました。ご感想を頂ければ幸いです。(返事確実です。)
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その28:人に宿る美

Beauty is in the eye of beholder.
米国の大学時代、人文学の選択科目の一つで、全く興味本位で取った審美学
のクラスで習った一言である。直訳すると、「美はそれを見る者の目に宿る」
であろう。

私が行ったのは西海岸の工科系の大学である。もともと、アメリカ人の学生
は生徒の権利とばかりに、好きな科目ばかり勉強することが許されているから、
工科系の大学で絵心などと言う繊細な感覚を持ち合わせている者は少ない。ま
して西海岸は、米国の中では歴史も浅く、ヨーロッパ的伝統文化が評価されに
くい土地柄である。そして、米国自体がやはりプラグマティズムの国、基本的
に分かりやすいものに価値を見出しやすい。

こんな環境の審美学のクラスは、生徒に非常に優しかった。美しい絵画に共
通すること。抽象画に読み取られるべきポイント。こんなことを追求して行く
うちに、生徒たちは美術の歴史の中に構築されてきた価値観を少しずつ理解し
て行く。そして、最後に美は何処に存在するかを考え始める。

人材紹介業を永年に渡り営む市川氏の持論は「人に誤解は無い」である。求
職中の人材が、どれだけ自分の職歴を、そしてそこで身につけたという技術や
知識を誇示しようとも、その人材の価値は見る側の者によって決定される。

「私はあなたが思うような人間ではありません」。採用面接の場でも、普段の
人間関係の中でも、いくら言葉を重ねようとも一旦できた印象はそれを持った
本人以外は覆すことができない。どのような認識も誤解ではない。

失業率は上昇し、労働市場に求職者が溢れている。いわゆる3Kの職場でも、
求人広告を出して人がこないことは皆無になりつつある。しかし、面接する中
に「これは」と思う人材は少なく、いても他社へ流れてしまう。

それは縁が無かったからではない。人材を見る目に誤解は無いのと同様に、
人材の目にも誤解も狂いも無いのだから。
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